星降るベランダ

めざせ、アルプスの空気、体内ツェルマット
クロネコチャンは月に~夜空には人の運命の数だけ星がまたたいている

「アメリ」

2007-08-28 | ネコの映画・ドラマ
本棚を整理したら、2冊重なっていたり、二度と開かないだろうコミックや文庫本が出てきたので、近くのブックオフに、持って行った。34冊で710円。
予想より高額だった。しかし、どんな基準なんだろう。コンビニで買った雑誌仕様の「美味しんぼ」に値段がついて、寺山修司の文庫に値段がつかない、なんて。とにかく自分の価値観が、絶対的ではないことを思い知るにはもってこいの場所だわ。
とにかく、それを元手に店内をぶらぶらしてたら、見~つけた!

      「アメリ缶」

アメリ映画のDVDと特典映像のDVD、ポストカード、ドワーフからの手紙、特製パンフレット、マウスパッド、アメリ・スプーン、アメリのゾロ人形。残念ながらクレーム・ブリュレのキャンドルは入ってないので、4000円。長い足がでてしまったけど、とにかく嬉しい。
だって、「アメリ」よー。私の天使の缶詰。
イメージトレーニング=「アメリ」。
唇の端っこあげてあの表情すると、元気がでるの。

昨年の夏、ツアー旅行中の短いパリ自由行動時間。私の足は、文句なくモンマルトルの丘に向かった。サクレクールの展望台から、今パリの屋根の下で起こってることを、想像してみた。アメリみたいに。
いつか自転車で、あの街を走りたい。その時はきっと私の背中にも、天使の翼がついてる。

アメリが、心通わすものに、私の心もつながる。
川に放たれた時の表情が素晴らしい、クジラという名の金魚。
空に浮かぶウサギ雲。
安息日の日曜日は小銭を受け取ろうとしない駅の物乞い爺さん。
電車の車掌さんの鋏を入れられた木の葉。いいわー。

この映画にはネコさんが2匹登場する。クロネコチャンによく似た「涙のマドレーヌ」の飼うキジネコさんと、ドワーフを持って旅するお友達のスチュワーデスさんから、フライトの間アメリが預かっている茶系のミックス(たぶん♂)ネコの「ロドリーグ」。

ロドリーグが、お伽噺をきいてる後姿のカットシーンが、とても美しい。
DVDからキャプチャーしたい。(今のところできない)
賢いネコさんは皆お伽噺をきくのが好きに違いない。もう、このシーンだけで、「アメリ」が素適なお伽噺であることがわかるわ。

パリのアパルトマンの小さな窓辺にはネコがよく似合う。
恋人達を「やれやれ」という感じで見ているネコさんが、パリにはたくさん住んでいるはず。アメリとニノの静かなキスシーン、ロゴリーグは、「よかったね、アメリ」って、目を細める。その目からは、ステキな愛のビームが出てる。

人は他人の為に奇跡を起こすことができる、ならば、自分の為にも起こせるはず。
というのが、この映画のテーマかな?

この世界が自分と調和した感じがするのは、自分の中に愛があふれた時、という、人生で何度かしか経験できない瞬間を、わくわく描いている。

ドゥ・ムーランの常連客で売れない小説家のイポリットの
「失敗につぐ失敗。永遠に書いては消し、人生は果てしなく書き直す未完の小説だ。」という言葉も心に残る。

「人間には失敗する権利がある」…と、為末選手に伝えたい。
コメント (4)
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