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南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

今日からロンドン

2008-05-23 08:25:06 | ビジネス
今日からロンドンに来ています。そういえば先週は東京にいました。
なかなかブログを更新できないので申し訳ないのですが、日曜まで
ロンドンに会議のため来ています。香港からはるばるシンガポール
経由でやってきました。ハイドパークコーナーにあるヒルトンホテル
に泊まっていますが、この上の写真はその窓から見えた光景です。

さて明日は、このホテルで、世界各国から来た人たちとの会議です。
ちょっと長旅で疲れましたので、今日は短めですが、これくらいで。

飛行機の中で読んだ「ハイコンセプト」

2007-01-05 02:57:04 | ビジネス
みなさま、あけましておめでとうございます。3日の夕方7
時成田発のシンガポール航空で、シンガポールに戻ってきま
した。日本にいる間にブログを更新しようと思っていたので
すが、なかなか時間がなくて(というのは言い訳です)更新
できませんでした。昨日も到着したのが夜中の2時くらいで、
帰ってから更新というのもできませんでした。ごめんなさい。

日本では、深川の七福神めぐりをしたり、映画の『大奥』を
見たりしたのですが、それはまた別の機会にするとして、今
回は、この写真のダニエル・ピンク著「ハイ・コンセプト」
という本のことを書きたいと思います。

飛行機に乗る前に、成田空港の第一ターミナル南ウィングの
書店のTSUTAYAで、この本を見かけたのでした。タイトルを
見たときに、これはちょっと一般受けしない感じだなと思っ
たのですが、帯の裏表紙に、「この本はミラクルだ。新しい
時代に立ち向かうコペルニクスだ」というトム・ピーターズ
の言葉が黄色い文字で印刷されていました。トム・ピーター
ズがそこまで言うのなら買おうじゃないかということで、
買ってしまいました。

飛行機に乗って、この本を読み始めました。通路側の座席は
読書灯の光が弱いのですが、それでも読み続けました。飛行
機は満席でした。日本人よりも観光で日本に訪れていたシン
ガポール人のほうが多いのではないかという気がしました。
何度か気流の悪いところを通過して、飛行機はジェットコー
スターのように揺れたのですが、それでも私はこの本を読み
続けました。そして、飛行機が7時間弱の飛行を終えて、夜
のチャンギ空港にランディングした時には、約350ページ
のその本のほとんど最後のあたりを読んでいました。

これはビジネス書ですが、従来のビジネス書のように知識を
扱った本ではなく、感性をテーマとしています。そういう意
味では、従来のビジネス書とか、経済や経営学の本とかの感
覚でこの本を読もうとすると、失望するかもしれないという
気がしました。内容はきわめて精神的であり、ファジーで、
新しい。「新しいこと」を考えだす人の時代、という副題が
ついているくらいなので、その考え方は、きわめて斬新なの
です。でも、左脳人間の人からすると、ちょっと読みづらい
かもしれません。

しかし、私にとってはめちゃくちゃ面白かったのです。大前
研一氏が翻訳を行い、自身で前書きを書いています。これま
で私達は、「答えのはっきりした世界」に生きていたので、
知識や技術さえ身につければ何とか成功できた。しかし、今
や、「答えのない社会」になりつつある。そのような世界で
は、知識ではなく、感性が重要になってくるというのです。

著者は、成功の鍵は以下の6つの感性にあると言っています。
1)「機能」だけでなく「デザイン」
2)「議論」よりは「物語」
3)「個別」よりも「全体の調和」
4)「論理」ではなく「共感」
5)「まじめ」だけでなく「遊び心」
6)「モノ」よりも「生きがい」
これだけでは何のことやらわかりにくいかもしれないのです
が、じつはこれらは私が以前から追求してきたものなので、
よけいに惹き付けられてしまったのです。

そろばんが電卓にとって代わったように、人間の知識はコン
ピューターが代行するようになり、また単純作業は中国や
インドが安価な労働力で代行するようになると、私達は、
コンピューターや、中国、インドができないことをしないと
存在意義がなくなっていってしまいます。そのときに必要に
なってくる能力が、全体をまとめあげる力だったり、物事を
わかりやすく伝える力だったり、共感する力だったり、無か
ら有をつくりだす力だったりするのです。これまで学校では
教えてくれなかったことばかりです。

