星降るベランダ

めざせ、アルプスの空気、体内ツェルマット
クロネコチャンは月に~夜空には人の運命の数だけ星がまたたいている

花かんざし

2012-04-17 | 散歩計
        

今年の夙川お花見で出会った「ボク」
カメラ目線はスターの風格。ありがとう、桜がよく似合っているよ。

桜満開のお花見もいいけど、桜吹雪がはらはらと舞う道を、風に吹かれて歩くのも好き。
昨日、買い物帰り、クッキーさんのことなど思いながら歩いていたら、
母と同じ年頃の女性とすれ違った。
ふと見ると、彼女の白髪の上には、可愛い桜の花びらが…。
思わず口元に笑みが浮かんだ。彼女も私をみてニコッと笑った。
帰宅して、ニコッの理由がわかった。私の前髪にも、薄いピンクの花びらがついていた。

    風吹いて花かんざしの女達

「梅は切っても桜は切るな」と長く言われていたのに、最近は切るらしい。
夙川沿いも枝を剪定された木が多く、クッキーさんの春の頃よりピンクの面積が少なくなった気がする。
でも、夙川の桜の枝切りは、お花見に差し障りないよう、間隔をおいて計画的だ。

「桜はいいよなぁ」と芦屋市の公道の樹木のつぶやきが聞こえてくるようだ。
芦屋市は、公道の樹木の剪定を長年怠っていて、今年3月一気にやってしまった。
この街に20年住んでいるけどこんなことは初めて。少なくても震災後初めての大量伐採である。明らかに職人の手ではなく、アルバイトの素人が、暴力的にチェーンソーで、枝という枝を、バッサバッサと切り払った跡だ。
その結果、昨年の春には緑の葉っぱに覆われていた木々の緑道は、ただの寂しい茶色い一本柱が点点と並ぶ寂しい場所になってしまった。臨港線の松の木も今年はノウゼンカズラと恋する事はできないと思う。
今まで樹木で遮られていた、建物の窓など丸見え状態になってしまった所が各所に生まれた。

82歳の母は言う。
「なにが庭園都市よ。私はもう緑に覆われた緑道を、歩くことできないわ」
いつか緑の木々になるだろう。でも何年かかるかしら?
どうか母さん、緑道が、また緑の木陰になるまで、頑張って生きててね。
高齢者の多く住むこの街で、きっと同じ思いの人は多くいると思う。
被災地での高齢者の思いが少しわかった気がする。
「いつかきっと復興するだろう。でも私はそれを見ることができるだろうか…」
自治体は瓦礫の受け入れをしなければいけない。
コメント
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