銭湯OL日誌~銭湯ガイドマイスターへの道~

お風呂。特に銭湯が好きです。現在「銭湯検定3級」を持ち、次回の2級に向けて勉強中。【関連】銭湯OL、銭湯、銭湯検定、

【銭湯OL】年末のご挨拶

2014-12-30 21:26:40 | メディア・イベント出演
~2014年銭湯OL日誌まとめ~

早いもので1年が終わろうとしています。
今年は銭湯に救われた1年でした。
今年銭湯でおきた楽しいできごと&悲しい出来事の紹介と総括を
勝手ながらいたします。


~愉快な銭湯事変~
「石鹸指導」
今年一番嬉しかった銭湯での出来事。
とある銭湯で、奥方に「あんた石鹸つかってる?」とキツめに声がけされた私。「はい・・これを。」とボデイソープを見せると
「違う!これは石鹸じゃなくでボデイソープでしょ?」
なるほど。確かに狭い意味じゃ、そうなるのかもしれない。
そこからその奥方の石鹸指導ははじまった。
「手ぬぐい貸しなさい。石鹸をつけてあげる。固形じゃないと、汚れは落ちないし、逆効果なのよ!!」
「でもお姉さんの石鹸が汚れるから・・」
「なに?嫌なの?」
「いえ・・」
その奥方曰く、アトピーや乾燥肌は固形石鹸を使わない事が一番の問題らしい。

そこでなにか石鹸でも売り込まれるのかと思ったが、
「メーカーはなんでもいい」との事。
奥方は私に背中まで流してくれて、私も流すというと拒まれた。
とにかく指導をするというスタンスの様だ。

帰宅してから改めて思ったのは、
肌の調子もよいし、なんとなくキメが整った気がした・・事だ。
多分奥方の力強いレクチャーに私の肌も素直になったのだろう。

それ以降、固形石鹸を買ったものの小さい石鹸箱が見当たらず。小さい石鹸箱が手に入ったら、またその銭湯に行き、その常連の奥方に挨拶しようと思っている。


~②胸が痛む銭湯事変~
「本気喧嘩」
今年一番むなしかった銭湯での出来事。
とある銭湯で本気と書いてマジの、マジ喧嘩に遭遇した。
それもそんなに年齢層が遠くない者通しでの喧嘩だった。

発端は浴場でお湯がはねたとからしいが、ヒートアップしたのは脱衣所。
「あんたぬれた手でこの棚触らないでくれない?」
「あんたこそ、足を椅子に置いて拭くなんて常識外れ。」
「は?汚らわしい」
「汚らわしいのはそっちよ。これだから70代はいやよ」
「比べられるのも願い下げだわ・・」
上記の言葉をもっと汚く、キツくした感じでした。

喧嘩は5分位続き、でも番台さんも若かったから仲裁に入れず。
銭湯では注意&注意受けはたまにあるし、そこでちょっと空気が悪くなる事はあったけどもここまでのバトルはいたたまれなかった。

私はとりあえず、髪の毛も生乾きのまま悲しくのれんをくぐった。
銭湯は全裸で職も年齢も趣向も関係ない平等な場。
指摘をする・されることはあっても、
無駄な喧嘩言葉は浴びたくないよね。
仲良くしたいな。
平和がいいなってすごく悲しくなったです。

こんな愉快な事、胸が痛む事もあったけど、
まあ基本は楽しいことしかないのが銭湯巡りでした。


~どんなときも銭湯~
今年の銭湯OL銭湯総括。
昨年までは、
銭湯に行ったからにはその銭湯の人と会話し、
いい話の1つ2つを頂きたいと思っていました。

しかし今年はその点を無理しないようになった気がします。
膝手術を2回もしたせいか、気張らなくなったというか。
その土地、その時間、ならではの空気と、自分のコンディションに合わせて自由に銭湯を巡れるようになりました。

自分の心と体が第一。
ですから、
すごく落ち込んで人と会話する気力もないような時も、
とにかく人恋しい時も常に銭湯を楽しませて頂けた。
そして特に落ち込んだときに励まして頂けたのが銭湯でした。

また、数はまだまだ少ないのですが
70軒以上巡った事で
稀に「あまり合わない銭湯」もある事に気付きました。
「銭湯であればなんでも好き」という無条件な感覚は最近はありません。
といっても私はビル銭湯でも壁画無しでも幸せなので、
ほとんどの銭湯が大好きになっちゃうんですけどね。

そんな発見のあった1年でした。


~最後に~
今年は私の行った事のある銭湯
北区・春日湯
戸越銀座・金泉湯
が廃湯になりました。

特に春日湯様、熱湯が大好きでした。
なくなった事が今でも信じられません。
昨年の年末は入れていたのに・・廃湯の情報を聞いたとき涙が出てしまいました。
でも店主様が決めたならば仕方ない。
本当に、本当にありがとうございました。

