12/13 Liga Espanola 1a division Jornada 15
Real Valladorid 2-3 Real Madrid C.F.
マドリーのゴール:ベンゼマ(12)、エジル(44、71)
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相変わらず苦手なフエラの試合でなかなかペースがつかめず、しかも同じ右からのCKで同じ選手に失点を食らって……ひどい試合だったとは思います。が、全体としては面白かった、という感想が先にきてしまう。もちろん、こんな試合でも、ちゃんと勝ち点3拾って帰ってこれたというのがあるからですが、試合開始直後からカーサのバジャドリに勢いがあり、一体感のある速いプレスで苦しめられる…というリーガらしい展開とか。苦戦している中での選手たちの頑張りとか、任された仕事を全うしていこうという意思とか、思い通りにいかないところでの感情の爆発とか(良し悪しはありますが)、ちょっと泥臭い試合でもあったけどそういうの全体が楽しかったです。まあでも、セットプレーが苦手なのが相変わらず改善できてないし、中盤飛ばして前へボール蹴りこんで…というのも時々あるけどあまり効果的じゃないし、できたらカーサだろうがフエラだろうが、もっと安定した試合をしてほしい……。
まずはとにかくエジル。今日は90分通して良かったと思います。前半の、バジャドリの早く寄せてくるプレッシャーがきつくて、マドリーの思い通りにならない時間帯もけっこうありましたが、そんな時間帯でもエジルにはボールが通ることが多かったと思いますし、やっぱりボールの扱いはうまいから、持たせておいて良い、という感じでしょうか。今までと周りの面子もほとんど変わらないのに、何で今日よかったのか…やっぱりエジル自身のコンディションの問題だったのかな。ゴールはもちろん、どちらもゴラッソで、どちらも非常に重要なもの。できたら前半で追いついておきたいな…と思っていたら、あのロスタイム直前のゴール。最後はちょっとコロコロになりましたが、ベンゼマとの細かいパス交換で崩して決めたトータルで考えれば、十分にゴラッソ。勝ち越しになったFKのシーンは、当然蹴りそうなクリスチアーノに、セルヒオ・ラモス、エジルと最近FKを決めた選手。エジルが蹴るのも予想していただろうけど、守る方は誰なのか決めかねていたかもしれません。エジルのFKは、スピードがそんなにないぶん、よくコントロールされてゴールの上隅へ。ほっとしました。
そんなエジルには、グティさんがTwitterで「エジルを見るのが楽しいのは真実だ、ボールを持つ天才、限りないクオリティ」(最後の部分は大文字)と絶賛。
面白かったのは、やはりディフェンスラインを中心とした選手交代。特に1人目、2人目の交代の時は、そのたびに「えっ!?」と思わされました。
1人目の交代はHT明け、ディ・マリアを投入するのに、ナチョを外しました。そしてカジェホンが左ラテラルへ。モウリーニョのメッセージは「勝ち越せ」ですよね、きっと。先発したナチョは、特に問題のない仕事ぶりだったと思います。ただ、やはり左サイドの攻撃での貢献というと、まだ他の選手と合わなかったり、上がる機会もそれほど多くなかった。とにかく前も後ろも、点を取ることにより貢献できる選手たち、そういう布陣に置き換えていった感じがしました。
いきなり左ラテラルになったカジェホンですが、攻撃への貢献はそれほどなかったかもしれませんが(時間帯によっては、ディ・マリアと協働して守ったり、上がったりもしてました)、結局は90分通して与えられた仕事をこなしていきました。ディフェンス能力どうこうよりも、使命を全うしようとする意思が意味があったんじゃないかと思います。これがモウリーニョがカジェホンをお気に入りにしているところなんでしょう。前半でも、バジャドリのディフェンスがボールを回そうとしたところにカジェホンが突進していったことでミスが生まれ、ベンゼマのゴールのアシストになりました。カジェホンの存在が生きた試合だったとも言えるかもしれません。
早い段階で勝ち越せていたら、カジェホンを下げてバランを投入だったのではと思いますが、なかなか勝ち越せず。後半15分過ぎに交代で入ったのはモドリッチで、下がったのはアルベロア。これもまた驚いた。右サイドはバジャドリの攻撃もけっこう厳しいところだったのに、そこで守っているアルベロアを下げてしまうのかと。どうするのかと思ったら、ラモスが右に行き、ピボーテからシャビ・アロンソが下がってきてセントラルへ。ピボーテにケディラとモドリッチ。これもメッセージは「いいから早く勝ち越せ」って感じでしょうか。アロンソをセントラルとは思いもしませんでしたが、考えたら普段からセントラルやラテラルのカバーも熱心にやっているアロンソ、こうなっても問題ないんですね。面白かった。
その後エジルの勝ち越しFKが決まり、最後はバランを投入。交代はベンゼマでした。ベンゼマは、1点目直前のプレイやFKを取ったファウルであちこち痛そうにしていたので、この試合で初めて、驚かなかった交代でした。バランは右のラテラルを担当し、セルヒオ・ラモスは再びセントラルへ。安定した並びに戻して、試合コンプリートとなりました。
驚くような交代で、もしかしたらうまくいかなくて急造のディフェンスを破られる可能性もあったかもしれません。でも、選手の配置転換の理由を考えながら試合を見て、最後は腑に落ちる結果となる、というのもまた楽しかったです。あくまでも勝ったから言えることですが……。
でもちょっとカード多かった(という印象だったんですが、確認したらディ・マリア、エジル、クリスチアーノでした。あれ、ディフェンスの方は誰ももらってないんでしたっけ)。あとライン関係の審判のまずさにイライラさせられたのも。ラモスのゴールはオンサイドだし、相手にあたって出ているのにマドリーボールにならないシーンがいくつか(逆もあった)。無事に勝てたからよかったですが、あれで勝ち点落とすようなことになっていたら、また大荒れになってたはず……。