星降るベランダ

めざせ、アルプスの空気、体内ツェルマット
クロネコチャンは月に~夜空には人の運命の数だけ星がまたたいている

サクランボMAOちゃん

2009-07-26 | ネコ日和
ある日MAOちゃんが言いました。

       「わたし、サクランボが食べたい」

そのつぶやきは、北の国の心優しき人に届き、やがてMAOちゃんの元には
籠いっぱいの艶やかな佐藤錦が送られてきました。

サクランボを食べ飽きたMAOちゃんは言いました。
「私と佐藤錦がとても好きな人に、これあげたい」
MAOちゃんに選ばれたラミーさんは、初めてお盆に佐藤錦をてんこ盛りして食べました。

ある日ラミーさんが言いました。
「わたし、大きな大きなサクランボが食べたい」
そのつぶやきは、天に届き、やがて米国ワシントン州の心優しき人から、
レイニア種チェリーが、送られてきました。
狂喜したラミーさんが我に返った時には、レイニア種チェリーは5個になっていました。

           

  …というわけで、ラミーさんはこのところ、右下のサクランボのようにとても幸せです。
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重力

2009-07-17 | 散歩計
先日、母の検診に付き添った。病院の待合室の窓の外に、植松奎二さんの作品があった。

           「樹とともに、黄色」

一見、不安定。
自分がここにこうしているのも、こんな状態なのかなぁ、などと、思ったりもするけれど、それでもこうして、立ってるじゃない、…などと、思いながら、ずっと窓の外を眺めていた。
一人でかろうじて立っていることの厳しさ、凛々しさ。
重力に逆らう黄色円錐、頑張って。
        
そして、昨日買い物帰りに回り道したら、路上でこんなものを発見。

                

この太った熟年のお雛様のようなカップル、地震がきても「私たち重力に従ってここに立ってます」みたいな安定感。…重すぎる。

円錐形としては、やはり、動きそうな植松作品の方に心ひかれる。

同じ建物の向こう側には、こんなカップルもいた。
互いに自分だけの片思いだと思ってすれ違いそうな二人。ちょっとドキドキする。
ここで働いているのは、きっと、引力。

   

突然、子ども達が走り出てきて、幸せそうにこの上に座った。

       愛されてやがて形が変わる像  

       M・Jのビリー・ジーンは黄円錐 
     
        
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母の自由研究

2009-07-05 | NO SMOKING
母 「この辺りは、歩道の真ん中に白線をひいて外側に自転車マーク描いてあるけど、
   自転車に乗ってる人のほとんどがそんな線関係なくビュンビュン走るから、危なくてしょうがない。」

私 「特にあの、傘をハンドルに固定している自転車は危ないわね。
   傘が自分の肩幅の倍くらいあることを忘れてぎりぎりの所を通ろうとするの。
   昨日すれ違う時、傘の端が私の頭に突き刺さりそうになったわ。
   しかも雨傘じゃないの、晴天下の日傘よ。」

などと、話していた翌日のことだった。

梅雨の時期には珍しく、風が心地良く吹くベランダで、母は、娘の頭をかすった危険な傘付き自転車が、どれくらい走っているのか、歩道を観察していた。
晴れたり曇ったりしていた10時~15時の、気が向いた時だけ数えたらしい。
新聞折り込み広告紙の裏に「正」の字を書いて。

その結果、母の目にとまった自転車に乗った大人の女性100人のうち…

     帽子も傘もなし    37人
     帽子をかぶる     56人
     日傘を手に持つ     5人
     日傘をハンドルに固定  2人    だったという。
 
紙の隅っこに「若い子は帽子をかぶらない」「子供連れの母親は必ず帽子をかぶる」「傘差しはゆっくり走る」「鳥みたいなヘルメット」というメモ書きもある。
まるで、小学生の夏休み自由研究みたいだけど、面白い。

この母のデータによると、30代以上になると、女性は必ずといっていいほど、帽子か傘で紫外線が直接顔に当たることを防止しようとしている。
なぜだろう。年を重ねると太陽光線を怖れるようになるのはなぜだろう。
美白という言葉の大量流布=紫外線によるシミに対する警戒感、もあるが、
若い子は、ヘヤースタイルの乱れを気にして帽子などかぶらない。
それが帽子をかぶるようになるきっかけは、子育て期に、外に出る時は子供といっしょに帽子をかぶることではないか、それが習慣として身に付いていくのではないか、それがお肌の曲がり角時期とちょうど重なっている。
~などと、数字を見ながら二人で話した。

それにしても、雨ではなく、紫外線を避けるために、自転車に乗って傘をさす、というのは、
「私交通事故より紫外線の方が怖いんです」という非常に利己的な心理状態を示している。
そんな人が、100人中7人の割合で、街中を走っている。(あくまで母のデータによるが)

母「自転車で日傘はあぶないし、かっこ悪いわ。」

(結論)晴れた日は、帽子を被って颯爽と自転車に乗りましょう。
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雨の日

2009-07-01 | 散歩計
梅雨らしい天気が続いている。
部屋の中を素足で歩くと、一歩ずつペタペタと床がくっついてくる。
こんな日は汚れが綺麗にとれるのではないかと、
「お久しぶりー」などと挨拶しながら、棚のネコさん達を拭いてみる。
~難しい顔をしたチェリスト君は、今日もバッハの無伴奏ですね。
 
       

いやしかし、コーヒーフレッシュは必要だわ。と傘をさして出かけた。
ついでに、臨港線の合歓木(ネムノキ)を見てこよう。
散歩は雨上がりが最高なんだけど、雷鳴の怖れさえなく、荷物さえなければ、傘をさして雨の中を歩くのもいい。
足元はビショビショに濡れても、傘ではなく雨が私を守ってくれているような気分になる。

おー、見事な一点透視法。

       

やがて、消失点(ヴァニシング・ポイント)から、自転車に乗った黄色いフードパーカーの女の子が登場…近づいてくる。
すれ違う時  ♪いつも~いつも~ という歌声が聞こえてきた。
知らない歌だったけど、旋律は最近アイロンがけする時に聴く、レハールの「金と銀」に似ていた。
なんだか若き同志に出会ったようで嬉しい。雨が強くなってずぶ濡れになっても今日の貴方はきっと幸せ。

合歓木の足元には、いろんな種類の紫陽花が30Mくらいずーっと咲いている。

    

     サボるなと消失点より現れし黄色頭巾に似た友の言

ブログの更新をサボっていたら、友人から「サボるな」と、短いメールがきた。
返事をサボっていたら、今度は「大丈夫?」というメールがきた。

      ~大丈夫。雨が降るのを待っていただけ。
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