レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

本編リメイク「露店風呂の中で」

2010-09-30 01:51:22 | 小説
本編リメイク「露店風呂の中で」


 「薄暗いから
足もと気をつけろ!」
 木太郎は偉そうに
いつきとエイタに注意したが、
 いきなり、
 桶を踏んづけすっころんだ。
 「いてえーな。この野郎!」
 「自分で注意していて、
 桶に八つ当たりしてもしょうがないだろう」
 「まあ...」
 木太郎は、
 腰をさすりながら立ち上がると、
 鼻をひくひくさせながら頭を掻いた。
 「あそこの照明は外灯じゃなく、
 浴室内のだな。
 それにここはやけに薄暗い。
 露店風呂内にも、
 ブレーカーボックスがあるはずだ」
 エイタが周りを見回すと、
 木太郎は湯船に向かい、
 手を湯につける。
 「ぬるすぎる」
 「ということは、
 この湯はガスじゃなく、
 電気式でお湯を沸かしているんだなあ」
 「そうなるな。
 だとすれば、
 ここにも絶対にブレーカーはある」
 そこへ、
 「ダメだすよ!
 流れないだす」

 あおむが大声を出して
露店風呂のあるところに走ってきて、
 木太郎と同様に、
 桶を踏んづけてすっころんだ。
 「本当はこいつら双子じゃないのか?」
 いつきが呆れたように、
 あおむと木太郎を相互に見る。
 「あー?どういうことだすか?」
 「うるさい。
 中は薄暗いし下は滑るから気をつけろ」
 木太郎は自分のことは棚にあげて、
 鼻をほじりながら、あおむに言う。
 「すまんだす。気をつけるだすよ」
 「それより、あそこ!
 熱い湯が出ていない。
 だから、お湯がぬるいんだ」
 エイタは、
 つぎ足し用のお湯が出ていた、
 大きめの竹を
半分に割ったような湯口を指差す。
 「これで間違いない。
 給湯関係の電源が切られている。
 そのブレーカーさえ探せば、
 屋敷のドアは開くはずだ。
 さあ、探すぞ」
 エイタが言うと、
他の3人も頷いた。
(続く)

第3弾リメイク「カミサン?伝説屋敷編?10」

2010-09-30 01:37:13 | 小説
第3弾リメイク「カミサン?伝説屋敷編?10」

  「うーん?
 もしかすると、
見えないだけかもしれないだすよ」
 「あー.....」
 「どうした? ふうた」
 「俺たち、
もとめ先生が生き返るように祈った
と同じじゃないのか?」
 「おー...」
 「じゃあ、ネネちゃんたちも...」
 「油断しただすよ」
 「俺、死ぬのかあ?」
 「えーと...
 消えた後は...」
 「まいっただすなあ」



 「おい、ネネ、
まだ、あいつら出てこないぞ」
 「なんかあったのかしら?」
 「サヤ?どうしたの?」
 「おい、あー...」
 みはるが
サヤに手をかけるとするりと
手が抜けたのだった。
 一方、
 サヤは、
 「ネネ、みはる、
 どこいっちゃったの?」

 大声を出して、
 二人は返事をしたが
もちろんサヤには返事は聞こえなかった。
(続く)






大地獄(新)「第三極」

2010-09-30 01:28:17 | 小説
大地獄(新)「第三極」

 第一話は下記から始まります。

大地獄(新)「あの頃」


 「ひどいすねえ」
 「ああ、上には上がいるもんだ」
 「お二人さん、
 なにひそひそやってんのよ?」
 「誰だ?」
 「怪しいす」
 「私はただの女」
 「女は見りゃわかるよ。
 でも、けっこう美人だな」
 「だから、怪しいす」
 「そんなあ?
 私は普通よ」
 「凄く怪しいす」
 「あっち言ってくれ!
 そうやって色気を使って
 何か聞こうとしてんだろう」
 「違いますよ。
 色気なんて」
 「怪しいす」
 「ちょっとあっち行ってくれ」
 「お願い!
 教えて、今の話し」
 「怪しいす」
 「お願い。
 じゃあ、上には上の上だけでも」
 「第三極、はい、お終い」
 「何それ?」
 「怪しいす」
 「しつこいなあ!
 それでわからないのか?
 じゃあ、
 今度で最後だぞ。
 今の権力闘争を利用して、
 うまくのし上がろう
としている門番たちのグループが別にいる。
 はい。そこまで。
 完全に終わり」
 「えー!
 そうなの?
 どっち派?」
 「怪しいす」
 「やばいから、勘弁してくれ」
 「ありがとう。
 ちょっと、情報集めてくるから、
 また、教えてね」
 「怪しいす」
 「一昨日会おう!」
 「いけず!
 なんて嘘よ。
 ありがとう!」
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エレベータ「5階通過?」

