ちょっと気になるいい事、言葉、最新技術

書籍、映画、旅、最新技術から選んだ心に残るもの。速読者向けは、青文字表示。内容は小学生でも理解できる表現使用

あなたのデータは漏れている!

2017-12-09 09:02:25 | 最新技術(IT)で変わる事

@昨今の問題はネット上の情報(個人情報も含め)は誰ものか?である。 日本の法規制は米国のように厳しいように見えて実際は開放的(無断使用=漏れている)である。 「あなたの趣味嗜好は既にネット上でも利用されている」(アップル・グーグル等)はご存知だと思うが、ここでは決算情報を含めた個人情報だ。米国は通信、金融、医療上での情報管理は厳しく規制されおり、今後日本はその厳しさ(大きな事件へと派生する)を経験するだろう。 よってプライバシー・セキュリティー始め機器およびアプリケーションでのデータを収集・保持する企業には要注意だが、自己管理は念には念を入れて確認することをお勧めする。特にEC=決済情報(銀行・カード)がらみの情報には要注意、例えば少額で毎月引き落とされていても人は気がつかない。

もう一つは、高齢社会はこれからの社会に重大な問題をはらんでくる。特に最長年齢層(長寿)が多い日本では最先端を利用した社会が望まれるが、先端だからこそ問題になるのはその整理・管理。そこでのあらたなビジネスキーワードは「予防」である。健康維持のための「予防」もあるがここではIoT社会での情報化されたサービス「予防」である。昔の情報管理がそのまま継続され、いざという時にIDもしくはパスワードを忘れ解約、停止できないこともある。 大きな災難に会う前に過去のデータ情報を見直し、できる限り早めに処理(根絶)しておくことをお勧めする。特にこれから遺族(故人の情報がどこに登録され、いつ、どこで利用されていたかを知ることは極めて困難)にとってこれは今後大きな災いをもたらす可能性も高い。

抜粋キーワード

  • 新しいIoTビジネスモデル
  •             個々の製品ではなくシステム全体に焦点を当てる
  •             アフターサービス
  •                         ワンストップサービス
  •                         遠隔サービス
  •                         予防的サービス
  •                         ARを用いたサービス
    • GE戦略 
    •             クラウドベースの共通ソフトウエアープラットフォームと連結
    •             ユビキタスなデジタル接続性
    •             定義:顧客への価値提案と収益化
    • 過去136製品の中、利益を出している製品は17製品、それは別々の開発、チーム組織だった。 
    • 要は、「ビジネスインパクトを生み出したのかどうか」だけ
    • 「箱を売る」だけからの脱却、顧客の業績を確実に向上させたかどうかにフォーカスする。 そのためには契約を見直し、さらなる効果を生み出す方法を提案する。それには相手の財務まで入り込む人材と工夫が必要。
    • 資産を最適化して予期せぬ休止時間を防ぐというエコシステム構築が必須
      • ネスト
      •             サーモスタットから住宅内の温度管理プロセス全体
      •             情報:燃料の購入、室温設定、暖房器具、換気扇、空調システム等を電力会社に提供
      •             電力会社はエネルギー消費量予測精度が向上、改善し効率的な電力供給ができる
      •             消費者は電力量の消費節約で料金の節約につながる
      • ネストの価値
      •             サーモスタットの単価は通常の2−3倍で販売
      •             成果ベースで電力会社からの報酬
      •             グーグルはデータ解析を電力会社にサービス提供し、節約したコストの一定割合を報酬として受ける
      •             ネストはコスト節約分の一部を消費者に還元する
      • スマートウール(スポーツウエアー企業)
      •             今までは専門家、アスリートに意見を聞きながら製品改良をしていたがフェイスブックを通じモニター(ファン)を募集、沢山の意見を受けることになり、効果大となった
        • データの所有者
        •             個人のデータを誰の管理下に置くかが問題
        •             与信業者か、グーグルか?
        • 米国では通信、金融、医療のデータは事業免許を必要とし、規制が厳しいだから個人データは利用されない。 今後ニューディールで方向が変化する可能性が大。 基本的に個人の裁断で決まる。 信頼置ける与信業者であれば集中する可能性も高い。

