ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

3 セクシーソムリエベロニカ 85ページ目

2009-11-11 22:24:07 | ワインバーでのひととき1~5アイデア集
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リッチ兄   香水?

       ベロニカのイヤリングやペンダントやブローチには、香水のトリッ

       クの仕掛けがなかったね?

バリー    はい。

       クローブを刺していたオレンジの自然の芳香剤が問題でした。

       香水の香りを感じた時、クローブがオレンジから抜かれているの

       に気づきました。

リッチ兄   しかし、オレンジはテイスティングに差し支えないと言ってしまっ

       た!

バリー    ええ、だからそれを理由に負けたと言い訳できないですね。

リッチ兄   ワインと香水の香りを嗅ぎ分けるのは、難しかったの?

バリー    ええ、オレンジからの香水の香りは100種類あったのです。

       それらは、微かな香りだったのですが、それでかえって香水の

       方に気をとられてしまったのです。

リッチ兄   犬の嗅覚を持つと言われるバリーにしか感じ取れない100種類の

       香水だったわけだ?

バリー    はい。

リッチ兄   我々の完敗だ!


バリーとのテイスティング対決の後、ベロニカは、東京に向かった。ベロニカの

勤めるフレンチレストランの東京店がオープンになり、その視察の為であった。