2010-09-30 01:19:24 | 小説
エレベータ「5階通過?」

 「いいか?
 エレベータが下に降り始めたら、
 集中だ!」
 「わかりました。
 ここが要ですからね」



 「どうされました?」
 「1名やられた。
 敵は2名。
 現在は、
 おそらく4階のエレベータの中、
 武器はボーガンと銃。
 3階は任せて、
 4階にまず上がってくれ。
 俺は応援を呼んでくる」
 「うーん。
 ということは、
 3階に二人、
 4階の階段に2名。
 5階ゼロ、
 6階に二人と高校生ですね」
 「多分、そうだ」
 「あー、多分」
 「それより、早く。
 4階の階段は死守しろ」
 「はっ!」


(続く)

ドア女「ドア女Ⅷ」フォ

2010-09-30 01:08:48 | 小説
ドア女「ドア女Ⅷ」フォ

 「ドア女Ⅰ」は以下から始まります。
 「ドア女Ⅰ」壱


「キター!」
 「本物の戦車だ!」
 「ほんとだす!
 すごいだすなあ」
 ピンポーン!
 ピンポーン!
 ピンポーン!
 「暴徒が逃げてくぞ!」
 「弱虫が!」
 「すげえー!」
 「自衛隊バンザーイ!」
 「ついでに、
 石を投げた奴らをひき殺せ!」
 「それはやばいだすよ!」
 「冗談!」
 ピンポーン!
 ピンポーン!
 ピンポーン!
 「外のマスコミも
 やっつけてくれー!」
 「そうだすな!」
 「おー!
 カメラがこのマンションに!」
 「もうすぐ助け出されるだすな。
 おー! 
 今のうちに、
 無実の理由を考えないとだすな!
 これからもうすぐ会見だすよ」
 「本当かよ。
 で、何話す?」


「ドア女Ⅷ」ソ


 「とうとう、暴徒は散ったぞ!」
 「さすが自衛隊だすな!」
 「ちょっとチャンネル変えるぞ」
 「あっ、見ろ!
 テレビカメラはこの階についたぞ。
 アレ?」
 ピンポーン!
 ピンポーン!
 ピンポーン!
 「ここの玄関が見えるよな!
 今テレビに写ってる画面に」
 「ああ」
 「えー!」
 「おー!」
 「まさかあ?」
 ピンポーン!
 ピンポーン!
 ピンポーン!

エスカレーター改改「おバカな上のじいちゃん」

2010-09-30 00:55:41 | 小説
エスカレーター改改「おバカな上のじいちゃん」

第一話は下記から始まります。

 エスカレーター改「上り」


おじさんに金を返さなければ、
 1万の儲け。
 でも、詐欺の片棒。
 おじさんに1万5000円返せば、
 俺は5000円の損。
 だけじゃなく、
 今はそんな金ない。
 どうしたらいいんだ!
 「早くしなさい」
 「おい!」
 「にいちゃーん」
 ダメもとだ!
 「おじさん、
 今日いくら持ってたの?」
 「早くしなさいってば!」
 強欲ババアは黙ってろ!
 「えーと、2,3万ってとこだな?」
 あー、ダメだ。このおじさん。
自分がいくら金持ってるかも
 わからないバカだ。
 「君もこれでわかったでしょう」
 「さあ、行くのよ」
 「にいちゃーん、
 上のじいちゃんは、
 その程度なんだからいいんだよ」
 横取りガキめ!
 最初から、
 このおじさん狙ってたんだな!
 「もう、早くしなって!
 うせてくれれば、
 もう、金はいらねえ。
 定期もあるし、
 家に帰ればどうにかなるさ」
 あー、呑気だな。
 このおじさんは。
 「さあ、君。
 7500円」
 「にいちゃーん、9000円」
 しょうがないか?
 イヤ?ダメだ!
 せめて、1万だけでも。
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第??弾「サルーラの蒼き仮面」第二章118

