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勝てば官軍=現代版多数決の現状

2018-02-13 08:15:09 | 歴史から学ぶ

@「勝てば官軍」勝てばなんでも正義へと変わった幕末、末端の兵士(特に長州藩)にとっては徳川幕府への恨みつらみを爆発させた戦場であったに違いない。現代の民主主義とは多数決で全てが決まる、という事は多数が「官軍」になる事になる。今後日本での選挙は人口比の多い老齢者が主体となるのは明らかだ。超高齢化に伴う医療・保険・介護保護等へのシフトが著しく伸びるという事にもなる。強いて言えば政治家は老齢化保護策は当選ラインを決めるという事にもなりかねない。逆に若者世代・次世代の人々(50歳以下)へのしわ寄せが一気に始まる、まず確実に言える事は年金は負担が多くなり配当年齢の高齢化と配当額減という不平等になる。この現状をどのように対応していけるのか今の政治家・政策が今後大きく時代を変える。多数決での「官軍」はいつまで続くだろうか。

『幕末遊撃隊』池波正太郎

  • 幕末の名剣士・心形刀流・伊庭道場の後継、伊庭八郎の物語
  • 伊庭八郎は維新前後の激動波乱の時代を華やかに彩るスターに比べそれほど知られていない武士である。明治2年に生まれ函館の戦争で死んだ、27歳の生涯だった。16歳で竹刀を握り剣術に励む、学問と剣術とを天秤にかけ重い方を選んだ。歴史的には1853年ペリー来航〜1869年箱館戦争終了まで
  • 「その時代にそこに生きていた人間が何を考え、何を思い、どのように生きてきたのかである。」
  • 「心歪みたれば、剣もまた歪むべし、心形刀流の教えを読め」
  • 「無心になれ、そうなれば勝つ。剣にも勝ち、己にも克つ」
  • 「伊庭の剣法を守る事は家を守る事である。家は世の基盤であり、いかなる時世が来ようとも人は家を守らねばならぬ」
  • 坂本龍馬の新政府構想時に「今時この日本国内で鉄砲を撃ち合い、血を流し会い、金をつこうて無駄な事をしとる時じゃない」と言った。
  • 伊庭は負け戦と分かっていながら行くと決めたことは、「いいんです。徳川が豊臣を滅ぼし天下を掴み取った時もそうなんですが、つまり時世の移り変わりの境目というやつは大切なもんだ。こういう時に、いろいろな人間がとのような善と悪と、白と黒とを相含んで生きてきたか、こいつだけは、はっきりさせたい。このままじっと頭を下げて官軍の言うなりになってしまえば、奴らのした事の全部の全部が正しい事になてしましますから」(幕末遊撃隊を組織して、最後まで幕臣としての魂を貫く事)
  • 「薩摩・長州両藩を主軸とする官軍は無理矢理に徳川家滅亡を企てて、戦争へ引きずりこんでしまった。自分の方を官軍と称し、幕府軍を朝敵ときめつけて強引に戦争を仕掛けたやり方は、戦国末期のそれと変わらなかった」(恨みつらみを返す)
  • 物語では伊庭は早くから肺炎を患っており自分の余命が読めていた事もあり、道場の後継者を諦めてもらうために、遊楽での遊びに浸り仲間を裏切った。その仲間、杉沢伝七郎は伊庭を恨み追い続けるが最後には伊庭の料理人に殺られる。死に場所を求めて、負ける事を承知で箱館まで戦いに行く。
  • 「人間というやつはなあ、つまるところ、食う、飲む、眠る、そして可愛い女の肌身を抱くという・・そいつが生き甲斐よなあ。それが今わかった。人間はこのために生きているのさ」