『医は算術』を地で行った救急患者の”タライ回し”。 「だって、そのまま死んじゃったら、後の勘定とか遺体の処理とか面倒だもの!」と言うのが、病院側の本音なのだろう。
「どうせ、子供たちも面倒を見ることをやめた御高齢の方々」、なんで、病院がその後始末をしなければいけないの・・? 「混んでると言って断っても、一人暮らしの患者なら病院の評判が落ちる事は無いだろう・・」って言う見通しで、断った病院も多く有るのだろう。 なにしろ、36回も救急隊員が『患者(76歳)の搬入』を断られたと、ニュースで騒いでいたのだから。
救急車内の消防署員と、救急病院の電話を通した攻防が、手に取るように解るといったら、言い過ぎと誰が言えるのか・・・ 。
この問題も、『TPPへの参加』で問題が複雑化するのは免れない。 日本の制度改悪を目指した『TPP』に参加した瞬間から、尚、重く国民の肩(主に貧困層)にのしかかる事になるのだろう。
『TPPの問題点』は、一つには『日本人の健康』が皆保険の制度によって保たれていると言う、現実が実はアメリカの保険会社が入ってきて、『混合診療』へ、いやもっと言えば任意保険に入っていなければ、任意保険に入っている人(=お金持ち)が優先されて、薬も『皆保険』と『任意保険』では違う処方箋が、施されることになる。 そして、貧困格差がここでも幅を利かせ、貧乏人には『良薬』も、『高度の移植手術』も施されること無く、死んで行かねばならないことになる。 『人の命も金次第』と言う、マンガの世界が現実世界の出来事となるだろう。 麻生大臣、ブラックジャック等何回もお読みで有るだろうから、この辺の事情、理解が早いのではないか・・ 。
問題点が、少しづつ見え初めて来ている『TPP』。 主に米国の会社だろうが、『保険会社』が我国の皆保険制度によって『損害を蒙った』と、難癖を付け『日本の国』を訴えたら、米国内の米国人寄りの裁判を、逃れる事は出来ず『損害賠償金』を請求される事は、間違い無い。
そして国の法律よりも、企業の儲けの論理が優先される事となる。 今までも、トヨタ、日立、東芝、ソニーと日本の代表的な『稼ぎ頭』で、その蜘蛛の網を破って、無傷で逃げ帰った会社は聴いたことが無い。
『救急患者搬送』を山形県民向けに砕いてみれば、今回の埼玉の『ご年配の方』が、タクシーで救急病院に向かっていたら、どう言うことになっていたことでしょう。
仮に、急患の待合室まで入ったとしましょう・・ 。 それでも、先生の診察までには相当の時間待たされること請け合いです。
「僕、死にそうだよー、早く診てもらいんだけどー」とか言っても、看護婦さんは「今、救急車で患者が運ばれて来るので、その後・・ネ」、と言っても何分後にどの程度『命』に関わる患者なのか、何人が救急車で運ばれる予定なのかは、一切説明してくれない。
無理して、救急車を呼ばずに自らの車で行ったり、タクシーで行ったりしたら、『永遠』とも思える死にそうな時間を、待たされることになる。