世田谷区議会議員・田中優子の活動日誌

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平成27年度決算認定(一般会計)に反対した理由。世田谷区民の方にはぜひ読んでいただきたいです。

2016年10月20日 | 議会報告

10月18日、世田谷区議会第3回定例会が終了しました。


この日は、「平成27年度決算認定」に対する各会派の態度(賛成か反対か)
を表明するとともに、その理由を述べる「意見開陳」が行なわれました。

うちの会派「無所属・世田谷行革110番」は、一般会計に対する決算認定に
反対を表明。理由は以下です。(幹事長の大庭正明議員が原稿作成・陳述)

原稿用紙6枚半、ありますが、世田谷区民の方には、是非、保坂区政の実態
を知っていただくために、お時間のある時に読んでいただければと思います。


 
 

無所属・世田谷行革110番は、平成27年度一般会計決算認定の反対の立場から意見を申し上げます。

決算委員会の補充質疑において、保坂区長にこう質問しました。

3.11直後の区長選において当選したにもかかわらず、なぜ災害対策のカナメである、本庁舎問題に取り組まなかったのか?

これに対して保坂区長はこう答えました。

「夕張市」のようにならないように、すなわち、健全財政の維持という考えがあった、というように答えています。

健全財政と言えば、「聞こえ」はいいですが、実際、保坂区長が行ったのは、「問題先送り」で、本来なら最優先すべき「先行投資」を怠り、その分を基金に積んでいるに過ぎません。

その一方で、ご自身の著作で、「22年ぶりに区の借金である区債を区の貯金である積立金が上回り黒字化しました」とご機嫌のノリで自慢しているのです。

一体、基金というものは何のためにあるのか、積み上げられた基金とは、保坂区長の決断の遅れ、引いては、仕事をしなかった証拠ではないでしょうか。

これほど首都直下の災害が叫ばれている時に、熊本のように庁舎が崩れ、世田谷区役所は機能できませんでした、で済むでしょうか。


先日、起こった送電線火災では、東京は大規模停電となり、当該地域は、大騒動となりました。このことは、あらゆるインフラ整備において、少しでも手を抜くと、東京は機能しないことを示しております。

すでに可能性ではなく、必ず来るということがわかっている首都直下地震、庁舎が崩れ、区役所が機能しなくなってから、使える基金はたくさんありました、など言っても、区民にとって、何の意味があるでしょうか。

すなわち、申し上げたいのは、健全財政とか夕張市の例とかは、災害対策とは次元が異なる問題なのであります。

少なくとも、基金や可能な借金というのは、首都直下地震という災害の前に、万全の備えとして使われてこそ、意味があるものです。

その点を保坂区長は履き違えています。もっと言えば、区長選や自分の著作で、区民にとっては災いになるかもしれないことを、平気で誇ってさえいるのです。

大きな出費を抑えるために、大きな案件を先送りし、公共事業から、すぐニュースになるような細分化された福祉に予算を移し、限られた範囲での期待される事例を繰り返したのが27年度決算であります。

話題性はあっても、その実態は、以前と何が変わったのでしょうか。すでに期待は裏切られているのではないでしょうか。例えば、世田谷版・地域包括ケアシステムや世田谷版・ネウボラとかであります。とても機能しているとは言えない状況ではありませんか。

保坂区長が避けられない出費を先送りして、意図的に財政黒字を演出したことは、先の公共施設管理計画で、今後、順調に世田谷区の収入が増えたとしても、年間65億円不足すると、財政上の課題を区の特集号で区民に周知していることからも明らかです。

 


さらには、実は、保坂区長が避けていることがあります。それは「削る努力」であります。

新たな展開を図るには、新たな財源が必要であり、そのためには、何かを「削る」決断をしなければなりません。さきほど挙げた、世田谷版・地域包括ケアシステムや世田谷版・ネウボラを本格稼働させるには、さらなる予算支出が求められます。その財源はどこから来るのでしょうか。結局のところ、看板倒れに終わってしまうのではないでしょうか。

看板倒れに終われない事業もあります。保育園の運営経費の問題です。本決算では数値が明らかになりませんでしたが、世田谷区の最大の課題の一つである経費について、答弁を求めたところ、保育園の運営経費は252億円であります。

そのうち7割、178億円が一般財源です。区の計画では4年後、平成32年度には、保育待機児が一旦、ゼロになるとのことですが、その時の運営経費は440億円、現在の1.7倍、一般財源は現在より、130億円も増大します。

施設の維持費が足りない、保育園運営費が急増する、そういう将来像がありながら、保坂区長はこの決算認定において何を問おうとしているのでしょうか。

90万人に近づこうとしている世田谷区は、保坂区長が夢見心地のように語っているように、財政が豊かでも黒字化しているわけではありません。むしろ危機的状況にあるのではないでしょうか。

やるべきことをやらずに、削るべき決断をせずに、時間だけが過ぎる、そのことを、周回遅れの行政と、申し上げているのです。

 

 


さらには、保坂区長は、「これからの行革は行政資産の最大活用」だとご著書で述べておりますが、その前に「削る努力」に力を注ぐべきです。国の支援が足りないの、都の補助がどうの、という前に「削る努力」を他の22区ではしております。 

自分の興味あることのみに前のめりになって、行政全体に歪みが生じているのではないでしょうか。 

トップの指示にムラがあれば、そのムラを埋めるべく役所は自分の都合で、自ずと、仕事のしやすい方向に傾斜することは必然であります。

そのことが基本的な事務をおろそかにしたり、現場で住民の声に耳を傾ける手続きを省いたりといった、一連の行動につながりますっているのです。

具体的事例については決算委員会での各所管にて、述べた通りです。

保坂区政になって5年目の決算ですが、いまだに、首都直下地震への可能な限りの万全の備え、は具体的に見えていません。

また、この5年間で多くのベテラン管理職が去り、若手の管理職に就いているわけですが、保坂区長はその新たな人材の能力を最大限引き出せているでしょうか。

保坂区長は、予算、決算における情報公開を、それらを審議すべき議会の特別委員会に、しているのでしょうか。 

情報公開は保坂区長の看板政策であります。補充質疑の場で私が掲げたパネル写真は、保坂区長の姿勢を象徴したものでもあります。

すなわち、保坂区長の、問題のある部分は、見えなくすればいい、という安易な政治姿勢を、端なくも露呈した写真だと考えます。これは情報公開と逆行することではありませんか。

これは、今年3月の「区政の停滞を招いている保坂展人区長に対し議会の存在を軽視する言動を改めることを求める決議」が可決されたにもかかわらず、あまり重く受け止められていないことにもつながります。もっと真摯に受け止めていただきたい。 

以上で反対意見といたします。

 

 

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