銭湯OL日誌~銭湯ガイドマイスターへの道~

お風呂。特に銭湯が好きです。現在「銭湯検定3級」を持ち、次回の2級に向けて勉強中。【関連】銭湯OL、銭湯、銭湯検定、

【日々銭湯】花王の暖簾 @渋谷 さかえ湯

2015-07-26 23:26:08 | 日々銭湯レポート
~ちょい珍しい暖簾 花王ホワイト~
と夏のさかえ湯の記録。

今日はすでにレポートを書いた
渋谷さかえ湯さんの 日々銭湯レポートです。
過去のさかえ湯さんレポートはこちら


今回フォーカスしたいのは、暖簾。
早速ですが、こちら。

渋い!
オリジナルかなと思わせますが、
よく見ると「花王ホワイト」のロゴ。
私は初めてみました。
さかえ湯さん、以前牛乳石鹸の暖簾だった気が。
毎年変わる牛乳石鹸の暖簾は大好きですが、この花王ホワイトの暖簾はシンプルで汚れも目立たなそうで ちょっと長く使えたりするのかしら。

あえて「ゆ」ではなく、漢字で「湯」。
あらゆる点で、牛乳石鹸の暖簾とは差別化をしていそう。

どっちが良し悪しじゃないけど、
やっぱり暖簾は銭湯の顔。
花王さんも暖簾を意識しているんだな、
と気付けたことがなによりの勉強でした。


***ちなみに今回17:00くらいに行ったさかえ湯は、前回の開店直後の様子と打って変わって静かなサブマリンでした。最後は私だけ。やっぱり渋谷で17:00の前に銭湯行く奥様方が多いのでしょう。一方男湯は賑やかでしたよ。

また、夏ならではの扇風機がめちゃくちゃ剛風。あと、浴室の窓は簾をかけて開けてありました。
それも手伝い、脱衣所は意外に(失礼ですが、すみません)空気が淀んでいませんでした。気持ちよいですよ。
二度目でしたが、立地、利便性(シャンプーリンス、ボディソープ、洗顔あり)、サブマリンな感じを総合すると、あぁここはまた来るなって予感がします。



やすこ。

【東京銭湯】京橋 銀座湯

2015-07-19 06:26:12 | 銭湯レポート
~ここは銀座だから~

職場から比較的近い、
にも関わらず機会があるだろうと先延ばしにしていた、銀座湯。
仕事の疲れを本気で流したくなって、
ここぞとかけ込んだ。


~銀座に寄り添う佇まい~
銀座にある銭湯として金春湯もあるが、金春湯と違って銀座湯は飲食店などが立ち並ぶど真ん中にある訳ではない。

そのせいか、
控えめというよりかは、
銀座の華やかさに寄り添う、
銀座で生きる人々に寄り添うような佇まいだ。

看板も、銀座側から来ても、京橋側から来ても見える三角型の看板。
これから行く人、来る人、両方を包み込むような看板の在り方だ。

~まずは清潔じゃなきゃ~
まず浴室の第一印象はピカピカ。
タイルなどみても清潔さがある。
また洗い場の台(シャンプーなど置く場所)は大理石のような石。
鏡を囲う形でむき出しの配管さえも、ピカピカしている。配管が綺麗に見えることは珍しい。
やはり基本は清潔であることだなと改めて感動する。


~銀座に咲く花火~
清潔さある壁面には
夜空への花火のモザイク画。
花火はヤシの木花火みたいに、
尾を引く花火だと思われ、
タイルなのにその動きが出ている。
これは隅田川の花火らしい。

花火というと夏を感じるが、
この花火のモザイク画は
いい意味で季節を選ばない。

隅田川の花火だが、
銀座の片隅で、そっと銀座のあたたかさを教えてくれる壁面だ。


~お風呂の大切さを教えてくれる~
私が下足番で
傘に鍵をかけることに手こずっていたとき、
ちょうど来た奥様に
「すみません、使い方わからなくて笑」
と話すと
「いいのよ。いいのよ。ここは銀座だから笑。誰も盗まない!」
「そっかぁ笑」
「盗まれたら、誰かのもらえばいいだけよ笑」
という会話がなされた。
素敵。私は全然銀座な人間じゃなあと思いましたよ。
その奥様には身体をあたためることの大事さを教えてもらいました。。
入浴中は遠すぎず近すぎない距離で、
お風呂の大切さと、幸せさを語り合いました。
それがなぁ、奥様はすごく潔いのです。
価値観は語るけど、押し付けない。

それは番台の奥様も同じ。

同じく、身体を芯からあたためる大事さはちゃーんと教えてくれて。
100円で入浴できる日も教えてくれて。
でも、押し付けない。
忙しいだろけど、来てねっていう、優しさ。

居心地がいいなぁと
しみじみ思いました。
それもやはり銀座だからでしょうか。
銀座で生きている方に、新しい意味で憧れる私でした。

*リンスインシャンプー、ボディソープあり
*ペットボトル手売り販売あり

やすこ。

【東京銭湯】目白 月の湯

2015-07-15 23:26:33 | 銭湯レポート
~都内最古級のぬくもり~


2015/05に長い歴史に幕をおろした、
目白の月の湯さん。月の湯さんに関するレポートは沢山ありますが、私なりに感動した思いを書ければと思います。

南新宿奥の湯さんで、
廃湯当日の入浴を経験して間もない頃。

雑誌などの銭湯特集では必ず取り上げられる「月の湯」さんに、
銭湯好きの銭湯交友会さんと一緒に訪問する機会に恵まれました。
飛び入り参加でしたが、廃湯の銭湯は誰かと一緒だと心強く思えて参加。


