本日は第9番目の「もちずり石と悲しい恋」より。絵の作者のさとうてるえさんからは、物語の感想も含めて文書を期待されているようなのだが、私はどうも小学生の頃から「読書感想文」というのが苦手。
最初から読み進めているものの、期待通りの感想文は書けそうもないので、気に入った絵の紹介に留めるしか私には脳がない。
さてこの#9番目の「もちずり石と悲しい恋」は源融という日本史では「河原左大臣」として登場する平安時代初期の貴族。嵯峨天皇の皇子。紫式部の「源氏物語」の主人公光言辞のモデルのひとりともいわれる。
この実在の人物が登場するのであるから、いわゆる貴種流離譚の一種であろう。現在に当てはめれば、浮気者で責任感の欠如したトンデモなプレイボーイである。そうはいってもこの物語に仮託された物語の意義はあるはずだが、そこまで言及する能力は私にはない。悲恋は手の届かない貴公子が相手であることで、成り立つ。それによって諦める契機とするという、現代人からすれば受け入れがたい物語が成立している。
このむかしばなしをよむであろう子どもたちにとって、この悲恋はどのように受け止められるのであろうか。わたしに孫がいれば彼女・彼等の意見を聞いてみたい気もする。