江戸時代の視覚「ことわざ」

2017-12-09 08:25:21 | 人生を「生かす」には

@江戸時代は多くの「ことわざ」が生まれているが、それを理解するに当たり絵、漫画、戯画から読み取る、解釈する手法はなかなか楽しい。戦国の世から平和な環境になり、庶民の暮らし振りが様々な娯楽を生み、楽しさ溢れる言葉のやり取り、洒落など今に残る「ことわざ」の言われが面白い。 絵、漫画、戯画は本を参照願いたい。

ことわざが百花繚乱のごとく見られたのは江戸時代の西鶴、近松、京伝、馬琴、南北の作品、また絵画からは奥村政信、鈴木春信、喜多川歌麿、歌川豊国、葛飾北斎、歌川広重がある。

 

一部抜粋

  • 「子を捨てる藪はあれど、身を捨てる藪はなし」
  •             我が身可愛さ以上に、親として最後の手段であった
  • 「太刀取り恨まずして縄とり恨む」
  • 「百日の説法屁ひとつ」
  • 「二十後家は立つ、三十後家はこける」
  •             若い未亡人はそのまま過ごせるが、夫婦性生活の経験ある年増はそのままでは過ごせない
  • 「一人娘に婿八人」
  • 「虎の威を借りる狐」
  •     虎の威厳を利用して虎の背に乗り周りを怖がらせる狐
  • 「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」
  •             雑食動物の犬でさえも食わないほどくだらない原因が多い
  •             夫婦の間では喧嘩になるうちはまだ大丈夫だ、喧嘩にもならない事態こそが深刻だ
  • 「犬も歩けば棒にあたる」(出しゃばると災いにあたる)
  •             犬にとって幸運と不幸の場面がある
  • 「井の中の蛙、大海を知らず」
  •             「井の中の蛙、空の青きを知る」
  •             中国の故事では司馬江漢「井の中の蛙には海の話がわからず」
  • 「河豚は食いたし命は惜しし」
  •   河豚を食う無分別、河豚を食わぬ無分別。美味と危険性が背中合わせである。 一度味をしめるとなかなか止められない。
  • 「鬼の空念仏」
  • 「餅屋は餅屋」「提灯で餅をつく」
  • 「清水の舞台から飛ぶ」
  •     1694年〜1864年で実際235件飛び降り、男162、女63名、年齢は10代から20代が7割、奉公人や商人が中心で武士はいない、存命率は85%以上、理由は主に病気回復、暇が欲しいであった

「移動」の未来、日本は超時代遅れに

2017-12-07 09:05:50 | 世界の動きから見えるもの

@未来の「移動」。物・人にかかる様々な移動時間と輸送コストは劇的に改善へシフト化する時代を迎えている。 特に環境問題(CO2への削減)、現代の運搬車・輸送船の燃料消費、「渋滞問題」で発生する無駄な時間と燃料消費は必ずやAIで改善・改良される。 未来のインフラは最新技術を駆逐し、「ガソリンエンジン車」社会から「自動運転車」、「電動自転車」へのシフトは大きな「移動」の変化につながる。特に超高齢化の激しい田舎では革新的な自動運転巡行バスなど都会よりもその進行速度は一段と増すだろう。中国のEV改革は既に日本の規模・技術を超えており、このままではインフラ整備に費用と時間(話合い社会:会議・討論が継続的に続く日本)をかける日本は超時代遅れの国になるかもしれない。

