銭湯OL日誌~銭湯ガイドマイスターへの道~

お風呂。特に銭湯が好きです。現在「銭湯検定3級」を持ち、次回の2級に向けて勉強中。【関連】銭湯OL、銭湯、銭湯検定、

【東京銭湯】池袋 栄湯

2014-06-28 09:26:33 | 銭湯レポート
~古の息遣いが聞こえるビル銭湯~

新栄湯という池袋西口近くの銭湯がおやすみで、更に てくてく10分くらい歩いて栄湯に。

道路から 煙突のもくもく煙が見えて、
まず営業していることに安心しました。
それに明るい時間の銭湯は久しぶりだし、銭湯の煙なんていつぶりに見たろう。



*ビル銭湯
栄湯は上に栄アパートというマンションが乗っている。まさにビル銭湯です。
ちなみに全く関係ないですが、昔地元で栄マンションというアパートに住んでいました。だから妙に親近感。


入り口に入ると、男湯女湯の暖簾がないです。おろおろしていたら、男性のお客様が「女湯はそっちね」と教えてくれました。男湯に間違って入りそうになった過去もあるので、地元の方のサポートは助かります。

*初銭湯のお客様
ビル式銭湯ですが、レトロ銭湯並みに年期ある脱衣所。男女湯の境目に大きな鏡があり、上の広告スペースが全て埋まったままのあたりも、とっても懐かしい印象です。地元の広告と昔の金融関係な看板がずらずらと埋まったままです。レトロ看板好きは必見!

さて、浴室に入ると
同年代の女性に声をかけられました。
「すみません、私初めてで。」
「あ、私も初めてですよ。」
「シャワーってどうやれば出ます?」
得意げにカランを倒す私。
あれ?
元々真ん中の島カランは出なかったみたいです。
ちょっと慌てる2人。看板があると良いかなと、初心者的には感じました。
声をかけてきた女性は、お家の給湯器が壊れて初めて銭湯に来たそうです。
そういえば、私が上京後の初銭湯のきっかけも、お風呂場に組立家具を置くしかない状況からでした。やはり、自宅のお風呂が使えないというハプニングは思わぬチャンスになるのですよね。


*息をひそめる魔法の湯
壁画はヨーロッパ風の風車、家並、湖というモザイクタイル。
こちらは年期が入っていて、ちょっと色が黒めになっています。

また、モザイクタイルの上に広告スペースもあり、3枠ほど入っています。広告スペースはペンキ絵上にしかみたことがなかったので、不思議な印象。
きっとかなり早いうちから、ビル銭湯を展開したのでしょうね。その息遣いが鮮烈に聞こえてきます。

そしてそんな空間に たたえられたお湯は、、、。
もくもく煙から期待していた通り、
蒔、井戸水からのお湯ですよ。
柔らかくて、じんわりあたたまる最強のお湯でした。特に左手は深風呂で、じんわりあたたまるには最適です。

なんだかこの空間に、ずっと息を潜めながら、変わらずにまろやかなお湯が生きてきた、、という印象です。


*栄湯の達人
そんなお湯にプカプカ包まれ、とろける気持ちでいたら、奥様から声がけ頂きました。
奥様は間もなく90代らしいですが、超若々しいお肌、ツルツルでした。シミソバカスもないんです。
で、健康の秘訣はやはりお風呂と自炊との話を伺いました。とても説得力、あります。他にも人生そのものの話まで語らいまして、とても便器というか、考えさせられたひとときでした。
そして長年栄湯に通う奥様のツルピカ肌を見て、銭湯パワーを感じたのです。
あまりに話に熱中した湯船の私、ちょっと湯当たりしそうでした。
しかし、お風呂も額から汗がジワリ滲むくらいが美肌に良いと奥様説。私も久しぶりにサウナ的浸かり方をして、毛穴が開きました。
おかげで、ちょっと赤みが出ていたお肌も復活。なんて、素直な効果なんでしょう。
ちなみに奥様とは途中まで一緒に歩いて帰りました。なんと私と同じ様に靭帯を切った経験もあり、運命ですね。


*銭湯初体験のお姉さん、栄湯の常連の奥様、と。沢山人に恵まれた銭湯でした。そしてお湯が最強でしたね。
奥様とは連絡先を交換しまして、また合流の予定です。


*ケロリン桶一部あり
*座ドライヤーあり


やすこ。


【東京銭湯】入谷 宝泉湯

2014-06-21 21:26:45 | 銭湯レポート
~アートのある~

*明るい訳
明るい佇まいは、一瞬なにかのショールームと思わせる。車通りも多い角地というスーパー立地にある銭湯は、東京入谷の宝泉湯です!