今、私は広告の仕事をしているのですが、広告の仕事で必要
な資質もじつはこういうことなのです。そうしてみると広告
業というのは、最先端の仕事のように見えてきます。また
自分の過去を振り返ってみると、自分が興味のあったことの
すべてが、この「ハイコンセプト」の時代に活用できること
のように思えてきます。

高校の時にちょっとだけ美術部にいて、デッサンをしていま
した。大学を卒業したばかりの頃、シナリオライターになり
たくて、夜間の学校にちょっと通っていました。大学時代、
シェイクスピアの演劇をしておりました。大学では英文学を
やっていて、小説だとか詩だとかを研究していました。仕事
の中では、プレゼンテーションをやってきました。説明も
そうですが、パワーポイントを美しくまとめるということを
追求してきておりました。お笑いの才能はないですが、人を
笑わせることは好きです。こんな背景を持っている自分なの
で、この本で書いてあることが、すごい説得力で自分に語り
かけてきたのでした。というか、自分がこれまでもやもやと
思っていたことを正当化してくれるといったような感じでした。

私は、以前から新聞を読むことが好きでありませんでした。
新聞を読む事は知識を得るには必要なことですが、知識を
追求すると逆に世の中が見えなくなるのではないかという
感じがしていました。新聞社の人には申し訳ありません。
これは勝手に自分が思っているだけで、誰もそれに共感
してくれる人はいませんでした。でもこの本の中にそれに似
たことが出ていました。情報を遮断することで、右脳が働か
ざるをえなくなるというのです。感性がとぎすまされ、より
大局的な考えができるようになるようなのです。

新聞を読んでいると、世の中の細部はよく見えるようになる
のですが、逆に、世の中の大きな流れとか、物事の本質のよ
うなものは見えなくなってしまうという気がしていました。
新聞広告媒体を仕事で扱う私がこのような発言をするのは、
ちょっとおかしなことなのですが、個人的には新聞は嫌いで
す。とくに常識的で画一的な見方しかしないという点が一番
嫌いです。すべての事象を新聞社の常識的な視点で眺めると
いうことが耐えられない気がしていました。

なんて考え方をもっていたのですが、この本が間接的にその
考えをサポートしてくれているような気がしてうれしくなり
ました。私が自分に引きつけて読みすぎているのかもしれま
せん。でもなんか、これからの「新しいこと」を考えだす人
の時代というのは、何だか自分のような人間がやっと力を発
揮できるような気がして嬉しくなります。下積み50年、これ
から自分の蓄積してきたものを世の中に活用できるようにな
れば幸いです。

新年早々、いい本に出会えたことに感謝いたします。

はじめての海外出張

2006-09-23 23:55:24 | ビジネス
それはもう25年も前のことです。会社に入ってはじめて海外出張は
ロサンゼルスのハリウッドでした。商品プロモーションビデオの撮
影の仕事でしたが、会社に入ってまだ間もない私にとって、いきな
りの海外、しかもハリウッド。これはすごい緊張でした。

飛行機にも慣れていない。アメリカなど行ったこともない。しかも
とっても怖~いクライアントと二人だけ。この人はやたら厳しいの
で有名でした。もし何かひょんなことで機嫌をそこねたら、とんで
もない事態になるんだろうなと不安満載。

そんな状態でいきなり成田から飛行機に乗る。クライアントの担当
者は、飛行機にはかなり慣れている雰囲気。私の緊張は高まる。
ロスは暑いという情報だったので、私は半袖のシャツに薄手のズボン
という軽装。クライアントの担当者は、ウィンドブレーカーを着て
いる。「飛行機の中は寒いからね」との一言。え、そうなの?

