里山人雑記

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海辺でうろうろ

2017年02月20日 00時37分42秒 | Field Note<観察>
研究の発表も一段落ついたので、海辺をうろうろしてきました。
まあ、論文投稿しないことには、一段落なんてのんきなこと言ってられないんですけどね。それに来月は、生物関係の某学会@東京でポスター発表だし…
それはさておき、うろうろの話を…

↑有明海沿岸ですから、海苔養殖の風景は特徴的ですね。遠くに見える棒が、海苔網を支える支柱です。
大量のマガモ、ときどきオナガにヒドリにカルガモ。もう渡り(去る方)も始まっていますね。

↑久しぶりにケリ Vanellus cinereus も観察できました。
この、何かを嘲笑するようにも見える表情が何とも言えないです(注意:そういう顔のつくりをしているだけです)。
飛ぶと翼には白と黒のくっきりとした模様が表れ、これまた綺麗な鳥なんです。行動もおもしろいし…
実物を見たい方は、海辺や川辺の広場や耕作地などを探してみると、もしかしたら見つかるかもしれません。

そういえば昨年だっけ。ケリは某番組でも取り上げられていましたね。もう覚えていませんが、ナレーションに事実を取り違えるような表現がちょいちょいあって不快だったので(毎度のことですが)、途中から、説明を聞かないとわからないところ以外消音にして見た記憶があります…擬人化や比喩は興味を持ってもらったり関心を深めてもらったりする上で非常に効果的ではありますが、それが過ぎて行動学的に間違った内容になったり、事実を取り違えかねない表現にまでなってしまうのは、避けてほしいですね。簡単なことではないですけど。背景にはちゃんとした文献やら研究やらがあるのに…はい、すみません。行動生態学を学ぶ立場からのぼやきです。

そうそう、チドリの仲間のケリという名がつく鳥には、他にこんなのもいます。

↑今日も観察できたタゲリ Vanellus vanellus
冠羽(かんう;ざっくり言うと、頭の丸い輪郭から飛び出すように生える長めの羽毛)が特徴的ですね。もちろん、美しい羽根の色合いも。もうちょい黒い背景だと、羽色はもっと映えるんですけど…飛ぶ姿は優雅で、ふわっふわっとまさに"舞う"ような飛び方をします。はい、わかりにくいですね。実物を探して見てみてください。ケリと同じような場所で観察できますが、観察できる時期は普通、冬限定です。

↑数年前にオーストラリアで観察したズグロトサカゲリ Vanellus miles 。毎日散歩中にホームステイ先の住宅地で観察できたなぁ。

↑住宅付近をうろうろしていて、庭にも入っていることがあったりと、以外にも、人との距離が近い鳥でした。動きは、上記2種と似たようなもんでした(厳密にはだいぶ違う)。

ということで、後半は、学名を見るとわかる通り、実はすべてタゲリ属 Vanellus (つまり、ケリの仲間というよりはタゲリの仲間)の鳥たちでした。日本に限らず、海外でもぜひ探してみてください。動物園でも。