現状と課題

  • ロサンゼルス405号線の渋滞問題。2014年1年間で@一人当り約80時間無駄な時間を消費している。
  • NYでは74時間の渋滞時間を車の中で無駄な時間を費やし、日中は膨大な駐車場にほぼ停車している。
  • 車をもっていない家庭は10軒に1軒となり、ミレニアル世代は運転者が減り、ウーバー、リフトを利活用しており「車保有意識」に変化がある。
  • 自動車死亡事故、1歳から39歳で死因の第1位、112人に1人が死亡(人口の1%)。2014年1年間で3万5400人、ベトナム戦争、朝鮮戦争、イラク戦争、アフガニスタン戦争より年間死亡者が多い結果となる。
  • 自動車事故負傷者数は250万人、原因は飲酒運転30.8% (酔っ払い運転でなければまず起訴されることがなくなった米国社会の現状)、歩行者の死亡は毎日16名、負傷者は毎日466名
  • ミレニア世代の車の保有率は低下傾向にあり「車をもつことで束縛され、単なる出費が増え駐車場を探すだけでも重荷になっている、お金をかけないで移動したいだけ」と意識変化が現れており、16歳から34歳の走行距離は2001年と比べ2009年が23%も低くなっている。
  • 「物」米国は衣料の97%、靴の98%、家具は3分の2が海外生産・輸入物となっている。
  • 「道路」1950−1960年代高速道路4万8760マイル完成、100歳を迎える頃の道路に「良」と言えないものが65%となり、橋は25%以上が補修必須と査定され危険度が増している。
  • アメリカのインフラ評価は海運16位、鉄道15位、道路16位
  • 旧式のシステム・保守・補修部品等はすでに海外に製造が移り、緊急処置が即できる状態ではない。それらを調達するまでに運送含め4ヶ月かかるという。(@海外生産シフトの1つの「悪」がここに現れてきた)
  • 5つのトレンド
  •     生産拠点海外の労働賃の高騰
  •  「リショアリング」米国で再生産可能
  •  3Dプリントの技術革 (大幅な物流コスト削減)
  •  E-コマース 電子決済        
  •  移動手段の変化「無人自動車」「電動自転車」「自転車」
    • 未来への1マイル
    •             NYでは400マイルにおよぶ自転車専用レーン
    •             監視カメラ、スピードカメラ設定 (交通事故低減)
    •             歩行者広場を作り、車を追い出す (歩行者優先へと変化)
    •             カープールレーンの利用者減少、再活用化 (通勤者の19.7%が利用)
    •             ウーバー・リフトのライドシェアーが向上、利用率3%にアップ
    •             路面電車のライドシェアー(車)化
    • コペンハーゲンでは50−60歳台で50%を自転車通勤としている。

歴史の謎とこれからの教育

2017-12-06 08:14:35 | 歴史から学ぶ

@多くの歴史の謎が戦後再発見され、「歴史に諸説あり」などTV番組が受けている。やはり気になる信じがたい諸説では、源義経と織田信長ではないかと思う。 白河で斬首されたという義経が蝦夷の国で多諸説、伝説が発見されており、また本能寺で暗殺されたと言われる信長はその後信長、家臣の遺骸が見つかっていないという不思議など。ここでは信長はイエズス会に暗殺されたとあるが疑問も残る。今後数年にも新たな「諸説」が今までの歴史をひっくり返すだろうが、教科書がいつ変わるのか疑問である。となると今後歴史の試験は年齢・年代によって歴史の記憶情報が異なり試験問題と言えなくなるだろう。というよりもこういった歴史の考え方、捉え方が大幅に変わってくると予測できる。 記憶に頼らない、答えは一つではない「個人の考え」等記述式の質問が出てきても不思議ではない。(日本の教育に欠けている「考え方」

 

