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和音は、さらにひと口飲むと、ワイングラスを顔の前まで
持ちあげた。
そして、そのままの姿勢で目を閉じ、暫く沈黙が続いた。
和音が目を閉じたまま口を開いた
「ムルソーのワイン名の由来は、ねずみのひとっ飛びという言葉から
生まれましたね?」
「そう、ムルソーのブドウ畑は、お互いに隣接していて、ねずみが
ひとっ飛びで隣りの畑まで行けるということで?」
滝川社長は、和音が目を閉じたまま、何を言いたいのだろうと
思った。
その時、和音が急に大きな声を出して笑い出した。
「どうかしましたか?」
和音は、目を開け、滝川社長の方へ向き直った。
「いや、大きな笑い声を上げて申し訳ございません。
目を閉じていたのは、このワインを飲んでイメージが浮かんできたの
ですが、その光景があまりにもおもしろかったものですから」
「どのような光景ですか?」
「小さなねずみが、ブドウ畑から隣の畑へ飛ぼうとするのですが、
届かないで、ひっくり返ってしまうのです。」
和音は、さらにひと口飲むと、ワイングラスを顔の前まで
持ちあげた。
そして、そのままの姿勢で目を閉じ、暫く沈黙が続いた。
和音が目を閉じたまま口を開いた
「ムルソーのワイン名の由来は、ねずみのひとっ飛びという言葉から
生まれましたね?」
「そう、ムルソーのブドウ畑は、お互いに隣接していて、ねずみが
ひとっ飛びで隣りの畑まで行けるということで?」
滝川社長は、和音が目を閉じたまま、何を言いたいのだろうと
思った。
その時、和音が急に大きな声を出して笑い出した。
「どうかしましたか?」
和音は、目を開け、滝川社長の方へ向き直った。
「いや、大きな笑い声を上げて申し訳ございません。
目を閉じていたのは、このワインを飲んでイメージが浮かんできたの
ですが、その光景があまりにもおもしろかったものですから」
「どのような光景ですか?」
「小さなねずみが、ブドウ畑から隣の畑へ飛ぼうとするのですが、
届かないで、ひっくり返ってしまうのです。」