2010-09-30 00:46:20 | 小説
第??弾「サルーラの蒼き仮面」第二章118

 ウトーは、
 化け物の素早い攻撃をかわすと、
 飛び上がって、
タコのような化け物の脳天から、
右手を大きく振り落として、
まるで鉈で割ったような感じで、
 その化け物を真っ二つにした。
 同様に、
 それを見て逃げよう
とする小さな化け物を同じように、
縦裂きにして真っ二つにした。
 上空からそれを見ていた、
 ラーメンの家来は
ウトーのあまりの素早さと強さに驚いて、
しばらく動けない程であった。
 「みんな、
 何、ぼーっとしてんの?
 こいつらをさばいて、
 焼いて、食べようよ。
 きっとおいしいよ!」
 ウトーの言葉に、
 「料理人を早く呼べー!」

 ラーメンの家来のチャーハンが言うと、
 ペーが、
 化け物の足をちぎると、
 口に入れ、
 「生でもけっこういけますよ」
と言って、
 むしゃむしゃ食べ出したのだった。
(続く)

カミサン伝説20「ハッピー編」205

2010-09-30 00:35:17 | 小説
カミサン伝説20「ハッピー編」205

 最初は以下隠し部屋から始まります。
 カミサン伝説20「ハッピー編」改1


 ちあきは
ケンタとトンペイの視線を気にしていた。
 ケンタが最初それに気づき、
 あがりだけ出すと、
 「ちょっと、
 やらないことがありますので、
奥に行ってます。
 何かご用がありましたら、
 大声で声をかけてください」
と言うと、
 トンペイも、
 「ケンちゃん、
 明日の仕込みだろ。
 俺も手伝うよ」
と言って、
 返事を聞かずに二人で奥に行った。
 「なんか、悪いですねえ」
 「悪いって、
 来たのはあんたでしょう」
 「はあ。すいません」
 「気をきかせてくれて、
二人とも席をはずしてくれたんだから、
正直に話しなさいよ。
 このお店のことなら、
 大体、私がわかるから。
 何かあるんでしょう」
 「はい。先輩。
 実は、
 主人がまた浮気をしているみたいなんです。
 主人の母がガンで、
 その妹さんと息子さんらしい人が
お見舞いに来てくれてるんです。
 その妹さんは、
 主人の父と祖父母に勘当されたらしいので、
 主人も義母も私には内緒にしてるんです。
 主人に最初それらしき話しをしたときは、
激怒していたクセに、その後は何も言わず、
 最近は、
 その妹さんらしい人と
その息子さんらしい人は前にも増して、
 ちょくちょく
お見舞いに来るようになったんです。
 それも、
 ちょっとイヤな感じなんですが、
 突然、
 主人がさっきお話しした鈴木ハルカ、
 すいません、
 呼び捨てにして、
 その鈴木ハルカさんが白血病だから、
 彼女のために、
 骨髄移植をするからしばらく入院して、
会社を休むと言い出したんです。
 怪しいでしょう?
 だって、
 お見舞いには、
 息子さんと来ていますし、
 その鈴木ハルカさんが本当にいるか、
本当に白血病なのか、
 怪しすぎるんです。
 主人の従兄弟だとしても、
 なんとかとう型が合う確率なんて
相当低いわけでしょう。
 それなのに、
 骨髄移植をするなんて怪しすぎるんです。
 多分、
 それを口実に浮気相手と旅行でも
する気なんです。
 子どもがいないせいか、
 主人が浮気性なのは前からなんです。
 ですが、
 主人の話が嘘だとは確信がなかったので、
 わざと反対して
少し余計なことまで言っしまったら、
 一人で家を出ていってしまったんです。
 それで、
 妹さんらしい人が
こちらの寿司屋の方と結婚している
って話しを主人から聞いたいたので、
 主人の話が本当か確かめに来たんです」
 ちあきの話しを聞いた洋子は
トンペイから聞いていた夏男の話しとは違うし、
夏男が浮気性だというのも本当だ
ということを知っていたので、
どう話そうか、少し考えていたのだった。
(続く)

