南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

セントーサ&VivoCity

2006-10-24 12:22:47 | シンガポール
この写真は、セントーサからの帰りのケーブルカーから見た
ハーバーフロントのショッピング・センター、VivoCityです。
この写真では、そんなに大きな建物のようには見えないので
すが、建物の中はすごく大きくてびっくりします。

今月の7日にオープンしたのですが、正式なオープニングは
12月。工事中のお店はまだ多いとはいえ、すでに数多くの店
がオープンしていて、その店の多さにびっくりしてしまいま
す。地下2階、地上3階のその巨大ショッピングセンターは
シンガポール最大規模です。

ここには21日の土曜日の午後に行きました。シティのほうか
ら、車でウォーターフロントに向かおうとしたら、VivoCity
の駐車場に向かうと思われる車が長蛇の行列になっています。
ここで我々は、すでにVivoCityをあきらめて、通り過ぎて、
ずっと先をユーターンして戻ることにしました。そうしたら
VivoCityと隣接しているクルーズセンターのほうに入れそう
です。ラッキー。そちらの駐車場はそんなに混んでいません。
しかも、前からあるハーバーフロントのショッピングセンター
とは中でVivoCityとつながっているのです。これは便利。

急がば回れということなんですね。
これはたまたま運がよかっただけなのですが、ほんのちょっ
とフレキシブルな発想をするだけで、次善の策が見つかると
いうことであります。一つの解決法のみに拘っていると、
なかなか先が見えなくて困るということはあるものです。

このショッピング・センターには、地下鉄(MRT)でも行けて、
ハーバーフロント駅がすぐそばなので、とても便利。お店も
いっぱい。その日はちょっと寄っただけなので、ほんの一部
しか見ませんでしたが、一番感動的だったのは、フードコー
ト。昔の街並が映画のセットのように再現された店舗が見事
です。もう、見ているだけでもテーマパークのようで、楽し
くなります。観光で来た人を招待すると、喜ぶんだろうなと
思いました。ここはかなりおすすめです。

ここで私達は、揚げ物屋の店で、バタフライという名前の揚
げパンを買って食べました。これは美味。揚げたてがとても
いデリシャス!丁度、バタフライを揚げているところだった
ので、それを注文したのですが、私も妻の下町娘も、それ
が、バター・フライ(Butter Fry)だと信じきっていました。でも
後でシンガポールの観光ガイドを見たら、それはバタフライ
というスナックで、チョウチョの形になっているのですね。
外に胡麻がついていて、パン生地を油で揚げただけのシンプ
ルなものですが、これはおすすめです。

このフードコートは、最上階の一角にあるのですが、他に
いろんな店舗が入っていて、ここだけでも観光コースとして
はかなり見所です。ただ込み合っていて、席は取りにくいし、
どのお店も行列ができてしまうというところが欠点ですが。

そこから外に出ると広々とした広場が広がっています。屋上
なのに、木が生えていたり、ビーチのような雰囲気があった
りで、ショッピングセンターの屋上とは思えない雰囲気です。
夜は、プールの水が輝いて、ちょっとロマンチックな雰囲気
になるみたいです。

詳しくは、VivoCityのウェブサイトをごらんください。
http://www.vivicity.com.sgです。

この巨大ショッピングセンター、じつは設計したのは日本人
建築家の伊藤豊雄(いとうとよお)という人
なのですね。私は知らなかったのですが、いろいろ国際的な
賞を受賞している有名な建築家の方なのです。このVivoCity
のデザインコンセプトは、「流動性」。建物は直線がほとん
どなく、波のような風のようなカーブが多用されています。
現代建築としても、見る価値のある作品なのですね。こうい
うところでも、日本人が活躍しているというのはすごいです。


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さて、話しは変わって、そのVivoCityの対岸のセントーサ。
今まで、妻の下町娘は一度もセントーサに行った
ことがありませんでした。彼女は、友達から「セントーサは
つまらないので、別に行かなくてもいい」と聞かされていた
のです。しかし「まま一度は行ってみるのもいいか」という
ことで行く事になったのです。

さて、その印象はいかに。「セントーサって結構面白い」と
いうコメント。最近、リニューアルして、アトラクションも
増え、ホテルやお店も増えています。さらに来年、一月には
VivoCityとセントーサが電車(LRT)で直結するので、さらに
発展が予想されているとのこと。今後も楽しみです。

このセントーサのアトラクションの中で、イメージ・オブ・
シンガポールという展示館があります。ここは15年以上前に
来たときに見て以来、何度か見ています。去年、日本からの
お客さんを連れてきたときは改装工事中で見られませんでし
た。この展示は、シンガポールの歴史を、蝋人形で展示して
あるものですが、以前は、戦争関係の展示が大半を占めてい
ました。侵略者としての日本が悪者になっているという雰囲
気で、日本人としてそれを見ると、良心の呵責に苛まれるよ
うな雰囲気でした。

今回、リニューアルされたイメージ・オブ・シンガポールを
見て、その戦争部分がすっかり一掃されていました。過去に
拘って、被害者意識で、侵略者を恨んでいるだけでは、未来
の発展がないということなのでしょうか。あるいは、ここを
訪れる多くの日本人観光客から、日本人を徹底的に悪者にす
る歴史観に対する不満が指摘されたのでしょうか。またある
いは、軍事力を強化しないといけないシンガポールにとって
いたずらに厭戦気分を高揚することはメリットがないと悟っ
たのでしょうか。

いずれにしても、イメージ・オブ・シンガポールは、戦争を
切り捨てて、建設的なシンガポールのイメージ作りを始めた
のかなという気がします。

イメージ・オブ・シンガポールに入るとすぐに、ミニシアター
で5分くらいの説明があるのですが、これもまあよくできて
いました。いろんな民俗が、偶然この南の島に集まり、運命
共同体となったという話しですが、考えてみれば私達二人を
結びつけたのもシンガポールという奇跡なのですね。

下町娘は、このイメージ・オブ・シンガポールを
とても気に入っていました。こんなのつまらない、と言われ
たらどうしようと心配していたので、よかったです。

あと、新しくできたアトラクションのシネマニアというのは、
スリルのあるバーチャル体験なのですが、これがまた馬鹿に
できないほどの臨場感、ジェットコースター恐怖症の私です
が、ジェットコースター以上にすごかったです。こんなんが
シンガポールにあったなんて、とびっくりです。

この日、セントーサには世界各国から来た観光客がひしめき
あっていましたが、インドから来た観光客がすごく目につき
ました。ケーブルカーに相乗りしたのは、インドのプネーか
ら来た夫婦でした。経済発展するインドからシンガポールを
訪れるインドの富裕層。インドの人にとって、ケーブルカー
だって初めての体験で、我々以上に感動が大きいんだろうな
と思いました。

いろいろありましたが、セントーサの点数をつけるとしたら
百点満点で75点。これは決して悪い点数じゃないですよ。