  • 「信長を殺害したのはイエズス会勢力」
  •             ローマカトリックによる日本支配の野望はキリシタン弾圧
  •             信長はイエズス会の宣教師の布教活動を認めた
  •             軍資金は南蛮商人、豪商津田宗及とキリシタン大名大友宗麟
  •             信長地震の神格化を図りイエズス会を裏切った
  •             信長の遺骸がないのは火烈弾を天主教の神父が使った
  •             立花京子「信長と十字架」
  •             八切止夫「信長殺し、光秀ではない」
  • 「徳川家康の正体」
  •             家康のすり替え説、本名世良田元信という踊り子
  •             桶狭間の戦いの中人質の息子と入れ替え松平元康になった
  •             真の家族であれば長男信康、築山御膳を殺戮することはない
  •             家康は武田に敗退し浜松で助かり生延びた(駿府城に戻る理由)
  •             築山御膳と密談した武田は戦後家康の家臣となる
  •             家康には2人の父違いの弟
  •             徳富蘇峰「史疑・徳川家康事蹟」
  •             村岡素一郎「影武者徳川家康」
  • 「本当の戦場とはどういうところか」
  •             明治政府の武器は南北戦争からの中古武器(払い下げ)だった
  •             大村参議、岩崎弥太郎が武器・兵員輸送一切を受け富を得た
  •             武田騎馬軍団は存在しない(馬は小型で農民の財産)
  •             戦国の戦いは槍と弓、それに石・岩・堀
  •             「働くから食べさせれくれという法則」(金目当て)の兵
  •             日本での最大の戦国戦争は小田原城攻め、関ヶ原ではない
  •             兵力数の主は物資運搬・人足であり後方支援部隊である       
  •             親方には10〜15人の飼い葉桶、兜持ち、槍持、炊飯係り
  •             騎馬隊(50騎)は下馬して3mの長い槍、弓で戦った
  •             身代金の習俗で人身売買(奴隷)
  •             本当の戦場は強盗・略奪・強姦・何でもありの悲惨なところ
  •             #現代戦争では戦争中富豪たちは海外へ退去、復興で戻る
  •             藤木久志「雑兵たちの戦場−中世の傭兵と奴隷狩り」
  • 「松尾芭蕉とは何者か」
  •             松尾芭蕉は江戸幕府の公儀隠密だった   
  •             伊賀上野(忍者)として地方への旅(奥の細道=隠密)
  •             芭蕉庵と呼ばれるのは全国に100箇所ある
  •             公儀隠密、間宮林蔵は樺太・ロシア調査、伊能忠敬制作の日本地図を幕府天文方高橋景保がオランダ人シーボルト(実際はドイツ諜報員)渡すヨーロッパで広まる
  •             25年後ペリー提督はそのシーボルトが持ち帰った地図を持って浦賀に来航している
  •             公儀隠密の主な役割は密貿易の摘発で江戸幕府は貿易で多くの収益を得ていたが密貿易は許さなかった
  • 「天皇とは「天の煌き」という意味で北極星のこと」
  •             天皇は皇帝に任命される国王にすぎない。中国王朝の属国
  •             天皇=中国からもらった王の呼称
  •             中国の歴代皇帝には宗教がなく天文学で政治を行った
  •             5つの帝国がほど同時に滅亡した(民族の独立)
  •                         オーストリア=ハンガリー帝国
  •                         中国清帝国
  •                         オスマン・トルコ帝国
  •                         ロシア・ロマノフ帝国
  •                         大英帝国
  •             岡田英弘「日本史の誕生」
  • 「日本は漢代の華僑が作った」
  •             紀元前王朝の藩国・冊封国=後漢光武帝から「漢委奴国王」印
  •             邪馬台国・卑弥呼に「新魏倭王」の称号
  •             邪馬台国が中国(華僑)交易での代表が卑弥呼=魏志倭人伝
  •             「五斗米道」(陰陽道=風水)の宗教を奉じていた
  •             天地天皇・聖徳太子の反華僑暴動とした「大化の改新」
  •             その後の華僑の王天武天皇が倭人・天地派に反逆「壬辰の乱」
  •             中国本土との断絶が倭国の「日本建国」と促した
  •             岡田英弘「属国・日本論」
  • 「聖徳太子は蘇我入鹿である」
  •             聖徳太子の非実在説(大山誠一)
  •             聖徳太子=蘇我入鹿説(関裕二・藤枝晃)
  •                         569年から最大実力者は蘇我馬子であり626年には次の実力者入鹿であった(645年まで)
  •             「日本書紀」が真実の歴史を変造している説
  •             「万葉集」(749年完成)で日本が成立
  •                         第1期柿本人麻呂(中国文=漢文・帰化人)
  •                         第2期天武天皇(当て字)
  •                         第3期山上憶良(意訳漢字)
  •                         第4期大友家持(一音節に一漢字)
  •             150年後紀貫之「土佐日記」「竹取物語」(かな文字)
  •             天照大神=観世音菩薩・原型はマリア様

リーダーが失敗を認めない

2017-12-04 12:11:19 | 経営・リーダーシップに必要な事

@「否認」の事実、よくある経営者が目の前の現実を見ない、見ようとしないことが後々大きな問題となって露出する。 そんな時には往々にしてリーダーが変わり後処理が最悪となる。 昨今の東芝の会計粉飾処理、不当な検査基準報告等もそうなのかもしれないが、歴史的経済変化があった時、欧米の大手はどのような選択をし、成功したのか、あるいは間違ったのか等、日本の企業、特に大手がその罠に嵌りつつある。それは日本の伝統的な組織、人間関係が作り出していると思う。