入り口を明るく見せているのは、熱帯魚の水槽のおかげもあります。

銭湯マップにも熱帯魚水槽の紹介があるし、余程店主さんは熱帯魚好きなんでしょうか。
それに水槽は建物に当てこまれていますから、基本、営業と熱帯魚は運命共同体な訳です。すごい。
これまで熱帯魚を飼う銭湯には2軒位行きましたが、ついに当て込みとは!
上には上って感じです。



*女が知り得るビーナス誕生
上野近いエリアの銭湯は、なんとなく美術館性を感じます。
しかしこれまで直球とは。
ボッディッチェリの「ビーナス誕生」風壁画をモザイクタイルにしたもの!
「ビーナス誕生」は誰しもが一度は目にしたハズのこちら。


古典的な女神ヴィーナスは、水より出現して貝殻のうえに立ち、霊的情熱の象徴であるゼピュロス(西風)に乗って、岸へと吹き寄せられている。季節の女神であるホーラたちの一人が、花で覆われた外套を女神へと差し出している。ヴィーナスのポーズは、当時発見された『恥じらいのヴィーナス』タイプの古代彫刻から得たものである。
Wikipedia「ビーナス誕生」より引用。

しかし、正しい絵ではホーラ(マント持った女神様)は左に配置されているのに、宝泉湯では右にいます。

女湯から見えるのは、ホーラがメインで男湯との仕切り先に見えるのは西風様が上から風を吹き付けてそうな顔。

つまり女湯からは、ビーナス見えない!

女湯にビーナスをマントでおおってあげようとするホーラがいるけど、
ビーナスが見えないのはなかなか面白いです。
だってホーラ女神は男湯の壁を越えなきゃ、ビーナスの裸を隠すことはできないんですから。なんかちょっとセクシーな壁画じゃありませんか。


*アートな湯船たち
湯船のラインナップはこちら。

薬湯はぬるめで、透明なサンハウスのように囲いがあり上からミストが噴射されいます。ぬるさを存分に楽しめます。ぼーっと考え事なぞしたくなるような感じです。
壁画沿いの湯船は全てひとつながりで、
電機風呂もジャグジーも一緒。電機風呂は普通の湯船の隅にあるので、看板がなければそこが電機とはわからない位です。ちょっとスリリング。
また、左側の普通の湯船にあるジャグジーや電機風呂エリアは浅く、右側にある座ジェットやマッサージエリアは深い。
単に深さが違うだけじゃなく、お湯の流れがやっぱり違う。
そんな感じに湯船がひとつながりであることで、お湯の楽しみが増す感じがしました。

*明るい女将さん
立派な創りだから、番台さんはお高いかと思いきや杞憂です。
スタンプ帳をお願いしたら、たくさん回ってるのねぇと話かけてくれたりして。
で、今日は空いていて、、どうしてかしら?なんて逆に聞かれたりしました笑。
でも、平日夜にしてはお客様はちゃんと入っていましたしね。
なんだか楽しい、気さくな奥様でした。

で、帰りに女湯ののれんを潜ると、奥様が出口そばのマッサージでくつろいでましたよ。ありがとうございます~って声が振動で震えてました。
ああ、明るい家庭の一コマのよう。
近代的な建物で、壁画アートな銭湯だから人情まで垣間見れないかなと思うことなかれ。人情たっぷりな銭湯でした。


*座式ドライヤーあり
*ケロリン桶あり


やすこ。

【東京銭湯】稲荷町 寿湯

2014-06-18 22:26:33 | 銭湯レポート
~異世界へ誘う壁画と浴槽たち~


久しぶりに仕事帰りの銭湯です。
もやもやして落ち着かないときは、やっぱり銭湯。

稲荷町の駅から、徒歩一分もしないうちに、寿湯があります。
で、でかっ。

なんだろう。幅が広いですね。

入り口の創りは当然の如く
唐破風だし、懸魚も細やかな柄で圧倒されます。
ちなみに脱衣所天井も銭湯らしい佇まい。

THE銭湯という佇まいにホッとします。


*靄がかった壁画
早速ですが中島さん、町田さんのサインがある壁画。

「MACHIDA」と書かれたバスがレトロできゅんとします。
で、中島さんの富士山。

なんでしょう。
中島さんの富士山は何度か観たのですが、初めての感覚。
富士山がうっすらベールに包まれているんです。今までも靄がかった富士山は観たのですが。
ちなみに男湯は立山?隣男湯の山脈との境目を、これもまた靄で包んでいます。
変なたとえですが、三途の川の靄はこんな立ち込め方かななんて思いました。