こうして尊い存在がいつなくなってしまうかもわからないと思うと、
1軒1軒の湯巡りは
より愛おしく思えてきます。

来年もまた良い湯巡りができますように。
そして1年間、
この駄文ブログにおつきあい頂いた皆様に心よりよろしくお礼申し上げます。


やすこ。

【東京銭湯】渋谷 さかえ湯

2014-12-22 22:26:58 | 銭湯レポート
~ブルーサブマリン~

渋谷ヒカリエからほどなく近く。
でもちょっとだけ、
ひっそりとした場所に渋谷さかえ湯はある。

駅から歩いてきた歩道からみると、
ニョキッと看板が見える。
下にコカコーラの看板入り。
企業協賛している銭湯なんて、
今時珍しいな。


看板の下に、銭湯ののれんはある。


降りたらこちら。

ちょっとだけ落書きされてる。
それが渋谷っぽいというのも語弊があるけど、
途中で落書きをやめたような中途半端さ・・・多分銭湯だと気付いてやめたんじゃないか。
なんて勝手に銭湯至上な発想をしてしまう。


~ブルーサブマリン~
タイルは水色。
天井は低めだけど奥行きを感じるのは、
それなりに湯船の広さがある証だ。

なんだか潜水艦のようだ。
ふとそう思った。
多分、湯船の広がりが
フェリーの湯船に似た雰囲気を感じたからかもしれない。

でもフェリーよりずっと、
もっと奥深い場所で秘密めいているのだ。


~エンジョイ・トイレタリー~
シャンプーリンス、
洗顔フォームが5種類くらいある。

しかも今をときめく新商品が沢山。
普通はでっかいタンクがどんっとあって、名もなきシャンプーやリンスで
髪がパサパサしたりするけれど・・・
なんだかさすが渋谷って思ってしまう。


~渋谷で17:00?~
年齢層としては高齢の方が多いが、
なんだか仲良しコミュニティみたいなものは見られなかった。
これは私の気分のせいだろうけど、
どうも皆忙しそうに慌ててお湯に入っているように見えた。
これから来たる予定があるのかしら。
渋谷のど真ん中に出てゆくのかしら。
なんて思った。

また、下足箱の手前には
コインランドリーと喫煙スペースがある。
コインランドリーは銭湯スペースと分かれているところが多いが、一続きだと、
風呂入って、洗濯して、タバコ吸って・・という生々しい生活の息遣いが増してくる。
待ち合わせスペースはやっぱり未だ、神田川みたいで憧れる。
待ち合わせしているカップルがいたけど、その人達は周りよりゆっくり時間が流れている気がした。

渋谷という土地柄を勝手ながら感じた銭湯だった。


**渋谷のブルーサブマリン。
渋谷のど真ん中に出る前の、
ちょっとした準備時間が流れている銭湯。多分きっと行く時間帯によって、大きく表情を変えるのだろう。
でもこの秘密めいた感じは
何時でも変わらないのかな。

ちなみに図々しくカレンダー頂きました。雰囲気のあるカレンダー!
お部屋にかざります。




*ビール、牛乳、あり
*シャンプーリンスあり
*ケロリン桶あり
*ハンディドライヤーあり


やすこ。

【東京銭湯】吉祥寺 よろづ湯

2014-12-21 20:26:55 | 銭湯レポート
~異国につながる銭湯~


吉祥寺も街並みが変わった。
ユザワヤがどんと構えていた駅ビルもおしゃれに変わり、
ちょっと寂しささえ覚える。
でも懐かしさがまだ残る
ハモニカ横丁も近くにある。

そんな吉祥寺にあるよろづ湯。



~旅をしよう~
よろづ湯のペンキ絵は中島さんのペンキ絵。ただ、富士山ではなく、山脈はない佐賀県の景色だそう。

こうして凸の湯気抜きに、
富士山以外のペンキ絵があると、ちょっと異空間に来た気分。

私はこの景色が好きだ。
ちょっと無の境地になれるような景色。
主張しすぎない、包むような壁画。

それとは対照的にペンキ絵上の縁取りは、黄色にオレンジのライン。
なんだか異国情緒あるフレームだ。
ちなみにペンキ絵の日付は11/26といい風呂の日。


~モザイクアート~
洗い場の上は粒がランダムな形のモザイクタイルだ。
よく見ると、ブドウの房がたわわに実っている。
こんな感じに。

普段、洗い場の絵は、
自分のカラン前以外は他のお客様の手前、じろじろ見れない。
けれどブドウの房は
複数に連なるデザインで
洗い場の上に広がっているから、
自分のカランの上のブドウと
じっくり向きあった。
上品なブドウだった。
こんな感じに、ペンキ絵も、
洗い場もアートさがあふれている。

ちなみに
女湯の洗い場に柱がどすんと刺さっている。

これは建築上の理由があるのだろうけど、
ちょっとアートな意味合いを感じてしまいそうだった。


~海外とつながる番台~
番台のお父様は発展途上国の
ボランティアをしているそうだ。
それも地道な活動がありながら、
ホームページで発信されているというから驚き。
今では簡単にできるホームページもあるけど、htmlとか勉強されたそうな。
番台で。
確かによくよく考えてみると、
番台はなんでもできる小宇宙だ。
その空間と時間を生かして活躍されている方はいそうでなかなかお会いしたことがなかったなぁ。

