星降るベランダ

めざせ、アルプスの空気、体内ツェルマット
クロネコチャンは月に~夜空には人の運命の数だけ星がまたたいている

アートフリーマーケット

2009-10-21 | 散歩計
ご近所のお庭で秋明菊が美しく咲き始めた。さぁ、今日も目標8000歩。
     
         

日曜日、芦屋市立美術博物館の庭では、アートフリーマーケットが開かれていた。
小出楢重のアトリエ前のキンモクセイの香りが、辺り一面を華やかな空間にしている。
この日の為に準備した、多くの健気な時間が詰まった作品を、見てまわるのは楽しい。
ソファに座って膝の上に置く便利なラップテーブルのお店もある。全部で50くらいの出店。

若い女の子が出している小さな店の小さな台の上の、素敵なディスプレイ。美術館の庭の落ち葉を小枝にさしている。これなら風で飛ばないわ。



そのsaolinさんの店には、小公女セーラのイメージで作ったというコサージュがあった。6ペンス銀貨は、確か花嫁さんが靴の中に入れるもの「six pence in her shoe」。素敵なんだけど、これをつけてどこに行くか、思いつかなかった。
 
                

この日、私が買ったのは、
卵の殻にペイントした可愛いポットと、振ればかすかに土鈴のような音がする陶製のペンダント。

               

  なぜこれを どうしてこれにと ものたちがここに在る理由(わけ)聞けるアート市 

  人はみな 物作る手を持っている 

私もこの日、家に帰って早速コースターを作ってみた。右はハリネズミ君とフクロウさん。正方形のつもりだったのに…。


       <紅茶用>                  <コーヒー用>    
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フー

2009-10-13 | ネコの映画・ドラマ
どこかで失恋した女の子が、やっているかもしれない。
彼の名前を空中に書いて、そっと息をふきかける…フー
すると、文字は、分解して、~~~ すーっとどこかに飛んでいく。

シネリーブルで「空気人形」(監督:是枝裕和)を観た。
青い空を見上げるペ・ドゥナの眼は、「アメショっす」の銀チャンのようだ。

                  

世界を初めて見た彼女は、水滴に触れ、ウ・ツ・ク・シ・イ と言った。
それが持ってはいけない心を持ってしまった彼女の最初の言葉。

街の風景の中に、ぽつんと書かれた「空気人形」というタイトル文字が、彼女の小さな息で~~と飛んでいく。
彼女のその息はラストシーンの、タンポポの綿毛に繋がっている。

世界は見知らぬひとりひとりが、知らない間につながっているのだろうか。
吉野弘の「生命は」という詩のように。

  生命は/自分自身だけでは完結できないようにつくられているらしい/
  花も/めしべとおしべが揃っているだけでは/不充分で/
  虫や風が訪れて/めしべとおしべを仲立ちする/
  生命は/その中に欠如を抱き/それを他者から満たしてもらうのだ/
  世界は多分/他者の総和/
  しかし/互いに欠如を満たすなどとは/知りもせず/知らされもせず/
  ばらまかれている者同士/無関心でいられる間柄/
  ときにうとましく思うことさえも許されている間柄/
  そのように/世界がゆるやかに構成されているのはなぜ?/
  花が咲いている/すぐ近くまで/
  虻(アブ)の姿をした他者が/光をまとって飛んできている/
  私も あるとき/誰かのための虻だったろう/
  あなたも あるとき/私のための風だったかもしれない

都会の中の物語だけど、静かだ。息の音が聞き取れるくらい静かだ。
手に持つ袋の中のラムネのガラス玉のコロンコロンがバックミュージックのように聞こえる。ペドゥナのカタコトと実によく合った音楽。

「あなたの息で私を満たして…」というシーンは、見ている私の息が止まった。
空気人形の悲しさとはかなさを示す、透きとおった影。

空気人形を作ったのはジョゼッペじいさんと似ていないオダギリ・ジョーさん。
この人が登場すると、空気が違う。
「おかえり」静かな彼の言葉は、神聖なもののように心に届く。
「この世界で、きれいなものを見た?」自ら答は言わない、問いかけしかしない神様。
いや、ひとつだけ答えた。「それは、燃えるゴミ・燃えないゴミの違いだ」と。神は残酷でもある。
その言葉をしっかり人形は覚えていた。

映画は、過食症の人間の女の子の「キレイ」という言葉で終わる。
何であれ世界をウツクシイと感じた彼女は、空気人形のように、これから町に出て新しい生活を始めるのだろうか。

人間は、時々ため息を出せるくらいの空気を内に抱えて生きている。
「フー」
…今、私から出ていった空気は、何かを誰かのところへ運んでいくのかしら。

*丸々とした可愛い白黒ネコさんが2カ所で登場しています。
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星まで散歩

2009-10-09 | 私の星々
元気に散歩しているワンちゃんと目が合った時、私は確実に幸せな気持ちになる。
その瞬間、自分の中に、ワンちゃんと同じ穢れなき何かが、まだ存在しているような気がするのかもしれない。

そんな楽しいお散歩気分で開くブログがあった。
そこには、彼と、心優しき飼い主が、1対1でいつも幸せに暮らしていた。
彼は本当は飼い主をじっと見ているのに、いつのまにか、自分を見ていてくれているような、嬉しい気持ちになれた。
そんな日々が…4年間。

一度だけ、大阪のサイン会で彼に会った。
予想以上に大きく、穏やかだけど、立派な胸の凛々しいハンサムさんだった。

私が確かに彼に触れた2007年3月24日17時52分 
             この時頭の後ろを撫でながら、長生きしてね、と言ったのに。

7歳の若さで、突然、彼は逝ってしまった。(2009年10月1日永眠)

今手元に残る彼の足跡を見る。彼の片足を持ち上げた穴澤さんのことを思う。
                          涙が止まらない。

        

   犬種名はグレートシルバーデロリアン

     風呂という言葉にマジで?と問い返す

       雷は平気さ俺は破壊丸
   
         最後まで弱音無縁の元気丸

              
           そんな貴方が大好きでした。富士丸君、ありがとう。

             一匹行く星まで続く散歩道
コメント (4)
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