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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『土地の名-人間の名』(1986)(21)

2019-06-10 11:01:55 | 嵯峨信之/動詞

* (水の渦巻を)

水の渦巻を解こうとしても
解いたものはだれもいない
ひたすら時の要素のなかへほどけている

 「解く」と「ほどける」。「ほどく」ではなく「ほどけている」。
 それは「答え」なのか、あるいは「答え」のあり方なのか。
 「ほどかれている」と読み直したい。「解こうとする」から「解けない」。そのままにしておけば、自然に「ほどかれて」、それはどこかへ消えていく。
 「ほどけている」よりも「ひたすら」の方にことばの重心があるのかもしれない。とどまることなく、「ひたすら」ほどかれたものが去っていく。

もしぼくがすべての時から解き放たれるなら
言葉からもぼくはたち去るだろう





*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメールでも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)

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