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「和さん、それでヴィンテージは?」
滝川社長は、和音に答えを急かすように声を強めて言った。
しかし、和音は悠然とグラスを口に近づけて、目を再び閉じワインを
飲み干した。
「おっ、今度はねずみが勢いよく走って、ジャンプしましたよ!
残念、再び隣の畝に届かずひっくり返ってしまいました。ハハハ・・・」
「和さん、ヴィンテージを!」
今度は、滝川社長の声にいらつきが混じっていた。
和音は、目を開けると平然と一言。
「私には答えることができません」
「それでは、2本目は和さんの棄権ということで・・・・」
和音は頷く。
2本目のワインは紙で覆われているが、ヴィンテージのところだけ穴を開け、
シールを貼っていた。
滝川社長の専属ソムリエが、そのシールを剥がして、ヴィンテージを3人に
見せながら読み上げた。
「このワインのヴィンテージは1984です。」
「おっ、秋月さんの答えの1985年は一年違いで惜しいのですが
不正解です。和さんは棄権でしたので、2本目も引き分けになり、今回の
テイスティング対決は引き分けということになり・・」
「あっ!」秋月が滝川社長の言葉を遮るように声をあげた。
「和さん、それでヴィンテージは?」
滝川社長は、和音に答えを急かすように声を強めて言った。
しかし、和音は悠然とグラスを口に近づけて、目を再び閉じワインを
飲み干した。
「おっ、今度はねずみが勢いよく走って、ジャンプしましたよ!
残念、再び隣の畝に届かずひっくり返ってしまいました。ハハハ・・・」
「和さん、ヴィンテージを!」
今度は、滝川社長の声にいらつきが混じっていた。
和音は、目を開けると平然と一言。
「私には答えることができません」
「それでは、2本目は和さんの棄権ということで・・・・」
和音は頷く。
2本目のワインは紙で覆われているが、ヴィンテージのところだけ穴を開け、
シールを貼っていた。
滝川社長の専属ソムリエが、そのシールを剥がして、ヴィンテージを3人に
見せながら読み上げた。
「このワインのヴィンテージは1984です。」
「おっ、秋月さんの答えの1985年は一年違いで惜しいのですが
不正解です。和さんは棄権でしたので、2本目も引き分けになり、今回の
テイスティング対決は引き分けということになり・・」
「あっ!」秋月が滝川社長の言葉を遮るように声をあげた。