ちなみにお父様はイラストにも強い。
銭湯のボイラー室の3Dのイラストなどをみせてくれた。

お父様は確かに、
番台から世界につながっていた。

ちなみに現在はあまりHPに力を入れていないそう。
なぜなら、もっとやりたいことがあるし、もういいのさ・・と。
めちゃくちゃ明るい野望を感じた。

常連さんとも
初心者さんとも
本気の会話で笑えるお父様は素敵だ。

カウンター式ではなく、
旧式の番台であることの
新たな意義をお父様から教えてもらった気がした。

吉祥寺でよろづ湯が
長く続き、愛されている訳がわかる気がした。


*牛乳販売あり
*名古屋のドリンクローヤルトップあり

デカビタやオロナミンが甘くなったような味でなかなか珍しい体験でした。



やすこ。

【東京銭湯】三ノ輪 改栄湯

2014-12-06 13:26:40 | 銭湯レポート
~ポジティブになれる銭湯~

~私事ですが
銭湯olやすこは術後の無事銭湯復活をし、
むしろリハビリに銭湯を活用するようになりました!
皆様ご心配おかけしました。
ということで復活後の銭湯日記が
またまた始まります~


最近膝の調子がイマイチなせいか、
前より出不精になった気がする。
前よりも寡黙になった気がする。
腹のどこかに、
まだ痛いなとか
転びたくないなが眠ってる。

そう、
それは銭湯ライフにも影響していて、
黙々と銭湯を楽しむことが増え、
昨年よりも番台さんと語らうことが
なんとなく減った。

が、その日から
少しだけ終わった気がしてる。
改栄湯の番台のお父さんに、終わらせてもらった。

と、冒頭からいきなりだが、
改栄湯さんは人柄銭湯だ。


~熱熱~
改栄湯は熱湯だ。
目盛は50度。
だから体がちゃんと芯からあたたまる。

でも皆が涼しい顔して入っている訳じゃなくて。
隣の奥様が「あちちち!」と笑顔。
挨拶代わりみたいなものだ笑。
皆、熱い熱いと言うけど、
本当はこの熱さが好きなんだ。

そして熱湯の常連様は大きく二つある気がしていて、
一つは熱がる人を鼻で笑う常連様
もう一つは慣れてても一緒に熱がってくれる常連様。
どちらも良いが、
やっぱり後者は少なくて
ちなみに改栄湯の常連様は後者ばかりだった。
お客様も人柄だ。


~改めて栄える湯~
壁画は朝焼けに向かう鶴。
稲荷町の鶴の湯に創りが似ている、
なんとなく同じ人がデザインした印象。

でもそんな冷静な分析は後回しで良くて、朝焼けと鶴の迫力はすごい。

主役に見えるのは左端にいる飛び立つ鶴。
右端の鶴が皆を先導する鶴か。
多分、主役の師匠かな。

朝焼けに照らされる大地には桜。
モクモクと咲き誇っている。
タイルの桜だけど、花のやわらかさを感じられるのは、タイルが花崗岩みたいな石でできているからかな?
すごく希望が湧く壁画。
そう言えば、富士山は人によって捉え方が様々で縁起ものだけど、
鶴は間違いなく希望の絵だ。


~番台からのエール~
こちらの番台の叔父様は実家は富山らしい。富山出身の番台様は多いと言いますもんね。

私の北海道の実家も
先祖は富山で、
開拓使として北海道に行き、
遠い親戚は銭湯を経営しているのです。
そんなご縁もあり、話は弾む。

そして言われたこと・・
「10年東京いたなら、大丈夫。
10年いたなら、もうちょっと頑張って、夢追いかけてな!」
私は上京したこと以上は
語っていないのに、
なにもかも見透かした様なお父様。

なんなんだろう、すごいなこの洞察力は。。身震いさえした。
お父様自身の身の上話も聞いた。
その間、久しぶりにみた瓶入りの「ハイシー」を頂きながら。
ほらなぁ、小さい頃飲んだのが懐かしいんでしょう?と笑いながら蓋を開けてもらう。
そう、いつもジンギスカンと一緒に。本当にいろいろドンピシャすぎて笑えてしまった。

そんな中、雨なのに、お客さんが絶えずに来る。
そのお客さんに、それぞれの言葉をかけるお父様。
お父様にしてみれば、決して私が上京者だからとかの理由はなくて。この番台から いろんな方をいろんなカタチで励ましてくれてるのだ。いつも。誰にも。
本当に素敵だ。

そんな思い出をカタチにしたくて、
お守りを買う様にシャンプーとリンスを購入。
湯上りの私が購入することに、お父様は怪訝な顔してたが ゲットした。


そんな番台のエネルギーを胸にして、
今日もがんばろう。
で、こここそリピートしよう。


*ケロリン桶あり
*座式ドライヤーあり
*ボディーソープとリンスインシャンプーあり
*牛乳あり、ハイシーあり。


やすこ。