新サクラナ外伝第2章「ウメナの料理?2」

2010-09-30 00:23:22 | 小説
新サクラナ外伝第2章「ウメナの料理?2」

 第一話は下記から始まります。
 
 新「サクラナ外伝」「プロローグ」

 「あら、そうなの?」
 ユリカがあおむの言葉を聞いて、
ウメナの方を向くと、
 ウメナは黙って頷いた。
 「明日、作ってくれるだすよ。
 ユリカも一緒にどうだすか?」
 あおむは無意識で聞くと、
 ユリカは少し考えて、
 「残念ねえ。
 明日はサクラナさんとタマキさんが
午前から仕事の日だから、
今回は遠慮しておきます。
 今度またね」
と言うと、
 ウメナは少しほっとした顔で頷いた。

 そして、
 翌日の昼、
 ユリカが弁当を食べながら、
 サクラナとタマキに
ウメナの手料理のことを話していた。
 「大丈夫なの?
 だいたいのことはできるけど、
ウメナが包丁を使っているのは見たことないわよ」
 「ユリカさんに対するライバル心だったりして」
 「そんなあ」
 「でも、一緒に食べなくて正解よ。
 まずかったら、かわいそうだから」
 「ユリカさんも賢いわね」 
 「いえ、別にそういうわけじゃなく」
 「後で、あおくんにこっそり聞いてみよう」
 「あたしも」
 「聞いたら、こっそりメールくださいね」
 「なんか、みんなまずいと思ってるみたいね」
 サクラナたちはそんな話しをしながら、
楽しそうに笑っていた。



 「うーん...
 料理って、目玉焼きだけだすかあ?」
 「あほ!」
 「まあ、
 二つあるからごはんがあれば、
 どうにか腹はおさまるだすなあ。
 だすが、
 ちょっと焼きすぎじゃないだすかあ。
 まあ、いただくだすよ」
 「あほ!」
 「うん。
 僕は黄身が半熟の方が好きだすが、
 ソースをかければ、いけるだすな。
 だすが、
 朝ご飯の方にぴったりかもしれないだすなあ」
 「あほ!」
 「あと、野菜も欲しいだすな」
 「あほ...」
 「おー、
 野菜ジュースがあっただすな。
 これで充分だすよ」
 「あほ!」
 ウメナが初めて作ったのは、
黄身まで焼けた目玉焼き4コだったが、
 あおむが全部食べたので、
 ウメナは自信をつけたのか、
 また、カレンダーを指差した。
(続く)


新本編「キモ男3人衆、イケメン屋敷の謎」「犯人候補の確認」

2010-09-29 23:46:39 | 小説
新本編「キモ男3人衆、イケメン屋敷の謎」「犯人候補の確認」

第一話は下記から始まります。
 
 新本編「キモ男3人衆、イケメン屋敷の謎」「後継者」

 「ヒラメがここきたとすると、
 残った奴に犯人がいるということになるなあ。
ヒラメが犯人してはマヌケすぎるよな」

 木太郎が言う。
 「えーと、
 ヒラメのお母さん、
 アユメちゃん、
 チウメちゃん、
 タヨウ、
 カレイちゃん、
 それに永久、
 あと、オチタだっけ?」

 エイタが確認すると、
 「そういうことになるだすなあ。
 だば、
 犯人は地下から来たかもしれんだす」と
 あおむが言うと、
 「どうやって、
地下からあがってくるんだよ」

 木太郎が言うと、
 「それより、何時頃、犯行があったんだ」

 エイタが横からあおむに訊く。
 「そうだすなあ。
 多分、7時過ぎだす」
 「その時間だと、
 露店風呂の入り口は開いてないぞ」

 木太郎がまた言う。
 「ということは、
 これから、
屋敷の中を探していない奴が犯人ということになるな」

 いつきが言うと、
 「そうなるだすなあ」

 あおむが言った。
(続く)

