銭湯OL日誌~銭湯ガイドマイスターへの道~

お風呂。特に銭湯が好きです。現在「銭湯検定3級」を持ち、次回の2級に向けて勉強中。【関連】銭湯OL、銭湯、銭湯検定、

【東京銭湯】大山 金松湯

2014-08-30 19:26:41 | 銭湯レポート
~海辺にあるかの如く~

金松湯と書いて、きんまつゆ。
大山の商店街からほど近い賑やかな場所にあるオアシスです。


ちなみに横の細い路地から入る方法もあります。ちょっと通な感じですかね。
ちなみに正面入り口はバリアフリー化されてスロープがついています。




*マリンスタイル
浴室の壁タイルはかわいらしいマリン風タイル。こんなtシャツとかありそうな、、、マリン風です。ぼーっと眺めるには最適。
「夏の定番、マリンスタイル」みたいな雑誌のタイトルが浮かびます。


ここまでは割とよくあるマリンなのですが、金松湯のマリンは一味違いました。
天井枠が桜貝みたいにほんのり輝くタイルなのです。

今年は一度も海に行かなかったなぁなんて思いながら、
さりげない天井キワのタイルの輝きと、
そのタイルに挟まれた白いデッキみたいな天井をみる。
ちょっと切ない気持ちになり、
この浴室が海辺にあるんじゃないかという気にもさせられる。
そんな海っぽい浴室です。
こんな東京板橋区で、海なんて不思議です。


*浴槽も海っぽい
深い浴槽は座ジェットが2つです。水枕は冷ためでひんやりします。
ジェットの勢いが強いと、よく手でつかまる式の設計が多いですが、ここは脚を置く台座がありました。

浅い方はちょっとだけ熱く、半分がバブルでした。

上記の景色をながめながら、
この浴槽につかるワケですが、、、
またお湯が美しく見えます。
美しく見えるのは、浴槽のタイル色がポイントでした。
これは私の手帳なんですが、こんな色。
ターコイズブルー?みたいな色。
この色はたまに新しい銭湯で目にする浴槽のタイルに近いです。


ただ、今回はお湯が美しく見えることはもちろん、
この海沿いの銭湯みたいな雰囲気に、
タイル色が合いすぎてるということがキモでした。
オーシャンブルーではありませんが、
お湯のあたたかさにも合う海の色。
本当にさりげないけど、
徹底した海沿いっぷりでした。


**土曜日昼なこともあってか、
お客様は1人でパパッと入る方が多く、
身のこなしもキビキビ。
この海っぽさに思いを馳せているかは謎ですが、商店街の一角に、このちょい奥まった場所に、素敵なオアシスとして認識されてることは間違いないです。

あと、この金松湯。とりあえず金や松なデザインはありませんでしたが、
掃除が行き届いてる感じがしました。
そう、海っぽいタイルも綺麗でしたよ。


※黄ケロリン桶あり
※座式ドライヤーあり


やすこ。

【東京銭湯】神田 稲荷湯

2014-08-24 12:26:01 | 銭湯レポート
~新しい風吹く銭湯~

膝を怪我するまでは、
皇居マラソンをたまにしていたので
銭湯もたまにお世話になりました。

しかし皇居ランは基本的に
ランニングステーションを使っていました。
なんとなく、銭湯はお風呂をメインコンテンツとして行くという感覚があったのかもしれません。
今思えばもったいない話です。

さて、そんな
皇居ランナーさん御用達銭湯のひとつ、
稲荷湯さんです。



~ビル銭湯に咲く新しい花~
ビル銭湯ですが、富士山ペンキ絵がありました。
壁画のサイズは長方形で横長、、つまり昔馴染みの銭湯壁画よりサイズが小さい
のですが、ちゃんとペンキ絵がついています。昔一時期はペンキ絵はお休みしていたそうですが、復活したとか。

すごく丁寧な筆、、と思ってましたら、
女性ペンキ絵師田中様の壁画でした。

田中様の壁画と意識して観るのは、
恐らく初めてでして。
モクモクと心地よい雲や、
淡い富士山のグラデーションには
女性ならではの丁寧さを感じました。
ご自身のカラーをしっかり持たれているんだなと、感動です。


~ビル銭湯だからこそ~
ビル銭湯となると綺麗な新しさは売りですが、様々な制約はつきものです。
しかしさりげない工夫をみました。

例えば湯船に入る手すり部分が、
洗い場にややせり出している。

これで、お湯に入る時、
壁画をベストポジションで観れます。

そして何より銭湯振興舎様が
主体の広告スペース!
確かに、昔銭湯は広告収入もそれなりにあった時代もあると考えると、
広告が入るのは当たり前のように
思えてきます。

それも富士山のトーンを壊さないテイストのペンキ広告。
しびれます。
特にパン屋さんの広告で、地図が入っているのが地元感あって良かったです。

検索しますと
こんな感じに紹介されています。

丁寧な紹介で、読んでいると鮮やかに蘇る浴室の景色!