飛行機に乗ると、クライアントは慣れた感じで空席を見つけ、さっさ
と席を移動して横になる。旅慣れている人はすごいなあと感心しなが
ら、その人から旅の極意のようなものを学んだ気がします。
Itinerary(旅程)という単語も成田で飛行機を待っている間に、その
人から教わりました。飛行機の燃料は翼のタンクに貯蔵されていると
いう雑学などもその人が教えてくれました。教わるばかりの私でした。

それは今よりもおおらかな時代でした。ロサンゼルスに着いて、アメ
リカ人のスタッフと打ち合わせを終えたあと、クライアントは週末に
サンフランシスコに遊びに行きたいと突然言うのです。すぐに飛行機
を手配して、ロサンゼルスの小さな飛行場から、サンフランシスコに
飛びました。たしかバーバンクという飛行場でした。

サンフランシスコに到着して、バスで市内まで。そこの案内所でホテ
ルを手配。フィッシャーマンズワーフのホテルにしました。あとは
サンフランシスコの市内観光。フッシャーマンズワーフや、対岸の
サウサリート、バークレーの大学キャンパスにも行きました。私は
内心びくびくしながらも、ツアーコンダクターに徹して、
全然知らない街を案内したのでありました。

サンフランシスコの街は、気候もよく、観光するには最高でした。
私は幸いにも地図を見てナビゲーションするのは好きでした。今から
思うと、全く知らない街でよくあっちこっち行けたものだと感心して
しまいます。フィッシャーマンズワーフからフェリーで対岸
のサウサリートまで渡り、そこからバスで市内まで戻ってきて、バー
クレーまで電車で行きました。かなりの部分はそのクライアントの
無謀な行動力のおかげではありましたが。

その後、ハリウッドでのメインの仕事のほうは何とか無事に片付きまし
た。ドラマ仕立てのプロモーションビデオで、撮影はすべてスタジオの
セットでした。本場の撮影スタッフは、さすがに映画の本場だけあって
いろんなスタッフがかっこよく立ち回っていました。カメラを回す前に
出すカチンコもなんだかかっこよかった記憶があります。

この出張を終えて、とくにクライアントの機嫌をそこねるような事態が
起こらなかったのは、奇跡的なことでした。一つ間違えば、旅先での
トラブルは十分ありえました。海外出張自体がはじめて私は、内心常に
びくびく、おどおどしていたのですが、何とか無事に終了して、ほっと
しました。

それから海外出張は数多く、今ではかなり慣れているのですが、最初の
出張のことは今でもはっきりと覚えています。はじめての海外出張では、
未経験のことをいくつもクリアーしていかないといけないので、これは
大変です。何かのひょうしにパニックになってしまうと、忘れものをし
たり、とんでもない事故に遭遇してしまう危険もあります。こういうの
はやっぱりいくつか経験を踏んで、旅慣れていくというのがよいので
しょう。

そういう私も、実はその後、旅先でスリにあったり、飛行機に物を置き
忘れたりという経験は山ほどあるのですが、そういう経験も重ねながら
旅慣れてきているような気がします。今度、チャンスがあれば、旅先で
の失敗談などもしてみたいと思います。そっちのほうが参考になるかも
しれませんね。

それでも会社は動いてる

2006-03-25 02:48:14 | ビジネス
去年の後半にコーヒーカップはスターバックスの黄緑色のに変えた。
それまではブルーのマイクロソフトのロゴのついたマグカップだった。
シンガポールのチャンギ空港のスターバックスで、この黄緑色のカップを見つ
けたとき、これだと思った。色が気に入った。さりげないけれど、これみよが
しのロゴがいいと思った。このカップで飲めば、どんなコーヒーでもおいしく
なるようなそんな気がして、すぐに買った。朝はコーヒー、午後はミルク
ティーにしている。

母が亡くなって、三週間が経過する。その間、母の死を悲しんでいる間にも、
仕事は怒濤のごとく押し寄せてくる。決算、所得税の申告、社員の納税書類の
準備、会社の保険の更新、社員の給与の準備、売り上げの管理などを行いなが
ら、仕事の企画を片付けていく。この時期にいろんな仕事が重なってしまった。

そんななかで、現地社員たちの様々な問題。何でこんなときに限っていろんな
問題が出てくるんだろう。一人の女性社員が、ボーイフレンドとの問題が
あって、両親と一緒に会社にやってきた。公共の場所なので詳細はあえて
書かないが、聞いていると可哀想な話だった。当面は危険なので、彼女を家
から外に出せないという話だった。両親は厳格なクリスチャンのようだった。
何度も"God"とか"Jesus"という言葉が出てきた。父親は娘のために、しばらく
はボディーガードとして娘を守ると言っていた。親は必死に彼女を守ろうと
している。なんかうらやましいなと思った。

