南の国の会社社長の「遅ればせながら青春」

50を過ぎてからの青春時代があってもいい。香港から東京に移った南の国の会社社長が引き続き体験する青春の日々。

一晩たってシンガポールのヘイズは

2006-10-08 13:06:17 | シンガポール
今朝の家からみた景色です。昨日アップしたのとほぼ同じアング
ルですが、昨日にくらべてだいぶ空気が奇麗になりました。昨日
は一時150まであったPSI(汚染指数)が今朝は50以下に下がって
います。昨日は見えなかった、地平線のあたりも何とか見えてい
ます。でもまだ遠くの建物は霞んでいるし、空は晴れているのに
真っ白です。

ヘイズのレベルを測定するPSI (Pollutant Standards Index)と
いう指数は、アメリカやマレーシアで使われているのと同じ方式
のようです。一定量の空気中の硫黄酸化物、窒素酸化物、オゾン、
一酸化炭素の量を測定して指数化するもののようですが、健康へ
のレベルは以下のように示されています。

50以下:Good (良好)
51~100:Moderate (普通レベル)
101~200:Unhealthy(不健康レベル)
201~300:Very unhealthy (かなり不健康レベル)
300以上:Hazardous (災害レベル)


100を超えると、心臓や呼吸器の慢性病の人は注意が必要になる
そうですし、通常の人でも、咳や、目のかゆみ、くしゃみなどの
症状が出ることがあるそうです。400を超えると健康な人でも病
気になるレベルということです。

PSIの最新の指数はNATIONAL ENVIRONMENT AGENCYCAEのサイ
トに出ていますので、ご覧ください。3時間の平均値が一時間毎
に出ています。ヘイズが一段落したらなくなるかもしれませんが。

今回シンガポールのヘイズはかなりのレベルだったのだろうと
思っていたのですが、1997年には何と226まで行っていたのだそ
うですね。1997年といえば、私が正式にシンガポールに駐在と
なって、生活を始めた年。そういえば、その頃、ヘイズに関して
かなりさわがれていましたね。その時のほうが高かったのか。
そういえば何日も太陽の光が地上に届かないので、影のできない
日が続いた記憶があります。

1997年は、ヘイズもありましたが、その年の後半やってきた通貨
危機。こちらの衝撃もすごかったです。当時、うちの会社では、
タイやインドネシアとの仕事もやっていたので、最初は現地通貨
の為替レートがどんどん下がっていくので、それまでに受け取っ
ていた現地通貨表示の請求書の実際価格がどんどん下がっていき、
瞬間的にはウォール街のトレーダーのように興奮したのですが、
やがて仕事はどんどん縮小していきました。ずいぶん昔のことの
ように思います。

昨日は、東京は天気がよかったみたいですね。星が奇麗に
見えると下町娘が言っておりました。こちらはヘイズの
おかげで、星も月も見えませんでした。ほんとにこれは何とかし
てほしいです。シンガポール政府は、インドネシアに対して、今
後なんとか対策をとってよ言おうと思っているらしいのですが、
人為的な原因による災害なので、ふせぐ手段はあるのではないか
と思うのですが。

シンガポールは、地震もなければ、台風もない、河川の氾濫もな
ければ、崖崩れもない、津波もこないという、およそ自然災害の
危険のない国なのですが(あると言えば雷くらいかな)、
ヘイズさえなければよいのになあと思います。

ところで、昨日は、ヘイズがひどかったのですが、ちょっと外出
したら、シティホールの前の広場では、ラグビーの試合をやって
いたし、屋外での映画もやるようでした。最近、屋外で映画を
上映するイベントがよく行われていますが、ヘイズだと上映効果
も支障が出るし、だいたい空気が悪いところで長い時間いると体
によくないんじゃないかと思います。この時期にイベントを企画
した会社はちょっと困っているのではないかと思います。

たしか、マラソン大会の企画もあるようですが、ヘイズによって
は、参加を辞退する人も出てくるでしょうし、主催者側にとって
は頭の痛い問題となります。

ヘイズで迷惑を被っている人のほうが多いのでしょうが、屋内の
ショッピングモールは逆に人が集まってきますし、また空気清浄
機の売り上げが増えているとかききます。どんなときにもそれを
ビジネスチャンスにつなげる人たちは出てくるものですね。

私には残念ながら、そのような才覚はありません。せいぜい思い
つくのは、インドネシアで燃え盛っているホットスポットに飛行
機で行って、そこに大量のタバコを投下する、そうするとタバコ
の煙が南西風に乗ってシンガポールに押し寄せてくる。そうする
とシンガポールおよびマレーシアの愛煙家の人たちは思う存分、
タバコの煙を吸うことができます。24時間、胸一杯タバコの煙を
吸えるという天国のような体験をもたらすことができます。これ
は愛煙家にとっては夢のような事です。

しかし、本当にこんなことになってしまったら、禁煙家の皆さん
から大顰蹙をかうでしょう。という私もタバコは吸いません。
私たちタバコを吸わない人間にとっては、タバコの煙もヘイズの
煙も同じじゃないかと思ってしまう、などというと愛煙家の皆さ
んの顰蹙を買ってしまいますね。

冗談はさておき、日本とか欧米では、温暖化防止とかなんだかん
だでいろいろな規制をしてがんばっていますけど、こういうイン
ドネシアの山焼きによる火事の地球環境に与える影響はものすご
い規模のものがあると思うのですが、こういうのを野放しにして
おいてはいけないのではないかと思います。