ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 117ページ目 ロワール川巡り④ ノンアルコールワイン 

2014-01-08 23:17:04 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【117ページ】


「良子さん、いらっしゃい!」 


 ワインバーに入ると、マスターの妹の美紀が出迎えてくれた。


「田辺さん、はい、ラベル」 


 マスターがいつものように、昨日テイスティングしたワインのラベルを

手渡してくれた。

良子は、それを受け取りながらクスっと笑った。


「顔に何か付いている?」


 良子は頭を振った。しかしマスターは美紀にもう一度確認する。


「目がちょっと腫れているかな?」
 

 そんなちょっとした会話をしながら、店内を見渡すと、カウンター席の奥で

和音がワインを飲んでいる。

良子の声に気付いた和音は、彼女の方へ笑顔を見せながら視線を向けた。

良子も笑顔を返しながら、和音に近づき、隣の席に座った。


「お疲れさん!」  

「メールうれしかったわ!

シャトー・オー・ブリオンを飲ませていただけるのね?」

「ああ、マスターに預けているよ」

「何飲んでいるの?」

「ノンアルコールのスパークリングワイン」

「ええ? ノンアルコールワイン?」