別の女性スタッフは、出産を間近に控えている。今週病院で見てもらったら、
胎児が順調に生育していないということらしい。医者は彼女に二週間は仕事を
しないで療養するように指示を出した。今日会社に引き継ぎにきて、帰って
行った。不安は続く。出産は帝王切開になるらしい。
あかちゃんが元気に生まれてきますように。

別の女性スタッフは、ゲップがとまらないへんてこりんな病気にかかっている。
ときどきゲップの発作がある。今年のはじめからときどきその症状が出て、
たびたび病院に行ってみてもらっている。普段は元気でがんばりやの彼女なの
だが、今日も午後4時から病院に行くと行って帰っていった。

もう一人の女性スタッフは、(というとこの会社は女性ばかりなのかと思わ
れるかもしれないが、男性もいるので御心配なく)、数年前、乳癌の手術を
してから仕事を遠ざかっていた。去年の暮れから、うちの会社で仕事を初めて
いる。月に一度は病院に検査に行っているが、普段は一生懸命仕事をしている
マレー系のおかあさんだ。

他の社員は大丈夫なのだが、ときどきは風邪をひいたり、腹を壊して休んだり
する。それにひきかえ私はほとんど病欠をしない。風邪で熱を出して休んだの
は、この8年間で一日くらいだ。もうみんな身体がよわすぎるぞって叫びたい。

そういえば私は小学生のとき六年間一日も休まなかったので、卒業式のときに
表彰された。表彰されたのは、5人くらいいたが男子は私一人だけだった。
けれど、私は頼りなかったので、一人の女子が代表で賞状をもらった。

中学のときは遅刻はめちゃくちゃ多かったが、欠席は一日だけだった。高校の
時も欠席は一日くらいだ。会社に入ってからも病欠はほとんどしなかった。
それほど身体がたくましいというわけではないのだが、幸いにして大きな病気
はしないですんだ。

母はよく入院をした。だいたいが過労だった。私が病気にならなかったのは、
母がその分病気になってくれていたからなのかもしれない。
などと思うと、母には感謝しなければならない。

今日も忙しい一日でした

2006-02-16 01:05:03 | ビジネス
今日の一日が終わりました。天気は昼間一時小雨が降りましたが、だいたい晴れて
いました。シンガポールの天気をNHKの世界の天気で見ると、いつも晴れと雲と雨
のマークが出ています。まあこれで大体あたりです。
シンガポールにいると天気予報なんかわざわざしてくれなくてもいいのにと思って
しまいます。雪も降らなければ、台風も来ないし、前線が停滞するわけでもありま
せん。NHKさん、どっかもっと他の国の予報をしてあげてくださいね。

今日は朝からずっとデスクワークでした。しかし、ほとんど会社の机に座っていた
のですが、何かずいぶんといろんな仕事をした気がします。ちょっと日記代わりに
パワーポイントで、今日行った仕事を列挙してみました。いろいろありましたね。
あらためて眺めてみると、何かすごい国際的ですね。

ベトナムとか、バングラデシュとか、インドとか、スリランカとか、何の会社なの
かと思ってしまいますよね。うちの会社の仕事は、シンガポールの仕事だけじゃな
くて、周りの国の広告や看板の仕事もやっているのです。今の時代、だいたいメー
で片付いてしまいます。

今週、ベトナムの空港の出発ロビーの看板が一件決まって、その広告掲出の準備を
していたのですが、今日、ベトナムからメールが来て、「政府系の銀行がその看板
の場所をブッキングしたいので隣にずれてほしいと言われた」とのこと。早速、
クライアントに連絡したら、「こちらとしてはすでに契約したのだから何とか死守
してほしい。もしどうしてもというならばそれなりの弁償を」ということ。代理店
としては、こういう場合、板挟みになってしまいます。ここまで順調
に進んできた仕事だけに、最後の最後でつまづきです。しかし、まあ何とか
なると楽観的に考えております。

スリランカとか、バングラデシュなんかは、行った事もありませんが、ネットワー
クを使って、ほとんどメールだけで仕事をまとめてしまいます。電話などは
面倒くさいので使いません。というか、電話だと、相手の訛のつよい英語がわかり
にくいし、ついつい相手のペースに乗せられてしまってこちらが不利になる可能性
があるからです。メールだと、こちらの言いたい事をかなりストレートに言える、
ということこがいいところです。