**可能性はたくさんある
ランニングステーションとして使う方も多いこの場所で、
こうして新しい試みをはじめたこと自体に可能性を感じます。
それに田中様のしなやかな壁画は、また今までと違った感動がありました。
銭湯はまだまだこれから!そう感じさせてくれる稲荷湯です。


*座式ドライヤーあり


やすこ。

【東京銭湯】三河島 雲翠泉

2014-08-15 23:26:20 | 銭湯レポート
~東京異空間~

茨城からの帰りで、常磐線の三河島駅で下車。雲翠泉さんです。

入り口は至って普通。
むしろ銭湯の名前をデデンと大きく書かない控えめさ。
この時は、ここから先の世界がどんだけすごいかは知る由もない私でした。



~壁画と向き合うための空間~

雲翠泉さんの湯船は関東では
数少ないセンター湯船。
レイアウトはこんな感じ。

センター湯船からは思う存分壁画が堪能できます。
しかも、左端奥にも湯船があり、
なおかつ奥壁画下にもカランがある。
つまり、、、洗い場から手の届くような位置に壁画があるんです。
洗い場でふと息を吐いて見上げれば、
壁画のペンキの隆起が迫りくるのです。
たまらないです。

そして壁画は、、故早川師匠壁画。
(※誤って中島師匠と記載しておりました。ヒデ様からご指摘いただき、修正いたしました。申し訳ありません。)
それも、北海道駒ヶ岳!!

私は北海道出身なので目を疑いました。
全国の絶景は把握してらっしゃったんですね。頂きの陰影も、美しい。
とても忠実な駒ヶ岳です。手前は大沼という湖。

また男湯にある富士山も、
青青として美しい。
水色寄りの富士山が多い気がしていて、
私には非常に鮮烈でした。
こんな浴室は
まさに壁画と向き合う空間だなと思いました。


~遊び心も忘れない~
そんな絶景があれば、それ以上はいらないと思わせられるのですが、なんと。

おとぎ話の側面タイルもあります!

奥から
舌切り雀、
花咲爺さん、
桃太郎、
浦島太郎。

センター湯船の側面タイルですから、
湯船につかりながら
おとぎ話が見れます。
そう、センター湯船じゃないと
カランの場所によっては側面タイルは
拝めないのですからね。
ちなみに おとぎ話タイルといえば、
寒山拾得風な表情かと期待しますが、
こちらは割と端正な表情でした。

でも浦島太郎の亀と

舌切り雀の最前列にいる雀の

表情が本気っぽくて、
き、気迫あります!

贅沢な壁画と、おとぎ話。
大人も子供も満足できる美術っす。


~残す想い~
壁画諸々の感動を伝えたくて、
番台のお母様と話しました。

それまでは頻繁にペンキ絵を塗り替えていたのですが、
ペンキがちょっと禿げても、
今の中島さんの作品が好きで
残さずにはいられない、と。

番台の方が交代時間に差し掛かり、
二人目の番台のお母様とお話ししても、
やはり同じお気持ちを
丁寧に話してくださりました。
ちなみに中島巨匠への並々ならぬリスペクトと同時に、
側面タイルの由来が不明な作家様にも敬意を表す番台様2方。
素晴らしく銭湯愛を感じました。

ちなみに北海道の壁画があることに関して、先祖由来などあるのかと伺いましたが特に所縁はないそうで、
中島さんにお任せしたそうです。
しかし、なかなか北海道出身という
お客様もいないらしく
私が喜んでいた様子を
番台様も喜んでくださったようなひとときでした。


~縁取りアン~
ちなみに雲翠湯に対して思いましたのは、縁取りがお洒落ということです。

湯気抜きにある じゃくじょう彫りはもちろんですが、、、

ボイラー室へのドア縁取りも

大壁画の下の枠も

おとぎ話タイルを囲う縁取りも

脱衣所の等身大鏡にも
広告なしの立派なゴシック調縁取りまで!

とにかく立派な囲い、縁取りが沢山。

この縁取りに対する感動は
これは北海道的感覚なのですが、
函館のようだ、、という感覚を抑えきれませんでした。
函館で歴史ある建造物は、
さりげなくデコラティブでしっかりとした枠取りをしているのです。
角という角を洋風にしっかり飾るのです。そんなところにリンクを感じました。

この随所にある枠取り、
センター湯船、
それらを複合してみると
雲翠湯は東京とは違う時空にある銭湯のようです。

その感覚は
北海道出身の私だけなのでしょうか。
いえ、そんなこともないですよね。

そんな気持ちで見上げた番台様、、
と向き合う様に、鯉の木彫りが設けられ、
その先の男女の境目上には複数のスノードーム。
そんな景色。

ああ、正統派そうで、一筋縄じゃない、
魅惑的な雲翠湯。
かなりかなり好きになってしまいました。



*ケロリン桶あり
*座式ドライヤーあり

やすこ。