*飽きさせないバラエティ風呂
靄がかった富士山も必見ですが、これらに恍惚しながらも、お湯のバラエティさに魅了されてる模様のお客様が多そうでした。

まず薬湯は毎日違うそうで。
私はビアカクテル湯でした。会社のことを忘れようとして来たけど、会社の宴会のカホリ。でもアルコールではないのでウットリする位、、ビールの香りです。
そして薬湯はぬるい事が多いのですが、寿湯は薬湯が一番熱湯。だから香りの立ちが強く、香りをちゃんと楽しめました。
また薬湯から引き算して、ジャグジーや寝湯がぬるめ。寝湯のぬる具合は、本当にウトウト寝れちゃいそうなくらいです。適材適温、です。
あと露天風呂もありました。
後付けした感じですが、ちゃんと岩風呂になってます。
空はトタンと破風がせり出した景色。

あいにく星は見えませんでしたが、都会でささやかに空とマチに向き合える景色でした。
こんな感じに、多様な湯船にも楽しませてもらいました。


*繁盛店の人柄
お客様もたくさんいましたし、番台さんもパートさんで複数名入っているようでした。ですから、地元の銭湯でありながら、店主さんとお客様のFaceTOFaceな会話はなかなかできない環境なんじゃないかと思います。
でもね、こんなんあるんです。

寿湯だより。
素敵。
日替わりの薬湯一覧は、なんだか小学校の給食献立表見る気分と同じわくわくさを覚えます。
それに店主さんが丁寧に書いたお便りの内容が、、優しい。
オリンピックがあり、銭湯マナーを知らない人も増えるけど、優しく注意しましょうね。場所によって守るべきことは違うから、、という内容。
ちなみにこのお便りは、パウチされて薬湯の浴槽壁にも貼ってあります。
この時代にわざわざ、ネットではなく紙にも印字する店主さんの想い(Facebookもやられていますが)、すんごく感じました。
そう、内容は銭湯にくるお客様に向けられているのです。

ちなみに5月のお便りでは、お湯を柔らかにする装置を付けましたよ という情報がさり気なく書かれていました。
さり気ない。でもそれを読んでいたら、お湯がとたんにまろやかになった気がしました。


**壁画には毎度感動させられるのですが、今回は格別でした。
またやはりここでも人柄ですね。
入浴チケットの券売機もあるくらい、オートマチックになった銭湯ではありますが、スタンプを押してくれた番台さん2名は忙しくても爽やかな笑顔。
何度も寿湯たよりを読みながら帰宅しました。


*ケロリン桶あり
*座式ドライヤーあり(無料!)


やすこ。


【銭湯映画】テルマエロマエ2

2014-06-08 22:26:41 | メディア・イベント出演
~お風呂は何のために~

やっと観てきました、テルマエロマエ2。アナ雪ブームだから少しは 空いているかと思いきや、遅い時間にも関わらずほぼ満席。根強い人気があるんですね。
と呑気に書いてたら、、
http://dogatch.jp/smph/news/cx/25623
やはり、すごい人気なんですね。

客層はやっぱり様々。
家族と、カップルと、友だちと、一人と。うーん、なんでもありです。


さて、前回は銭湯カラーも強かった気がするテルマエロマエですが
2は割と入浴というテーマがより壮大に感じられる内容でした。

そして観た後、間違いなく、
お風呂っていいな、
お風呂文化の国に生まれて良かったと幸せに浸れる映画です。
ありきたりな感想っぽいけど、
本当これに尽きます。


*全員内輪ウケ
ちなみに映画館は常に笑いで溢れてました。
いいなと思ったのは、
その笑いが全員共通の内輪受けであるということ。
たまに映画で、知る人ぞ知る的ウケがありますが、そうではなくて、
みんな解ってるお風呂のこと、日本のことへの笑い。
そして誰も傷つかない笑い。


*お風呂になぜ入る
テルマエロマエでは、入浴は、争いを緩和し、人々を癒すある種の武器であったことが切々と伝わります。
そうか、お風呂って、入浴ってそれ位のパワーと言えるものですよね。


そんなこんなで、
よい映画でした。

入浴というものを、
日々のささやかな幸せというものを
見直すきっかけに是非。


やすこ。