こんな仕事もしている一方で、インスタントビーフンのパッケージの写真撮影の
段取りもしました。パッケージデザインが大体OKになり、いよいよ撮影なんです
が、見積もりを何とかクライアントにサインもらい、細々とした撮影の段取りです。
6種類の写真を来週の水曜日にいっぺんに撮影するので、その段取りもまた大変。
アワビ味、トムヤム味などいろいろあり、その具材や、小道具などをカメラマンに
指示しないといけません。

これと別に月末には別の商品撮影も入りそうで、そちらの手配もしました。

まあ、こういう仕事がある一方で、人事、経理的な仕事もあり、なかなか幅が広
すぎてカバーしきれないのですが、何とかやっています。こちらでは支払いが殆ど
小切手なのですが、それにもすべて私がサインしなければなりません。銀行送金の
場合もサインです。日本のように印鑑を誰かが代わりに押すということはできず、
必ず本人がサインするのです。もういつも文字が震えてしまいます。

なんだかんだ仕事は多いです。女性スタッフが一人産休を控えているので、臨時
に短期採用を考えているのですが、一昨日面接した人から、やっぱり働きたくな
いので、この件はなかったことにという連絡がきました。経理とかセクレタリー職
はテンポラリーでも人が来るのですが、営業職だとなかなかいません。

銀行口座の残高をチェックして、入金予定、支払い予定などチェックするのも私の
仕事です。こちらの会社はシンガポールドル口座と、米ドル口座の二つがあるので
ちょっとまた複雑です。

サッカーでいうと、一人でゴールキーパーと、ミッドフィールダーと、フォワード
をやるようなもんで、さらに監督も兼務しているようなスーパーな守備範囲です。
こういうのは分担しないと無理がきちゃいますね。会社経営上は健全でないです。

ああ、いい人材を雇うためのお金がほしい!と思う今日この頃です。
ああ、自転車操業の零細企業は苦しいっす。

生まれて初めて連結決算について考える

2005-11-14 18:49:32 | ビジネス
連結決算、その言葉を聞くと、電車と電車ががちゃんと連結する
あの金属的な重厚な音を思い出してしまいます。
連結決算とは、親会社と子会社とかが決算を合体させること
なのですが、電車の車両のような重量感のある組織がガッチャ~ん
と繋がる感じですね。

そんなことを考えていると、石橋正次の「夜明けの停車場」という名曲が
遠く聞こえてくるようであります。え?知らない?う~ん、年がばれるなあ。
聞くところによると、日本の国の平均年齢が今年あたり50才を超えるだか、
もう超えただか、ということなので、約半数以上の日本人はこの歌を
知っていると推測されるのであります。
だから引け目を感じる必要はないのであります。

夜明けの停車場に、冷たい雨が降っている。
その静寂のなかで、電車と電車が連結する音がこだまする。
う~ん、何という情緒のある光景なのでありましょう。

さて、連結決算。この言葉からは、非常に大きなグループ企業とかの
ことを想像してしまうのですが、実はうちの会社のような中小企業も
さらに小さな子会社を海外に持っているので、連結決算というのが
関係してくるのです。

今まで、会計監査の会社の人と打ち合わせをしていたのですが、
この国の会社法では、子会社がある場合、連結決算をしないといけない
のだそうですが、それをしないですませる方法でいこうということに
なりました。連結決算の作業をしていなかったので、こういうことに
なったのですが、法律というのはいろいろな抜け穴というか、抜け道と
いうかそういうものがあるもんでございますね。

しかし、なぜか最近、法律がらみの話がやけに多いのでございます。

生まれて初めて弁護士事務所へ

2005-11-11 00:45:18 | ビジネス
今朝は、仕事で法的な問題が生じ、弁護士の事務所に行きました。
日本では、弁護士などまったく縁がなかったのに、こちらに来て
初めて弁護士に相談を行いました。

弁護士事務所はすごいビルの中の見晴らしのいいオフィスで、
まるでテレビドラマのようでありました。そこに、シンガポール人の
女弁護士が二人やってきました。すごいエリートなんだろうなあという
感じです。弁護士だけあってさすがに頭はよさそうです。

