南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

月餅と三日月

2006-10-01 01:43:53 | シンガポール
世界の中華圏では中秋節まっさかりです。中国も、台湾も、香港も
そして、シンガポールも同じように、季節物の月餅が出回っていま
す。日本では中村屋の月餅が有名で、一年を通して売られています
が、中華圏では、あくまでも季節物で、ここ一月ちょっとの間しか
出回りません。ちなみに本番の中秋は今年は10月の6日のようです。

今日やっと、もらいものの月餅を食べました。この上の写真の物で
す。ここ数年食べていますが、ほんのちょっと食べただけで、すぐ
にもう結構となってしまいます。基本的には濃厚な甘さなので、甘
のが苦手な人には耐えられません。私は甘いのは嫌いじゃないです
が、月餅の甘さはちょっとくどい気がします。

この上の写真のような月餅は一人で丸ごと食べるのは、ちょっと無
理な感じです。お中元のような感じで、この季節には、取引先とか
から月餅が届いたりもするのですが、ローカル社員も食傷気味です。

写真のように中に卵の黄身が入っているものは、典型的な月餅で、
蓮の餡を使っていて、外側は焼いて茶色くなっています。しかし
最近では、いろんな月餅があり、生和菓子のようなスノースキン
(外側の皮が生のままのもので、あまり日持ちがしない)のものと
かも多く、また中の餡も、いろいろなフレーバーのものがあります。
下町娘が大嫌いなドリアン味のものもあります。

私が好きなのは、一口サイズのミニ月餅で、スノースキンで中が
カスタードクリームのものです。これは月餅としては邪道なのです
が、スイーツとしては非常に美味です。スターバックスとかでも
毎年、月餅を出しているのですが、こちらのはあまり好きではあり
ません。

月餅はシンガポールではムーンケーキと言い、中秋節もムーンケー
キフェスティバルとか言うのが普通です。名前の通り、月餅は月を
象徴しています。それも満月。幸福が満ち足りた状況を満月で象徴
させているのでしょうか。

月と言えば、今日、NHKのつながるテレビ@ヒューマンを見ていたら、
このテーマ曲の「三日月」を歌っている絢香(あやか)さん
が出演していました。これまでにこのテーマ曲は何度か聞いたこと
があったのですが、あらためてフルで聴くと、あ、いい歌だなあと
感動してしまいました。とくにこの歌は、私たちのように遠距離に
なっている人にはぴったりの曲です。

♪がんばっているからねって
強くなるからねって...
君も見ているだろう
この消えそうな三日月
つながっているからねって
愛してるからねって
三日月に手をのばした
君に届けこの想い


と歌う絢香さん。「たとえ離れていても、心はつながっている」
というのはこのNHKの番組のコンセプトのようですが、「三日月」
の歌のテーマがまさにそれでした。NHKのホームページに書かれて
いるのですが、「この人の歌は、絶対に多くの人を救うだろう」
という小さな雑誌記事が、NHKの番組に起用された理由なのだそう
です。パワフルな彼女の歌は確かに、少なくとも私達を救って
くれているような気がします。

この「三日月」、9月の27日にシングルCDがリリースされたばかり
なんだそうですね。きっとすごく売れると思います。この歌の試聴
は、ワーナーミュージックのサイトでできるようになっています。
http://www.wmg.jp/public/d001?id=3472&m=1

満月ではなく、三日月というところがまた切ない感じですね。おそ
らく満月だと、もし月に手が届いても、つかみにくいのですが、
三日月だと、つかみやすいですよね。同じ月を見て、自分たちが
つながっていると実感する、それは遠距離にとっては必須です。

♪今度いつ会えるんだろう
それまでの電池は...

という歌詞が出てきます。電池というワードは今のパソコンの電池
をついつい思い浮かべてしまいますが、遠距離はそういう電池との
戦いなのですよね。で、それを充電してくれるのが、
♪抱きしめながら言った
あなたの愛してるの一言

ということなんでありましょう。

しかし、この絢香さんが作ったこの歌詞をじっくり見てみると、
いろいろ面白い点に気づきます。そこで羅列されている言葉は
いくつかの断片です。それは男性が女性に語りかけている言葉で
あったり、女性が男性に思いを伝えている言葉だあったり、
それがつなぎの言葉がないままにごちゃまぜになっているのです。

普通の歌は、男性の視点か、女性の視点かのどちらかで書かれる
ことが多いのですが、この歌は一人デュエットのようです。そう
いう部分で、離れた二人が精神的に融合しているということを
形として示しているのかもしれないと思ってしまいました。

さて、このブログも実は、月と同じようなもので、遠く離れば
なれになっていてもいつでもつながることができるというツールな
のですね。夫婦や恋人たちだけじゃなくても、全く知らない人たち
とも、たぶん、このブログでつながりあっている。普通の生活空間
では絶対に知り会う可能性のない人たちとつながっている。それは
とても素敵なことかもしれません。

話しは変わりますが、今日、NHKの連続ドラマの「純情きらり」が
最終回でした。私の故郷の三河弁が懐かしいのでたまに見ていた
のですが、何と今日は最終回。宮崎あおいさん扮する桜子さんが
みんなに見守られながら結核で死んでしまうという下り。よくある
パターンだなと思っていたのですが、泣いてしまいました。

桜子さんが死んだあと、息子に笑顔で次のようにコメントします。
お母さんの人生は人からみれば、あっけなくて、つまらない、
寂しいものに映るかもしれません。 あんたもそう思うかもしれんね。
ほいでもね。違うんだよ。お母さんは十分に生きた。
十分に輝いた。
お母さんの人生には素敵な事が山のようにあった。
その中でも一番素敵なことは、あなたのお父さんに出会えた事。
そして、あなたに出会えた事です。
意味のない人生なんてない。
輝きのない人生なんてない。
寂しい時はピアノを弾いてごらん。
きいちゃん、お母さんはそこにおる。ほら、あなたの側におるよ

「あなたのお父さんに出会えた事」というあたりで、
涙がぼろぼろ。もうちょっと長く生きてほしかったなあ。

その後、「功名が辻」の再放送。秀次が自分の運命を悟り、
潔く秀吉のもとに行くところでまた涙、そして、拾(ひろい)
が武士になるのをあきらめさせられて、仏門に入るという所
でこれまた涙。今日は、何だか、涙、涙の一日でありました。