書籍からの抜粋

「不都合な真実を見ない」

  • 手遅れになるまで危機を持たない
  • 事実を曲解しても、待ち受ける現実は変わらない
  • 権力は人を狂わせる
  • 経営陣は、悪い知らせを聞き耳を持つ       
  • 長期的な視野に立つ   
  • 競争相手をバカにしたり、歪曲した言葉使いには要注意
  • 隠すことなく真実を語る
  • 失敗は常識に囚われることから始まる
  • 『新たな現実』       
  •             市場の変化や競合の激化を否認した経営者
  •             現実を直視し否認しない、また引き伸ばしていてはいけない
  •             「異常の常態化」を無視することなく取り組むべき
  •             権力は人を、会社を狂わせる
  •             意思決定者は聞く耳を持つべき
  •             長期的な視野にたち、真実を語り、       
  •             過去のしがらみ、常識にしがみ付かない

決断力と幕末政治

2017-12-03 08:09:37 | 歴史から学ぶ

@徳川幕府の開国から安政の大獄。 将来国を担う事のできた優秀な多くの人材がこの幕末に儚くも消えた。彦根藩主、幕府大老井伊直弼の開国判断は外国との軍事力の差からなるべき判断だったが、その後の倒幕反対派・攘夷派・尊皇派その他だれもが国を思い命をかけた動きは、天皇なり将軍の権威で統制できたはずなのに周りに振り回され判断、決定ができない「ひな壇の飾り」だったようにも思える。(優柔不断でひ弱なリーダーシップは根底を揺さぶり、迷わす)最終的には多くの民衆の犠牲と優秀な一握りの主要な活動家が消え失せる時に事が決まる。「歴史の諸説あり」で新たな歴史的背景を理解、そこで必死に活動した人材をこれからでも発掘、現代と照らし合わせる事も面白い。

  • 彦根35万石、兄直亮死後当主となる直弼、幕府の大老、開国に向けて動く、専制政治から強権的に安政の大獄を断行する
  •             本居宣長の「玉くしげ」を教本とする
  • 「オランダ風説書(阿蘭蛇)」
  •             堀田正陸の紹介で「3代将軍家光公が鎖国令を出されて以来、唯一渡来をゆるされたオランダ商館長が2年ごとの交代の折、異国の情報を幕府に寄せていたもの」を知る。これは幕府以外門外不出の書物で直弼の重要な海外事情を知る参考書となる。特に外国での争い、欧州諸国の植民地化戦争。
  • 「黒船来航・開国」
  •             黒船来航時の日本・幕府の戦力は諸外国と比較にならず、武力で必ずや負けると判断、日米通称条約を結ぶや他国とも条約締結を余儀なくされた。(出島での貿易で幕府は莫大な利益を生み出していた)
  • 「開国反対派」
  •             徳川斉昭(水戸藩)と朝廷家臣等は開国に反対、幕府老中との揉め事が安政の大獄へと舵をきらせた
  • 「安政の大獄」
  •             直弼は間部詮勝に開国条約の天皇からの勅許を依頼、朝廷からの勅許は得られず。13代将軍家定逝去にともない反対派は強硬決断するが、直弼は老中閣議を持って不時登城の尾張・水戸・越前の3候を処分した
  •                         徳川中納言斉昭は駒込屋敷にて謹慎、文書の往復も禁止
  •                         尾張中納言徳川慶恕は隠居、外山邸にて謹慎
  •                         越前中将松平慶永は隠居、謹慎
  •                         徳川慶喜・徳川慶篤は登城停止
  •             長野主膳(直弼の家来)は反対派、尊融法親王の勅使、水戸藩、密勅の近藤茂左衛門を捕獲、逮捕した(安政の大獄1号者)
  •             西郷隆盛、僧の月照は逃げ自殺するが、隆盛は未遂となる
  •             その他鵜飼吉左衛門父子、諸大夫・小林良典、三国大学らを逮捕、三条家家臣飯泉喜内、薩摩藩士日下部伊佐次等も逮捕し、江戸伝馬町の牢獄へ護送した
  • 「死刑と獄死」
  •             長州藩士吉田松陰、福井藩士橋本左内、儒者頼三樹三郎、水戸藩家老安島帯刀、水戸藩士鵜飼吉左衛門父子、水戸藩士芽根伊像之助、三条家家士飯泉喜内、小浜藩士梅田雲浜は獄死、その他藩主の隠居
  • 「桜田門外の変」
  •             1860年3月3日、早朝より雪が降り始め牡丹雪へと変わる。宇津木六之丞の忠告も顧みず、水戸藩士等の江戸への集結を知っても登城を決意した。直弼一行60名の共と午前9時に藩邸から5町(545m)の距離で襲撃される。一味は26名、一発の銃声後、動きが取れない直弼を引き出し斬首した。
  • 彦根藩主は直弼病気として直憲に相続させた

