レイジーなガキ

小説、コミカルミステリー?下品なので要注意。カミサン伝説研究中。真面目に読んでも考えてもまして怒ってはいけません。

セリフサービス「中流タイプ2」

2010-09-29 22:52:22 | 小説
セリフサービス「中流タイプ2」

 すると、
また、
先程の普通の女の店員が現れた。
 「お任せタイプは
お気に召さなかったですか?」
 「俺は焼肉が食いてえ」
 「そうだと思いまして、
お任せタイプを私選んだんですが」
 女の店員はどこが不満だ
というような顔で龍之介の顔を見る。
 「俺はアレでよかったんだが、
 こいつが」
 龍之介が直哉を指さす。
 すると、
 「あれは、
 オーストラリア産の並カルビだったから、
僕はイヤだったんだ」
と、
 直哉が少し偉そうに話す。
 「ああ、さようなことですかあ。
 失礼しました。
 えーでは、
 普通タイプ、
 上タイプ、
 特上タイプからお選びください」
 「メニューは?」
 直哉が訊くと、
 「タイプをお選びになってからでないと。
 ここはセリフサービスですから、
 先ほど、ご説明しましたよね」
 今度は
女の店員が少しめんどくさそうな顔をして
直哉の顔を見る。
 「じゃあ、
 特上カルビが入ったタイプでお願いします」
 「俺は並でいいぞ」
 「どっちにされます」
 「じゃあ、
 どっちも入ったタイプで」
 「えー、
 残念ながら中流タイプの中の種類に、
 そのタイプはございません。
 当店はセリフサービスですので」
 女の店員は
今度はうんざりしたような顔で言う。
 「じゃあ、
 オーストラリア産の並カルビ以外のカルビの入ったタイプで」
 直哉がまだしつこく言うと、
 「ああ、そうですね?
 うーん。
 それなら、
 中流タイプの普通タイプがよろしいか
と思いますが」
と、
 女の店員は今度はさっさと決めろよ
という顔をして答える。
 「おお、あったじゃないかあ!
 それにしろ!」
 「じゃあ、それで」
 「はい。では、ごゆっくりと」
 女の店員は
少しだけほっとしたような顔で去っていった。
(続く)
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