新作ディープ(?改)「部屋の外の誰か2」

2010-09-29 23:35:28 | 小説
新作ディープ(?改)「部屋の外の誰か2」

 「アレは、
 演技だったんでしょう!
あたしは知ってるからね。
まさか、
 もとこと
 みんなグルだったの?」
 ヒトメがまた興奮して、
 アユメから離れたので、
 アユメがヒトメの頬を軽くたたいた。
 「ちょっと、
 あんた落ち着きなさいよ。
 あたしたちが、
 もとことグルなら
あんたをもう殺してるでしょう!」
 「そうよ。
 あんたなんて簡単に殺せるからね」
 「ごめんなさい...」
 ヒトメは涙を浮かべながら、
 蚊の泣くような声で一言だけ謝る。
 「本当に大丈夫だから、
あたしたちを信用しなさい」
 アスカがヒトメを抱きながら、
 また、その頭を撫でる。
 「でも...
 あたしは知ってるの。
 おちたくんがもとこを刺したのが、
 お芝居だっていうことを」
 ヒトメは小さな声でそう言うと、
 また、泣き出した。
 「そーう。
 お芝居だったって知ってるんだ」
 アユメは
やさしくヒトメの目を見ながらいう。
 ホウセイたちは黙って視線を送り合って、
 ここは
アユメとアスカに任せることにした。
 木太郎だけが
そのままドアに耳をつけている。
 「ヒトメ、落ち着いて聞きなさいよ。
 いーい。
 おちたくんは騙されたの」
 「騙された?」
 「そーう」
 「あんたは
どういうお芝居かは聞いてるわよね」
 アユメの問いにヒトメは黙って頷く。
 「だったら、話しは早いけど、
 落ち着いて聞くのよ!
 おちたくんが使うはずの剣は、
 偽物だったんだけど、
 本物とすり替えられていたの」
 「えー?」
 「そうなの?
 誰かがすり替えちゃったの?
 本物と。
 わかるわよねえ。
 この意味!」
 アユメがやさしく言うと、
 ヒトメは驚いたように黙って頷いた。
(続く)

新「ミケーレの蒼き仮面」148

2010-09-29 23:23:41 | 小説
新「ミケーレの蒼き仮面」148

第一話は下記から始まります。
 
 新「ミケーレの蒼き仮面」

 「何だ?
 あそこが俺たちが出会った海か?」
 「似てるけど、どこか違うねえ」
 「海の中の宮殿がないからだよ」
 「ああ、そうか」
 「それに、海岸にも何にもないよ」
 「そうだな。
 家来たちの家もないなあ」
 「ここって、
 みんな滅んでしまった後なのかなあ?」
 「待て待て待て。
 俺の時代にあんな城壁はなかった。
 海の中の宮殿もここにはない。
 ということは、
 アニーたちの時代と
俺の時代との間がここだということになる」
 「ラーメンって頭もいいんだねえ」
 「そんなこと俺でもわかるよ」
 「あははは。
そう言えば、そうだね」
 「うーん」
 「ラーメン、どうしたの?」
 「ああ、ジンが滅びてから、
 こんな状況になった時代があったのかなあ?」
 「ああ、そうか」
 「よし、思い切って、
城壁の中を探検してみるか」
 「えっ、大丈夫なの?」
 「いざとなったら、
 アニーの顔を触ればな」
 「うん」
 ラーメンたちは城壁の中に向かった。

 
 「見かけの割に弱かったね」
 「蟹だからな。
 ここで生きのいいうちに食おうぜ。
 残りはあいつらにも食わしてやろう」
 「何か、気持ち悪いなあ」
 「まあ、見てろって」
 サギーは3匹の蟹の1匹をさばくと、
 足の殻を半分ほど破った状態で、
 さっと身を海水でくぐらせてから、
 ちぎると、
 パティの口に放り込むように入れた。
 「うまいねえー。
 甘くて、初めて食べたよ。
 こういう味」
 「だろう。
 何で、
 こっちの海にしかいねえのかなあ?」
 「あっちにいると、
肺女さんや柿女さんに
食べられちゃうからじゃないの?」
 「あー、そうかもしれねえな」
 結局、
 サギーたちは大きな蟹1匹を頭の部分を除いて、
二人で食べ尽くした。
 「頭の部分は茹でで食おう。
 パティはそっちを背負え」
 「これ背負うの?」
 「死んでるから大丈夫だよ」
 「うん」
 サギーたちは蟹をそれぞれ背負って、
肺女のいる森に戻った。
 しかし、
 そのとき、
パティが
蟹を背負って歩いているところを目撃した民衆の一人が、
 蟹が森に向かって歩いているもの
と勘違いして、
 その噂を広めてしまったのだった。
(続く)