弁護士は時間単位で料金を課金するので、まるでタクシーに乗って
いるような感じであります。密度の低い打ち合わせはお金がもったい
ないので、余計なことで時間を浪費せずに、段取りよく話をすすめ
ないといけません。

で、一時間ばかりいたでしょうか、状況を分析して、これこれこういう
ことをしたほうがよいです、というアドバイスをもらいました。
それに従って、いろいろやったのですが、何とか本日中に出費を最小限に
留めて解決することができました。アドバイス代と打ち合わせ代、作業代
などで日本円にして15万円くらいの出費になりましたが、訴訟されて
莫大な金を請求されるよりは全然ましです。

朝のうちは、どうなることやら心配ばかりで、非常に重苦しい感じだったの
ですが、弁護士と相談した後、物事が改善の方向に向かいだして、
やっぱり相談してみるもんだなあと思いました。
自分だけで悩んでいたら大変なことになったかなあと思います。
ひとまずめでたし、めでたしです。

生まれて初めて会社の決算を行う

2005-11-09 21:08:31 | ビジネス
南の国のこの会社は、日本の本社に合わせて6月決算となっております。
6月が締めとなるのですが、実際の決算の作業は、それから後の作業になります。
我が社は、11月になってもまだ決算が終わっておりません。
この国の法律では、期が終わってから六ヶ月以内に決算を終了し、
AGM (Annual General Meeting)、日本語でいうと年次総会を開催しないと
いけないということになっております。急がないと!

うちの会社は会計監査の会社を使って決算書を作っています。
監査期間中は、その会社からスタッフが何人か送り込まれてきて、終日
会社に留まり、一年間のありとあらゆる伝票やら、契約書やらを、チェック
されるのです。ちょっとでもおかしな部分があると、「これって一体どう
いうことなんですか、説明してください」と責めてきます。

おそらく皆さん、一流の会計監査の会社に務めるくらいなので相当の
エリートなんだと思うのですが、そういう人たちが、いろんなことを
厳しくチェックしてくるのであります。企業の健康診断で、身体の
あちこちをチェックするような感じで会社の財務状況、会計状況にメスを
入れてくるのであります。あ~そんなとこまで見ないで~、という
ようなことまであるのですが、へんに隠し立てすると怪しまれて
古畑任三郎のように、「ちょっと待ってくださいよ、今あなたは
こうおっしゃいましたよね。。。」
てな感じで突っ込まれてしまいます。毎日が冷や汗です。
まあ針のむしろとも言いますが。

こういうのを楽しむ余裕はまだ私にはなく、スリルとサスペンスで
心臓によくないのでありますが(おかげで最近脈拍数が慢性的に高く
なってしまったのだ。これは労災がきくのか?)
おかげでこんな分野にだんだん詳しくなっていく自分が嫌でございます。

日本にいたら、絶対こんなことさせてもらうチャンスがないので、
そういう意味では海外で仕事していることのありがたさです。
とこれはかなりのポジティブシンキングのポイントゲットですね。
まあいろいろ勉強になります。

今日は、これ以外にもいっぱいややこしい話があったのですが、
それはまた別のお話し。

生まれて初めて資金繰り表を作る

2005-11-08 19:44:37 | ビジネス
南の国の小さな会社は、日本の東京にある本社の子会社であります。
本社のほうから、借金もしておりますもので、今後の資金繰りを
調べるように再三言われておりました。昨日またその催促が来ました。

「すみません、あと二三日の猶予をください」と言ってはみたものの
本当にそんな期間にできるものなのだろうか?自信がないのであります。
「資金繰り」って言葉は聞いたことがあったんだけど、実際にやった
こともなければ、それを人がまさに行っている現場を見た事もない。
言葉の雰囲気からいって、何かをまさぐるような...
「まさぐる」といえば、「夜の銀狐」というムード歌謡の名曲の歌詞
の中に出てきますね...♪灯りをまさぐる、夜更けの時間~
ソログリース、デラノーチェ
というサビが有名で、カラオケで私もよく歌ったものです。
昔のカラオケは今とは違って、4曲くらいづつ入っているカセットの
やつでした。などと言っても今の人たちには想像もつくまいが...
話がえらく逸れましたが、「資金繰り」と聞くと、この曲のメロディーが
聞こえてきそうな気がして、伏し目がちになってしまうのであります。

