３ セクシーソムリエベロニカ ９３ページ目

【９３ページ】


ベロニカ　　　信じられない！

　　　　　　　パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴーを当てるなんて！


ベロニカは、思わず答えを言ってしまった。


和音　　　　　これは、まだ若いヴィンテージですね？

　　　　　　　今こうして飲むのは惜しい気がします。

大使　　　　　惜しい？　

　　　　　　　オシ・・・０４・・・・０４年。

　　　　　　　和さんは、このワインは２００４年のヴィンテージと答えている

　　　　　　　のですね？

和音　　　　　ベロニカも大使も先に答えてくれましたね？

　　　　　　　目隠しをとって、このおいしいワインをいただいてもいいですか？

大使　　　　　ええ。我々もいただきましょう。



　ベロニカは、ワインの包み紙をとった。そのワインは、パヴィヨン・ブラン・　

デュ・シャトー・マルゴーで２００４年ヴィンテージであった。



大使　　　　　ベロニカ、２本目のワインで挑戦しましょう。

ベロニカ　　　これが２本目のワインです。

　　　　　　　ワイン名と『ラベル』のヴィンテージを当ててください。

和音　　　　　『ラベル』のヴィンテージですか？

ベロニカ　　　そうです。

　　　　　　　『ラベル』のヴィンテージです！





　　

３ セクシーソムリエベロニカ ９２ページ目

【９２ページ目】


和音　　　　水着のモデル達に囲まれた中で、ワインのテイスティング対決をした

　　　　　　ことがあるのですよ。

　　　　　　彼女達は、控えめに香水をつけていました。しかし１０人の女性が

　　　　　　動き回ると、部屋に香水の香りが充満してきたのです。

大使　　　　ワインの香りを嗅ぐのが大変だったのでは？

和音　　　　はい。
　
　　　　　　ワインの香りを人、香水の香りを川の流れに例えると、まるで川に溺

　　　　　　れてしまったようでした。

ベロニカ　　私の香水は大丈夫でしょう？

大使　　　　ああ、微かに香るだけだ！

　　　　　　それに女性は、ベロニカ一人だからね。

和音　　　　ところが、かすかな香水の香りには、何十種類もの香水の香りが

　　　　　　混じっているのですよ。

大使　　　　ベロニカ、そうなのか？

ベロニカ　　さすが和さんね？

和音　　　　今の私は、川の流れに沿って、泳ぐことできるのです。　

ベロニカ　　ワイン名が判ったの？

和音　　　　ボルドーの白ワインのブドウ品種、ソーヴィニヨン・ブランのアロマ

　　　　　　を感じとれました。

　　　　　　香水の高貴な香りに負けないアロマとブーケ、これは、ボルドーの

　　　　　　白ワインの女王の中の女王ではないでしょうか？　　

３ セクシーソムリエベロニカ ９１ページ目

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ベロニカ　　　わー、うれしいわ！

　　　　　　　とても素敵なソムリエナイフね？

　　　　　　　柄の部分の二つの宝石はダイヤモンド？

大使　　　　　人工ダイヤを２個埋めている。

　　　　　　　そのソムリエナイフを使って、このワインを抜栓してくないか。

　　　　　　　このワインは、和さんにテイスティングを挑む３本のワインの

　　　　　　　内の一つだ！

　　　　　　　和さん、香りを嗅ぐだけで、このワイン名とヴィンテージを当てて

　　　　　　　ください。

和音　　　　　テイスティング対決の始まりということですね？

大使　　　　　はい。



　ベロニカは、包み紙に覆われたワインを手に取り、抜栓の動作を始めた。

ベロニカと挨拶した時、微かに香水の香りを感じたが、ワインの邪魔をしないよう

に気遣っていると思っていた。

　しかし、ソムリエとしての立ち振る舞いで、彼女が体を動かすと何十種類もの香

水の香りが漂い始めた。


ベロニカ　　　和さん、ワインの準備ができましたので、この目隠しをつけてくだ

　　　　　　　さい。


　和音は、目隠しをし、ワイングラスを受け取った。そしてゆっくりグラスを鼻に

近づけた。

　　　

３ セクシーソムリエベロニカ ９０ページ目

【９０ページメ】


和音　　　　何度か行ったことがありますが。

大使　　　　その店に、タナベさんという女性ソムリエいるの知っている？

和音　　　　直接サーブお受けたことありませんが、女性ソムリエが働いているは

　　　　　　知ってします。

　　　　　　彼女がどうかしたのですか？

大使　　　　マリーナヴィレッジはうわさ通りのすばらしい店だった。

　　　　　　そして彼女のサーブもとても良かったので名前を聞いたのです。

　　　　　　和さんは、タナベのサーブを受けていないので、彼女のソムリエ

　　　　　　ナイフを知らないね？

和音　　　　いいえ。

ベロニカ　　彼女のソムリエナイフどうしたの？

大使　　　　２本目のワインを注いでもらった時、彼女のソムリエナイフの柄

　　　　　　の部分がキラキラ光ったいるのに気づいたのです。

ベロニカ　　光るものは何だったの？

大使　　　　気になったので、ソムリエナイフを見せてもらいました。

　　　　　　「ルビーとサファイア？」と聞くと「赤と青のカラーガラス」との

　　　　　　返答だった。

　　　　　　私は、あれは本物の宝石だと思っているよ！

ベロニカ　　私も宝石が埋め込まれたソムリエナイフがほしくなったわ！

大使　　　　それを見て、３本ソムリエナイフを作らせた。

　　　　　　ベロニカに１本プレゼントするよ。

　　　　　　
　　　　　　

　　　　　　

　　　　　　　

３ セクシーソムリエベロニカ ８９ページ目

【８９ページ目】


翌日、大使のプライベートワイン会が催された。


和音　　　　大使、お久しぶりです。

大使　　　　こちら、ベロニカ。

　　　　　　ナイトと共に、我が国の若手実力ＮＯ１のソムリエだ。

和音　　　　和音です。

ベロニカ　　和さんって呼んでいいかしら？

和音　　　　仲間内では、そう呼ばれています。

大使　　　　和さん、ベロニカが神戸牛をどうしても食べたいと言うので、神戸牛

　　　　　　の料理と神戸ワインを用意させていただきました。

ベロニカ　　神戸牛のステーキだわ。

　　　　　　おいしそう！

和音　　　　神戸ワインは、神戸牛のおいしさを引き立てるね？

ベロニカ　　ええ、とても！

大使　　　　和さんの事務所は神戸にありますね？

和音　　　　はい。

大使　　　　先日、神戸に旅行に行って、ディナーを食べたレストランはとても良

　　　　　　かった！

　　　　　　料理もワインもサービスも。

　　　　　　確か、マリーナヴィレッジという名のレストランだったが、そこで食

　　　　　　事したことある？