~藤棚が映る壁面~
奥の。それは私の苗字です。
ですから、いつか行かなきゃと思っていた。奥の湯さん。
2015年4月30日に約60年の営業を終了されました。
奥の湯さん。
だから、奥の湯さんが廃湯と聞いた時、
小さな動悸がした。
廃湯前の銭湯に飛び込むことは、
私はずっと避けてきたので
初めての廃湯前の入浴が奥の湯さんだとは。と。
そしていろいろ予定がズレて、
なんと最終日しか調整がつかない状態に。
初廃湯前入浴が、初最終日。
南新宿を降りたら、
駅直結の勢いで看板が飛び込んでくる。
おかえり、といわんばかり。
そう、奥の湯さんは日本一エキチカな銭湯と言われていた。
横道を進んで
入口である。
~品性ある壁面~
ペンキ絵が位置する場所には、
ゆるやかなカーブのついた天井。
そこには淡い紫色のモザイクがさながら逆さにした藤棚のようにあしらわれていた。
とても品性を感じる壁面だ。
主張しすぎずに、こんなに存在感ある壁面はどのようにして生まれたのか。
聞くべきだったと惜しまれる。
~最終日は有終の美~
それにしても最終日と言う言葉から想像する物悲しさは感じない空間だった。
まずお代を払うと、番台の奥様から花嫁石鹸を笑顔と一緒に渡された。
手書きの「寸志」も、
感謝の気持ちを深々と感じさせる。
最後の最後まで、それも常連さん以外にも石鹸を渡してくださるムラのなさ。
あぁもっと早いうちに訪れたかった。
そんな奥の湯さんだから、
当然浴室も脱衣所もピカピカだし。
そこに常連さんからのお花が可憐に咲く。
最終日だからこそ、
きっといつも通りの素敵さでふるまってくれたのだろうな。。
~人柄銭湯とは~
私がたまに使う人柄銭湯という言葉。
まさに、奥の湯さんは人柄銭湯でしょう。
常連さんと番台の奥様が話していた。
「おばあちゃんとよく来てくれてたもんね。」
「親子三代よ。
おばあちゃんもね。きっと天国から、奥の湯さん、お疲れさまって言ってると思うの。。」
聞きながら目頭が熱くなった。
これだけ愛され続けてても、
辞めなきゃいけない時はあるのだ。
まさに人柄銭湯の有終の美だった。
とりあえず、私は無駄にしゃべらずにその空間を感じることに専念した。
~一言二言~
常連さんの空気を乱さずに、
でもやはり番台の奥様と話したいと思って、キョロキョロ。
綺麗なショーケースにカラフルな石鹸箱が並んでいた。
ドンピシャで欲しいものが。
細かいデザインはわからなかったが手にして番台に駆け寄った。
おかげで奥様と話せた。
素敵なお湯への感謝と、
奥の湯さんは奥野さんなのかということを。
結果、奥野さんではなかったが、
奥の湯さんは苗字に由来する屋号だった。
やっぱり愛おしい。
すごく名残り惜しく、
こみ上げるものがあった。
その気持ち、最近お会いした銭湯仲間の方々と晩御飯を合流して しみじみと消化して帰宅した。
初めての廃湯当日。
本当に素敵な銭湯、奥の湯さんでした。
心から感謝です。
奥の湯さん、ありがとうございます。
やっと今になって、奥の湯さんについて書く決心がついた。それくらい素敵な場所でした。
やすこ。
奥の。それは私の苗字です。
ですから、いつか行かなきゃと思っていた。奥の湯さん。
2015年4月30日に約60年の営業を終了されました。
奥の湯さん。
だから、奥の湯さんが廃湯と聞いた時、
小さな動悸がした。
廃湯前の銭湯に飛び込むことは、
私はずっと避けてきたので
初めての廃湯前の入浴が奥の湯さんだとは。と。
そしていろいろ予定がズレて、
なんと最終日しか調整がつかない状態に。
初廃湯前入浴が、初最終日。
南新宿を降りたら、
駅直結の勢いで看板が飛び込んでくる。
おかえり、といわんばかり。
そう、奥の湯さんは日本一エキチカな銭湯と言われていた。
横道を進んで
入口である。
~品性ある壁面~
ペンキ絵が位置する場所には、
ゆるやかなカーブのついた天井。
そこには淡い紫色のモザイクがさながら逆さにした藤棚のようにあしらわれていた。
とても品性を感じる壁面だ。
主張しすぎずに、こんなに存在感ある壁面はどのようにして生まれたのか。
聞くべきだったと惜しまれる。
~最終日は有終の美~
それにしても最終日と言う言葉から想像する物悲しさは感じない空間だった。
まずお代を払うと、番台の奥様から花嫁石鹸を笑顔と一緒に渡された。
手書きの「寸志」も、
感謝の気持ちを深々と感じさせる。
最後の最後まで、それも常連さん以外にも石鹸を渡してくださるムラのなさ。
あぁもっと早いうちに訪れたかった。
そんな奥の湯さんだから、
当然浴室も脱衣所もピカピカだし。
そこに常連さんからのお花が可憐に咲く。
最終日だからこそ、
きっといつも通りの素敵さでふるまってくれたのだろうな。。
~人柄銭湯とは~
私がたまに使う人柄銭湯という言葉。
まさに、奥の湯さんは人柄銭湯でしょう。
常連さんと番台の奥様が話していた。
「おばあちゃんとよく来てくれてたもんね。」
「親子三代よ。
おばあちゃんもね。きっと天国から、奥の湯さん、お疲れさまって言ってると思うの。。」
聞きながら目頭が熱くなった。
これだけ愛され続けてても、
辞めなきゃいけない時はあるのだ。
まさに人柄銭湯の有終の美だった。
とりあえず、私は無駄にしゃべらずにその空間を感じることに専念した。
~一言二言~
常連さんの空気を乱さずに、
でもやはり番台の奥様と話したいと思って、キョロキョロ。
綺麗なショーケースにカラフルな石鹸箱が並んでいた。
ドンピシャで欲しいものが。
細かいデザインはわからなかったが手にして番台に駆け寄った。
おかげで奥様と話せた。
素敵なお湯への感謝と、
奥の湯さんは奥野さんなのかということを。
結果、奥野さんではなかったが、
奥の湯さんは苗字に由来する屋号だった。
やっぱり愛おしい。
すごく名残り惜しく、
こみ上げるものがあった。
その気持ち、最近お会いした銭湯仲間の方々と晩御飯を合流して しみじみと消化して帰宅した。
初めての廃湯当日。
本当に素敵な銭湯、奥の湯さんでした。
心から感謝です。
奥の湯さん、ありがとうございます。
やっと今になって、奥の湯さんについて書く決心がついた。それくらい素敵な場所でした。
やすこ。