しかし、そんなことも言っていられない。早急に「資金繰り表」を
作らないと本社のお偉いさんからお叱りを頂戴してしまう。
お叱りをくれるんだったら金をくれ~!
と叫びたくなってしまう今日この頃。
本社の経理の人間はそればっかやってるからいいんだけど、
こちとらは、何でもかんでもやらないといけないのだ~。
経営、総務、人事、経理、営業、調達などから、本業の制作、企画、
マーケティングなどもやらないといけないのであります。
ちなみにこちとらは、いちおう広告代理店でございます。

会社に入って25年以上たっておるのですが、「資金繰り」ちゅうのは
生まれて初めてのことです。まあ、出るお金があれば、入るお金があり、
財布の中が空っぽにならないように注意をするようなもんですが、
だいたいお金のこととか考えることも嫌いだった人間が、資金繰り
などという作業をしなければならない。
世の中ゼニでっせ、ということなのでしょうが、なんとなく
そういうのは自分の美意識を違うような気がするんでありますね。

今月から先の入金予定と、支払い予定を整理すればよいのですが、
そんな先のことなんか誰がわかるか、明日は明日の風が吹くのだと
開き直ってしまいたくなるような今日この頃。
しかしそうは言うものの、大嫌いな数字とにらめっこしながら
「資金繰り表」なるものにこれから挑戦しなければなりません。
その壮大なる作業をする前に、このブログにて決意を表明してみました。
さあ、がんばるぞ~!
でもどんなに素晴らしい資金繰り表を作ったところで、所詮それは
現状の苦しさが浮き彫りになって見えてくるだけ。決して世の中が
バラ色に見えてくるわけではございません。
そうは言いながら、資金繰り表に挑戦しようとする私は、
どんなにがんばっても兄の頼朝の信頼を勝ち得る可能性のない義経の
ようでございます。こんなときに弁慶がいてくれたらなあ。

生まれて初めて退職願を受け取る

2005-11-06 23:14:25 | ビジネス
9月末、現地人社員から退職願を受け取りました。
これはは出すほうも緊張しますが、受け取るほうもドキッとします。
私がこの南の国にある小さな会社の社長になってから一年、
退職する社員はいなかったのですが、とうとうその日が来たのです。
ジャジャジャジャ~ン。

中国系の男性です。退職は、一月前の書面での通知ということに
契約上はなっているので、その規定通り、一月後の10月末の退社日と
なっていました。この国では英語が仕事の言語なので、退職願はもちろん
英語で書かれていました。日本だと、そんなに詳しく書かずに
「一身上の都合により」というふうに書くみたいですね。
日本での退職願の書き方に関してはこちらをご参照ください。
http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=954387
ちなみに「辞表」というのは役員が書くもの、通常は「退職願」だそうです。
しかし、日本語の退職願と違って、英語のは、けっこういろいろ書いてある。
「この会社で働くことができて非常に感謝している」というようなことが、
何行か素晴らしい文章で書いてあるのです。

英語の退職願の書き方って一体どうなっているのだろう、と思ってちょっと
ウェブで検索してみたら、いろいろすごいハウツーがあるんですね。
たとえばこんなんがありました。
http://jobsearchtech.about.com/od/letters/l/aa030998.htm
いろんなサンプルも出ていて、どうしたらかっこ良く辞められるかというヒントまで
出ているみたいです。う~ん、奥が深い。
でもこんなん研究しても実際にその技術を使えるチャンスはあまりない。
でもいざというときにこういうサイトは役にたつんですね、きっと。
ちなみに英語では「退職願」は"Letter of Resignation"というのですね。

あと、10月末退社ということで、経営者側としては、年末ボーナスを払わなくてすんだ!
と思ったのですが、この国では年末の賞与はAnnual Wage Supplementということで
一月分は法律で保証されていて、勤務が一年に満たない場合、その比率で払わないと
いけないということで、払うことになってしまいました。弁護士の人とか、人材派遣の
会社とかいろいろ相談したのですが、払うことになりました。
もし、これを払いたくなければ、「12月まで勤務を続けた場合」というような文章を
雇用契約書に入れておかなければならないということでした。
まあ、後の祭りですが。いろいろ勉強になります。