思想で変わる世界

2017-12-02 08:35:11 | 歴史から学ぶ

@戦争の発端は長年くすぶり続ける思想問題がどこかにはけ口を見つけ出そうともがく時に火がつき燃え上がる。後は火山爆発のように一気に拡大、多くの民衆犠牲の後、首謀者の敗戦で戦争が終結する。偏った政治(軍事)思想ほど恐ろしいことはない。 さて日本の近代化は敗戦後、世界をあっと言わせるほどの経済成長を果たす。その背景に人々・国民はどのように動いたのだろうか。黒船開国から見よう見まねの近代化、和魂洋才を柱に日本独特の文化を維持し諸外国の先例を手本に改革されてきた。外国人から見た日本の変貌はまた違った一面を考えさせられる。

  • 黒船開国から100年に急速な近代化を果たした日本、軍国主義から敗戦、アメリカの支配下、高度成長期を経て経済大国となる。この劇的な変貌を推し進めた力は一体何だったのか。
  • 黒い目ではなく青い目で見た日本の姿を知りたいのは今も変わらない
  • 強力な外国文明が迫ってきて、自国の政治制度や宗教的習慣、文化的伝統が破壊されそうになった時、人はどう行動するか。
  • 「東京オリンピック」
  •             日本の驚異的な高度経済成長が始まった
  •                         建設ラッシュ=高速道路、競技場、ホテル、下水道、地下鉄、高架線路等祭典を迎え、国内は好景気となった
  •             1964年10月10日参加国94カ国
  •             金メダルは16、アメリカ、ソビエトに次ぐ3番目の成績
  •             新たに柔道が採用、無差別級神永昭夫、結果ヘーシング優勝
  •                         ヘーシングの礼儀、作法が日本人に賞賛された
  •             マラソンの円谷幸吉、ハードルの依田郁子に期待、が期待に応えられず最終的に自殺
  •             他のスポーツ:プロレスの力道山(朝鮮出身)の活躍、暗殺
  • 「黒船来航」
  •             1853年7月8日ペリー提督4隻江戸湾に来航
  •             下関、箱館を開港(最新鋭大砲の威力=戦力の大差・香港占領)
  •             徳川幕府は朱子学・儒学中心から蘭学へ
  •             「和魂洋才」へと西洋文化を受け入れる
  •             植民地主義への萌芽、火薬・金属・船舶貿易を勧める
  •             幕末勝海舟と坂本龍馬の対談(当初は敵対)
  •             勝海舟は坂本龍馬に対し「君は俺を切るつもりで来たんだろう。もしそうなら2人で議論してからでも遅くはなかろう」と坂本龍馬を180度転換させ、同じ愛国心を持った同士として開国を目指す
  •             坂本「国に2帝なく家に2主なし、政刑唯一君に帰すべし」として天皇制を推挙した
  •             戊辰戦争後、260年の幕府が終焉、天皇が江戸(東京)に
  • 「文明開化」
  •             1889年2月11日紀元節、近代憲法を発布
  •             「文明開化」と「富国強兵」で官営工場等を民間に払い下げ
  •             政・財・官が癒着、政府の補助金および密談、財閥が成長
  •             国家建設と政治はドイツ・ビスマルクを基本とした専制政治
  •             農民の一揆が勃発、自由党=三井財閥、立憲改進党=三菱財閥
  •             西洋風=肉食の大流行は福沢諭吉の日本人の体格作り奨励
  •             西洋かぶれ=鹿鳴館(外見のみの舞踏会=踊る人形のようだ)
  •             1895年日清戦争の勝利が脱中国、「富国強兵」へと動く
  •             軍国主義=植民地(弱肉強食)、山県有朋の帝国陸海軍創設
  •             日露戦争、東郷平八郎提督のバルチック艦隊撃破=欧米列強
  • 「エロ・グロ・ナンセンス」大正時代を迎える
