ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 126ページ目 ロワール川巡り④ 不思議な現象の正体   

2014-01-21 20:29:06 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【126ページ】


 良子が、再び和音の脇腹を軽くトントンと突く。

和音は頭に手をやりながら、苦笑いを見せる。


 良子は、シャトー・オーブリオン美味しく飲んだ後、今日のお薦め

ワインを飲んでいた。

ボードには2種のトナカイラベルのワインが記載されている。ひとつは

白ワインでトナカイラベル ル・シェ・ド・ボルドー 白もうひとつは

赤ワインでとクロ・デュ・ヴァル カベルネ・ソービニヨントナカイ赤

(アメリカナパ)である。

良子が選んだのは、和音に勧められたプレミアムワインの赤のトナカイで

あった。


 マスターは、赤のトナカイをグラスに注ぎ、良子と和音の前に置いた。

そしてマスターはトナカイと飛行機との事故の話をした。

すると良子は、

「サンタクロースのトナカイが飛行機に当ってしまったのだわ!

サンタクロースは大丈夫だったのかしら?」と心配顔で和音に話しかけた。

「不思議な現象の正体は、案外つまらないことが多いものだ。

UFOを目撃した情報も金星や月をUFOだと思ったという人間さえいる。

トナカイの肉が飛行機についていたのは、トナカイが衝突したのではなく、

トナカイの肉がついただけにすぎない!例えば、トナカイの肉を食べた鳥が

飛行機に接触したとか・・・・」

「あら、まるでガリレオの湯川博士のような言い方ね?」