~月の湯さん履歴~
ご存知の方もいるかと思いますが、わたしの知る範囲での最近の月の湯さんの履歴を記載します。

月の湯さんは都内最古級の銭湯といわれ、廃湯前後も何度にわたる入浴会や見学会、そして保存の署名を受けるなどして 形を残すことを多くの方から希望された銭湯でした。
署名のリンク

最終的に現地保存ということはなく、
建築の一部が展示されるなどの機会をもって月の湯さんは歴史に幕をおろされました。その主軸である文京建築会ユース様※は、現在も月の湯様の遺したものをどう人に伝えてゆくか模索中だそうです。
ここから、月の湯さんがどれだけ歴史的価値のみならず人に愛された銭湯だったかがしのばれます。

※文京建築会ユース様は、おとめ湯廃湯の際も、見学会を運営するなど銭湯愛、街への愛あふれる団体様です。


~信頼関係でなりたつ脱衣所~
月の湯には鍵つきロッカーがないことが有名でした。皆、籠にスマートに衣服を入れます。盗みを警戒する貼り紙が多い昨今でも、貫ける信頼関係は落ち着く者でした。
なにせ、番台の奥様がちゃんと見ていてくださる。見張るとかではなく、見守ってくれている空気でした。だからこその鍵無しです。

あと鍵無しというか、棚も少ないので、
お互い譲り合って籠を置くことが大事。
誰かが着替えていたら、すすすっと籠を動かしたりするさりげない淑女さがいる場所でもあります。

鍵なし、棚少なし、その何れもが成立した空間と考えると凄いことです。


~悠々と壁画~
男湯からどどんと広がる富士山は、
青々として気持ちよかったですね。

またそのしたに広がるタイルに描かれた鯉。力強く、鮮やかでした。

もう訪れることができないと思うと寂しい気持ちでいっぱいです。。


***月の湯さんには、いろいろな
方からの「気」を感じました。
多分いく前に、いろいろな方のブログやお話や特集などを見ていたからでしょうか。私なぞが乗り込んでよいのかしら、と思いました。

でも、月の湯さんの常連さんはあたたかったし、脱衣所と番台様の関係値はぐっと一限の私を安心させてくれました。
素晴らしい銭湯でした。。。
長年、ありがとうございました。お疲れ様でした。


やすこ。

【東京銭湯】南新宿 奥の湯

2015-07-10 23:26:09 | 銭湯レポート
~藤棚が映る壁面~

奥の。それは私の苗字です。
ですから、いつか行かなきゃと思っていた。奥の湯さん。
2015年4月30日に約60年の営業を終了されました。

奥の湯さん。
だから、奥の湯さんが廃湯と聞いた時、
小さな動悸がした。
廃湯前の銭湯に飛び込むことは、
私はずっと避けてきたので
初めての廃湯前の入浴が奥の湯さんだとは。と。

そしていろいろ予定がズレて、
なんと最終日しか調整がつかない状態に。
初廃湯前入浴が、初最終日。


南新宿を降りたら、
駅直結の勢いで看板が飛び込んでくる。
おかえり、といわんばかり。
そう、奥の湯さんは日本一エキチカな銭湯と言われていた。

横道を進んで

入口である。


~品性ある壁面~
ペンキ絵が位置する場所には、
ゆるやかなカーブのついた天井。

そこには淡い紫色のモザイクがさながら逆さにした藤棚のようにあしらわれていた。
とても品性を感じる壁面だ。
主張しすぎずに、こんなに存在感ある壁面はどのようにして生まれたのか。
聞くべきだったと惜しまれる。


~最終日は有終の美~
それにしても最終日と言う言葉から想像する物悲しさは感じない空間だった。
まずお代を払うと、番台の奥様から花嫁石鹸を笑顔と一緒に渡された。

手書きの「寸志」も、
感謝の気持ちを深々と感じさせる。

最後の最後まで、それも常連さん以外にも石鹸を渡してくださるムラのなさ。
あぁもっと早いうちに訪れたかった。

そんな奥の湯さんだから、
当然浴室も脱衣所もピカピカだし。
そこに常連さんからのお花が可憐に咲く。

最終日だからこそ、
きっといつも通りの素敵さでふるまってくれたのだろうな。。


~人柄銭湯とは~
私がたまに使う人柄銭湯という言葉。
まさに、奥の湯さんは人柄銭湯でしょう。

常連さんと番台の奥様が話していた。
「おばあちゃんとよく来てくれてたもんね。」
「親子三代よ。
おばあちゃんもね。きっと天国から、奥の湯さん、お疲れさまって言ってると思うの。。」

聞きながら目頭が熱くなった。

これだけ愛され続けてても、
辞めなきゃいけない時はあるのだ。
まさに人柄銭湯の有終の美だった。
とりあえず、私は無駄にしゃべらずにその空間を感じることに専念した。


~一言二言~
常連さんの空気を乱さずに、
でもやはり番台の奥様と話したいと思って、キョロキョロ。

綺麗なショーケースにカラフルな石鹸箱が並んでいた。
ドンピシャで欲しいものが。
細かいデザインはわからなかったが手にして番台に駆け寄った。


おかげで奥様と話せた。
素敵なお湯への感謝と、
奥の湯さんは奥野さんなのかということを。

結果、奥野さんではなかったが、
奥の湯さんは苗字に由来する屋号だった。
やっぱり愛おしい。


すごく名残り惜しく、
こみ上げるものがあった。
その気持ち、最近お会いした銭湯仲間の方々と晩御飯を合流して しみじみと消化して帰宅した。

初めての廃湯当日。
本当に素敵な銭湯、奥の湯さんでした。
心から感謝です。

奥の湯さん、ありがとうございます。
やっと今になって、奥の湯さんについて書く決心がついた。それくらい素敵な場所でした。



やすこ。