  •             1920年代は世界の反対側の第一次世界大戦で日本の経済は大きく経済成長、その中でもドイツが中国と南洋諸島で持っていた権益を日本が引き継ぎ、植民地帝国を拡大する基盤となった。後の中国の5.4抗議運動に繋がる。
  •             普通選挙運動、解放運動、婦人運動など社会運動が決起
  •             快楽主義文化が旺盛となり銀座では欧米風建物、ドイツ哲学、ロシア文学、ドイツ風カフェ・ビヤホールなどが盛んになる
  •             大正デモクラシーの出現=国のために命を捨てて戦い、国民が国政に対する発言権を持つ
  •             1923年、関東大震災で最悪な出来事は朝鮮人虐待事件(デマ情報)で「外国人」への非難から2千人が死亡
  •             1932年、5.15事件で犬養毅首相暗殺など、政治家の暗殺が続く
  •             大正天皇は明治天皇と違い威厳がなく象徴的存在がなかった
  •             皇太子裕仁親王は軍人の東郷平八郎以下乃木等が教育係りとなり軍事的な側面を中心に伝授した。即位は1928年11月14日
  •             即位後軍服を着て陸軍、海軍等の観閲・観艦式に参列した
  • 「満州」
  •             1931年の満州事変、1937年の盧溝橋事件は関東軍が統制しており勢力拡大は軍部が偽装で戦争を仕掛けた(政治は軍部への統制は不可能)、その後上海では中国人反日闘争へ
  •             日本の首相は終戦まで11人いるが文官はそのうち3人のみ政党内閣は終焉し、満州の関東軍部の統制は陸軍大臣、海軍大臣がおおよそ黙認していた
  •             満州開拓の理想は日本の生命線だとし満州を利用した日本の経済発展を計画、巨額の資金を投入し目論んだが満州の購買力と製品の質が悪く資金不足に陥る
  •             リットン調査団、欧米が中国と結託し日本を叩きだすために被害者意識を煽る報告、1905年のポーツマス条約、軍艦製造規制、ワシントン軍縮会議など日本と国際連合の溝は埋まらなかった。
  •             「5族協和」日本人、満州人、朝鮮人、漢民族、モンゴル族の協定を作るが失敗、軍部の分裂と暴走へと繋がった
  •             2.26事件、盧溝橋事件へと展開、1937年12月には南京大虐殺へ。犠牲者は数千人、数万人、30万人以上とする説がある
  •             北進(ソビエト)計画は軍部の単独戦争で天皇の停戦命令を無視し、約2万人の死者を出した。
  • 「西洋との戦争」
  •         1941年12月真珠湾攻撃=何十年も前から傲慢な欧米諸国に虐げられバカにされ軽蔑され、虚実取り混ぜて語られてきた。侮辱に耐えながら西洋化への優等生を一生懸命演じてきたことが爆発した自由主義に対する反撃・攻撃だった
  •             開戦の背景は1940年の米国による輸出禁止(燃料と金属)と英国、中国、オランダからの封鎖包囲網行動
  •             日本側提案は経済制裁解除であればインドシナからの撤退、中国との講話、東南アジアへのさらなる進出をしないことを条件とした
  •             朝鮮・中国・東南アジアではすでに燃料、食料不足となっており民間人の大量殺戮も行われていた。国内では結核が流行、17万人が死亡、憲兵隊による間諜処罰も厳しくしていた
  •             1945年5月米国トルーマンは無条件降伏を通達、6月に皇居に爆弾が投下されたことで天皇の御聖断となったと予測
  •             1945年8月6日原子爆弾投下、2日後長崎へ投下で戦時内閣は漸く天皇の決断を仰いだとされる(廃墟となった都市部を視察した天皇には民衆からの敬意は消え失せ、天皇含めた戦争会議は国体堅持を願った)
  • 「東京ブギブギ」(1948年)
  •             マッカーサーの使命=未開国を奴隷と封建主義から解放し国民を、平和を愛する民主主義者に変えようと考えた(日本人はまだ12歳の子供に過ぎないと語っている)