新第3弾ゾンビ「ネネの部屋で」

2010-09-29 23:06:43 | 小説
新第3弾ゾンビ「ネネの部屋で」

途中までグーさん以外に保管してます。
 新第3弾ゾンビ「キモ男三人衆、イケメン、美少女、秀才、そして?残るのは誰?」 


 ネネの部屋では、
 ふうたとネネが相談していた。
 「やっぱり、
 ネネちゃんの部屋はいい香りがするなあ」
 ふうたがいきなりネネをおだてる。
 「そんなあ」
 「たまおの部屋なんか臭くて」
 「たまおくんの部屋と一緒にしないでよ」
 ネネはそう言って、
 ふうたの肩をたたくが悪い気はしていないようだ。
 「で、ネネちゃん、
 もうはずす伝説きめてるんでしょう?」
 「わかる?何だと思う?」
 「13日の金曜日編、
 それとも、
 13日は金曜日編のどちらかなんてね?」
 「6番か12番ね」
 「あれ、
 13日は金曜日編は13番じゃなかったけ?」
 「本当は、
 12番のはずが観月のHPでは
13番になってるだけよ」
 「そうなんだ!
 ネネちゃんはかなり詳しいんだね。
 俺もだけど、
 たまおも
観月のHPを中心に研究してるだけだから」
 「私も最初はね。
 でも、
 候補に選ばれてからは、
 これでも、
 けっこういろいろ勉強したのよ。
 で、
 アレは私の中では12番なの。
 ごめん!
 あー、
 そんなことどうでもいいわよね、
 で、
 実は、私が今考えてるのは...」
(続く)

セリフサービス「中流タイプ2」

2010-09-29 22:52:22 | 小説
セリフサービス「中流タイプ2」

 すると、
また、
先程の普通の女の店員が現れた。
 「お任せタイプは
お気に召さなかったですか?」
 「俺は焼肉が食いてえ」
 「そうだと思いまして、
お任せタイプを私選んだんですが」
 女の店員はどこが不満だ
というような顔で龍之介の顔を見る。
 「俺はアレでよかったんだが、
 こいつが」
 龍之介が直哉を指さす。
 すると、
 「あれは、
 オーストラリア産の並カルビだったから、
僕はイヤだったんだ」
と、
 直哉が少し偉そうに話す。
 「ああ、さようなことですかあ。
 失礼しました。
 えーでは、
 普通タイプ、
 上タイプ、
 特上タイプからお選びください」
 「メニューは?」
 直哉が訊くと、
 「タイプをお選びになってからでないと。
 ここはセリフサービスですから、
 先ほど、ご説明しましたよね」
 今度は
女の店員が少しめんどくさそうな顔をして
直哉の顔を見る。
 「じゃあ、
 特上カルビが入ったタイプでお願いします」
 「俺は並でいいぞ」
 「どっちにされます」
 「じゃあ、
 どっちも入ったタイプで」
 「えー、
 残念ながら中流タイプの中の種類に、
 そのタイプはございません。
 当店はセリフサービスですので」
 女の店員は
今度はうんざりしたような顔で言う。
 「じゃあ、
 オーストラリア産の並カルビ以外のカルビの入ったタイプで」
 直哉がまだしつこく言うと、
 「ああ、そうですね?
 うーん。
 それなら、
 中流タイプの普通タイプがよろしいか
と思いますが」
と、
 女の店員は今度はさっさと決めろよ
という顔をして答える。
 「おお、あったじゃないかあ!
 それにしろ!」
 「じゃあ、それで」
 「はい。では、ごゆっくりと」
 女の店員は
少しだけほっとしたような顔で去っていった。
(続く)
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