「青い記憶の歳」。「年」ではなく「歳」なのは、そこに「人間」がいるからである。詩人は思い出している。「ある年」ではなく「あの歳」を。
悲しみである。
ほかの行は、それぞれに長い。だから、そこに「意味」を見つけ出すことができる。つまり感情移入することができる。感情移入することで、読者は、そのことばを書いた詩人になることができる。
しかし、この「悲しみである。」という一行は、それができない。
「悲しみ」は、だれもが知っている感情である。そして、その「悲しみ」にはいろいろなものが含まれている。「悲しみ」だけでは、そのいろいろがわからない。だから感情移入できない。
ここでは、詩人は読者を拒んでいる。
詩の中には、いろいろな「悲しみ」につながることばが書かれている。どのことばも「悲しみ」につながる。しかし、その肝心の「悲しみ」は、中心において読者を拒んでいる。それは別の視点から見れば、詩人自身をも拒んでいるのかもしれない。どんなことばにも汚れない純粋な悲しみ。それこそが記憶である、と詩人は言うのだろう。
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