詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

安倍の「点と線」

2018-03-21 00:12:39 | 自民党憲法改正草案を読む
安倍の「点と線」
             自民党憲法改正草案を読む/番外196(情報の読み方)

 いま「政治」の話題は「①森友学園文書改竄」と「②前川講演への文部省介入」でもちきりだが、裏では「③憲法改正」も動いている。三つは別々のことのように見えるが、「ひとつ」の線でつながっている。これに「④天皇制限退位」もつけくわえることができる。
 どうつながっているか。「沈黙作戦」である。安倍は、国民に議論させない。「民主主義」を否定し、独裁を狙っている。すべてが、これで説明できる。

 ①森友学園の文書改竄は、「議論」のもとになる「資料」を隠してしまうところから出発している。不都合な「事実」を隠蔽する。これでは議論ができない。議論が成り立たない。いちばんわかりやすい「点」である。

 ②は「教育への介入」なのだが、これは③と密接につながっている。自民党の改憲案は、最初は「教育費の無償化」を売り物にしていたが、いまは「教育環境を整える」である。この「教育環境を整える」というのは、だれもが教育を受けられるようにするというのではなく、独裁政治がしやすいような人間を育てる教育環境をつくるということである。安倍批判をしない学校(安倍をほめたたえた籠池の保育園)なら優遇し、金を出すが、安倍批判をする学校には金を出さない。圧力をかける。
 今回の「前川事件」には金はからんでいないが、「文部省からの質問」という形で圧力をかけている。その背後には自民党の議員がいた。
 「教育の無償化」について触れたとき、私は何度も「学問の自由は守れるか」「安倍政権を倒せという研究をするとき、そこに金は支払われるか」というようなことを書いたが、もう圧力がかけられている。
 自民党の改憲案は、先取りする形で実施されている。

 私の書いた「天皇の悲鳴」は2017年の3月末までのことを中心に書いている。そのため、

国民から批判力を奪う洗脳作戦は学校から始まろうとしている。

 という文章で終わるしかなかったのだが、安倍が「学校(教育)」を利用しようとしていることは明らかだ。
 「森友学園」も、いまは鎮静化している「加計学園」も学校が舞台である。その学校ではどういう教育がおこなわれるのか。森友学園は挫折した。加計学園の獣医学部は政治とは無関係の学部に見えるが、学校の基本は「考える力」を生徒に身につけさせることである。「考える教育」をしないなら、それは何を教えていようが独裁を支える要素になる。無批判の人間を育てることを安倍は狙っている。

 ④に移る。「天皇の悲鳴」で書いたことだが、「生前退位」は天皇に健康に配慮したものではない。ビデオメッセージで天皇は「天皇に国政に関する権能はない」と二度言わされている。安倍が言わせたのである。天皇は即位するとき「憲法を守る」と宣言している。こういう天皇がいては改憲は進まない。なんとしても天皇を沈黙させる必要があったのだ。「天皇に国政に関する権能はない」と、天皇自身に語らせる必要があった。
 それが成功した。
 天皇さえもが「沈黙」しているだから、国民は安倍を批判するな。安倍の決めたことに従え、というのである。(このことは「天皇の悲鳴」を参照してください。)

 このことに私が気づいたのは、これも「天皇の悲鳴」に書いたことだが、2016年の参院選のときである。「選挙報道」がとても静かになった。NHKは放送時間を減らしただけではなく、選挙前日の7月9日に「あす7月10日は、ナナとトウで納豆の日です」ということばで7時のニュースをしめくくった。参院選があることを知らせないようにした。そうすることで巨大政党に与した。
 議論を封じることで、少数意見を抹殺した。

 反対意見を言わせない。反対の「根拠」になる資料を隠す。あるいは、データを捏造して「反対の根拠」を否定する。
 自分にとって都合のいい「声」だけを他人におしつけ、支配する。
 ①の森友学園は、そういう「作戦」がとてもわかりやすい形で出ている。森友学園は安倍を支えている「日本会議」とつながっている。「安倍首相がんばれ」と園児にまで言わせている。安倍昭恵がそれに感動して「名誉校長」になっている。そうすることで、「森友学園」に便宜をはかれと「無言」で圧力をかけている。
 これにみんなが反応し、森友学園を優遇した。
 しかし、そのことが問題になると、籠池を詐欺師と断定し、さらに森友学園と安倍とのつながりを隠すために文書を改竄し、破棄させた。「反対」の意見を封じるためである。議論させないためである。

 民主主義の基本である「議論」。これを封じることで「独裁」を完成させる。その「線」ですべての「事件」、あるいは「できごと」はつながっている。そして、批判力を身につけさせないための「学校づくり」を、その根底においている。これが安倍のやっていることなのだ。憲法を変え、独裁者になるための下準備なのだ。







#安倍を許さない #憲法改正 #天皇退位 
 


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憲法9条改正、これでいいのか 詩人が解明ー言葉の奥の危ない思想ー (これでいいのかシリーズ)
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