  •             陸海軍は解散、 軍需品等は闇市から暴力団と政界フィクサー(児玉誉士夫)と政治家とが癒着する始まりを作った。政治体制と財閥も解体することになっていたが官僚組織は手つかずのまま残された
  •             財閥解体、特高警察の廃止、情勢普通選挙権の保証、共産主義者など政治犯の釈放、労働組合の結成、民主的な新憲法の公布
  •             憲法草案はコートニー・ホイットニーに命令し1週間で原案を提出。その一人ユダヤ系女性22歳ベアテ・シロタも社会権に参画、図書館の資料をコピーした(ソビエト憲法とワイマール憲法)
  •             GHQの改革はデモクラシーを教え込むこと。セックス(ストリップショー)、映画(キスシーンを日本映画にも入れるよう要求)が、スポーツ、特に野球を奨励した。日本人に言論の自由を説く一方で占領政策を批判することは禁じ、マッカーサーの風刺画も禁止した。また、一時期現地人との親交を禁止していたが解禁とし親交を深める「パンパン」大衆風俗を承認した。最初の映画は「はたちの青春」
  •         学校の教育・教師も変わり「デモクラシー」一色となる。大衆芸能でも文楽は歌舞伎ほど規制がなかった(武士・切腹は禁止)
  •             1945年最初の首相は東久邇宮稔彦王、内閣顧問に満州事変の首謀者石原莞爾、もう一人は児玉誉士夫。
  •             マッカーサーは天皇を戦争の道義的責任を負わせず象徴とし、無罪とした(証人として裁判に呼ばないことも決定した)これにより政治責任の所在と国体の本質が新たな課題を作った
  • 「東京裁判」
  •             1946年5月から1948年11月、極東国際裁判となる
  •             裁判はニュルンベルグ裁判をモデルに他国への侵略・計画・実行したことを処罰する法を基本としたが、戦争犯罪・軍国主義者は天皇を神聖不可侵の指導とする国体の名の下の官僚・軍人だった
  •             東条英機は「日本国の臣民が、陛下のご意思に反してあれこれすることはあり得ない」と証言、1948年12月22日荒木貞夫、板垣征四郎、木戸幸一含む7名の被告は巣鴨プリズン(現在の池袋サンシャイン)で絞首刑となる。東條主人公の映画「プライド」が公開
  •             政治権力は官僚に集中、通産省が中央政府の経済計画を担当
  •             A級戦犯容疑者の岸首相(元商工大臣)と笹川良一(中国の日本軍占領地域で闇取引)等は収監後、民主主義を擁護するようになる
  •             1949年総選挙で共産党が10%を取ったが自由党の勝利
  •             吉田茂首相(マッカーサーの追従者・アメリカ一辺倒)の時には7万5千人の警察官に武器装備させ、その代わりアメリカが日本領土を軍事基地として無期限に自由に利用する権利を認めた
  •             翌年朝鮮戦争勃発、数百万の犠牲を出しマッカーサーは解任
  • 「1955年以降」
  •             1951年サンフランシスコで対日講和条約と日米安全保障条約が締結、主権を回復、吉田茂首相の政策となる
  •             1955年鳩山一郎自民党総裁で社会党と55年体制となる
  •             1960年三井三池炭鉱で労働争議(石炭から石油への転換)
  •             1960年代には池田内閣での「所得倍増計画」政策、GNPが10.6%へと急上昇、1959年には東京タワーが完成、1964年には東京〜大坂新幹線で結ばれた
  • 「戦後の終焉」
  •             1964年こそが興隆・没落・復興という道を歩んだ近代日本の一つの区切りとなる
  •             1974年田中角栄内閣(日本列島改造論=金権政治)補助金の建設業界へのバラマキ(建設ラッシュ)、最後は福田赳夫による引き下ろしで田中は収賄容疑で逮捕
  • 日本人の特質「自信過剰・狂信・強烈な劣等感、時に病的なほど強くなる一等国へのこだわり」、日本思想は西田幾太郎・北一輝・高村光太郎などの日本・集団・天皇というキーワードを浮かび上がらせ結びつけ、国民に広く支持された