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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

Estoy loco por espana(番外篇98)Jose Manuel Belmonte Cortes

2021-06-23 17:06:04 | estoy loco por espana

Estoy loco por espana(番外篇98)Jose Manuel Belmonte Cortes
"MERCURIO"

バシュラールだっただろうか。

空を飛ぶ夢を見る。

そのとき羽はかかとに生えている。

私も空を飛ぶ夢は見たが、鳥のように(飛行機のように)手を広げてという感じではない。

いつも立ったまま飛んでいる。

それで、このバシュラールのことばを記憶している。

また、パゾリーニの何という映画だったか忘れたが、恋人が空を飛ぶシーンがある。

そのとき恋人たちはやはり立ったまま、かたく抱き合っている。

きっと羽はかかとに生えているのだろう。

 

Es Gaston Bachelard?

Tiene el sueno de volar.

En ese momento, las alas estan creciendo en el talon.

Sone con volar, pero no abri las manos como un pajaro o como un avion.

Siempre estoy de pie y volando.

Asi que recuerdo esta palabra de Bachelard.

Ademas, recuede una pelicula de Pasolini, en esa peli las parejas vuelaba por el cielo.

En ese momento, los amantes estan de pie y abrazandose.

Estoy seguro de que las alas crecen sobre los talones.

 

 

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フリオ・コルタサル『石蹴り遊び』

2021-06-23 09:55:24 | その他(音楽、小説etc)

フリオ・コルタサル『石蹴り遊び』(土岐恒二訳)(集英社、1978年12月20日発行)

 フリオ・コルタサル『石蹴り遊び』(土岐恒二訳)を再読した。入院中に読んだ短篇再読のつづき、という感じで。ただし、再読と言っても、前に読んだときは本のページにしたがって読んだだけ。今度はコルタサルが指示している順序(指定表)で読んだ。
 そして、あっ、と声を上げた。
 全部で155の断章から構成されているのだが、最後の方は131→58→131と同じ「131」が前後して出てくる。まあ、こういうのは映画のラストシーンなんかにはありそうだけれど、小説では珍しい。
 でも、あっ、と声を上げたのはそこではない。
 指示表にしたがって読んでいくと、「55」(296ページから300ページまで)を読み落とすことになるのである。
 冒頭の「指定表」以外に、各断章の末尾には、括弧で次に読むべき断章の番号が明記されているのだが、この末尾の番号も「55」に限っては書かれていない。指定表が間違っているわけではなく、意図的なのだ。
 そして、というか、ということは。
 コルタサルは、実は、この「55」をこそ書きたくて、『石蹴り遊び』を書いたのだ。ここにこの小説のすべてが書かれているのである。『石蹴り遊び』を「短篇」に書き直すと「55」になるのである。
 『石蹴り遊び』の主要な登場人物は、オラシオとラ・マーガ、トラベラーとタリタ。舞台はパリとブエノスアイレス。オラシオとラ・マーガはパリで暮らしていた。オラシオはブエノスアイレスに帰って来てトラベラーとタリタに会う。ラ・マーガはパリで自殺している(溺死)。オラシオはタリタをラ・マーガと見間違う、という感じでストーリーは展開する。タリタ(ラ・マーガ)を真ん中に、オラシオ、トラベラーの「三角関係」のようなものが動く。オラシオは最後は飛び下り自殺(?)をする(した)らしい。瀕死のベッドで、オラシオは自分の生涯を振り返っている、という風に私は全体を把握していたのだが……。
 で、それが「55」では、
<blockquote>
 しかしトラベラーは眠っていなかった。悪夢は一、二度襲来を企てたのち、彼の周囲を旋回しつづけ、結局彼はベッドの上に身を起こして明りをつけた。
</blockquote>
 ではじまり、
<blockquote>
 --ラ・マーガはわたしだったの--とタリタは言って、トラベラーに体を押しつけた--。あなた気がついていたかしら。
</blockquote>
 をはさみ、
<blockquote>
 タリタはベッドの上で少し体を滑らせてトラベラーに凭れかかった。彼女は実感していた、自分がふたたび彼のそばにいることを、彼女が溺れ死にはしなかったことを、(略)二人はそのことを同時に感じ取り、互いに相手の方へ滑り込んで言ったのだった(略)、二人を包みこむ共通の領域へ落ちこんで行くように。それらの心静まる比喩、いつもの存在に戻ることに満足する、風と潮に逆らって、呼びかけと下降に逆らって、浮かび漂いつづけること、浮かび漂ったままでいることに満足する、あの古い悲哀。
</blockquote>
 と終わる。
 重要なのは「同時」であり「共通」である。生と死は「同時」に存在し「共通」している。オラシオの夢のなかでラ・マーガは死に、トラベラーの夢のなかでオラシオが死ぬとき、タリタの夢のなかでラ・マーガはよみがえる。単によみがえるのではなく、タリタとなってよみがえる。そして、ラ・マーガがよみがえれば、オラシオもよみがえるはずであり、そのときオラシオはトラベラーになる。
 それは、だれの夢なのか。
 私は突然、ジョイスの『ユリシーズ』を思い出す。『ユリシーズ』の「主役」はだれなのか。「主役」を問うて、何かが解決するわけではないが、私はブルームに身を寄せて小説を読んでいる。しかし、その最後はモーリーの「イエス」の連続で終わる。そうであるなら(?)、『石蹴り遊び』も、自分がラ・マーガであることを受け入れた(イエス、と言った)タリタの夢かもしれない。
 男が(コルタサルが、ジョイスが)、自分では見ることのできない「夢」を女性を登場させることで(自分が女性になることで)、男には不可能な「夢」を見ているのかもしれない。絶対的現実、超越的現実の世界を手に入れようとしているのかもしれない。
 このとき、もうひとつ、「浮かび漂う」という動詞も重要になるだろうと思う。短篇を再読したとき、コルタサルは「意識の流れ」ではなく「思いの流れ」を書いている、と指摘した。「浮かび漂う」のは「思い」である。「結論」など求めていない。「結論」へとたどりつくことを放棄して、いま、ここで、二つのもの(複数のもの)が「同時」に出会い、「同時」に漂うとき、そこに生まれてくる「共通」の思い、思いを結びつける「共通」の何か。それを味わうことが「生きる」ということなのか。

 いつかは、自分の好きな順番に、私の「指定表」をつくらなければならない。それが完成したとき『石蹴り遊び』を読んだと言えるのかもしれない。
 小説も詩集と同じように、自分の好きなところを、自分の好きな時間に読んで味わうものなのだろう。そういうことを『ユリシーズ』も『石蹴り遊び』も教えてくる。


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