踏青_徒然日記

徒然なるままに日暮しキーボードに向かいてよしなしごとを...

苔竜胆

2007年03月30日 | 俳句
小さき身に蒼穹(おおぞら)うけて苔竜胆

<この俳句の作句意図>
苔竜胆が可憐な花を開いた。草丈5センチほどの小さな花だが青空を思わせるような色と形はやはり立派な竜胆である。
苔竜胆は、夜間や雨の日には花びらを閉じる、今日は朝まで雨に打たれていたが青空の広がるのと共に、今はしっかりと春の光を受け止めているようだ。

・季語は、苔竜胆’で、春’です。
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一輪草(一花草)

2007年03月29日 | 俳句
木漏れ日は更紗模様に一花草

<この俳句の作句意図>
わずかな木漏れ日の下で、一輪草が可憐な花を開いている。本州の何処にでも見られる花だが、ここ八王子の群落は歳時記にも登場するほど有名らしい。
10センチほどの草丈に、一つの花しか付けないので「一花草(いちげそう)」とも呼ばれるが、こちらの名前の方がイメージに合っていると思う・・・

・季語は、一花草’で、春’です。
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山吹

2007年03月28日 | 俳句
山吹のひとひら散りて昼の川

<この俳句の作句意図>
桜の便りと共に日に日に暖かさが増してきた。谷川のせせらぎの音も心地よい春の真昼、山吹の花がひとひらゆっくりと流れに散った。

・季語は、山吹’で、春’です。
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蝌蚪

2007年03月27日 | 俳句
攩網(たも)抱え駆け回る子や蝌蚪生る

<この俳句の作句意図>
山の公園で攩網(たもあみ)を抱えてあちこち走り回る子供たちがいる。
魚がいるの?と聞くと、得意そうに小さなプラスチックの水槽を見せた。
孵化したばかりらしき小さなおたまじゃくしが二匹泳いでいる。
すごいね!というと、にこっと笑ってまた友達のほうへ走っていった。
自身、おたまじゃくしのように走り回っていた昔を思い出す。

・季語は、蝌蚪(くわと)’で、春’です。
 (蝌蚪=おたまじゃくし)
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土佐水木

2007年03月26日 | 俳句
由布姫の挿頭(かざし)となれや土佐水木

<この俳句の作句意図>
土佐水木の花は、女性の髪飾りを思わせる。この花の似合うのはいったい誰だろう、戦国の世なら、かの由布姫に違いない。この透き通るほどの美しさは、悲しい運命に翻弄された美女にこそふさわしい・・・

・季語は、土佐水木’で、春’です。
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初桜

2007年03月25日 | 俳句
先駆けて散るぞ愛(かな)しき初桜

<この俳句の作句意図>
昭和記念公園の桜が開花したとの報道に惹かれて一足早い桜狩へ、いろいろな桜が咲く中で、染井吉野はあちらこちらの日当たりの良い枝でほころび始めている。

"さまざまなこと思い出す桜かな 芭蕉”

桜を見ればつい思うのは、靖国や知覧、有ってはならない事も、伝えなければならない事も有る。
この花も、満開の花を愛でに大勢の人々が訪れる頃にはもう既に散っているのだろう・・・

いまを盛りの「小彼岸桜」


名前に納得できないほど優雅な「おかめ桜」


・季語は、初桜’で、春’です。
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緋桜

2007年03月24日 | 俳句
緋桜の散るを厭いし伏目かな

<この俳句の作句意図>
緋桜が重たげな花を開いている。桜といってもこの花はなかなか散らずに長い間楽しませてくれる。散らばこそいとど櫻はめでたけれ’などという言葉を意識してか何処と無く俯き加減に見える。
勝手なことを云う人間のことなどはかまわずに、
胸を張って咲き続けてほしいものだ・・・

・季語は、緋桜’で、春’です。
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木五倍子の花

2007年03月22日 | 俳句
渓を下る萌黄の風や花木五倍子

<この俳句の作句意図>
早春の山に黄緑色の花房をたれて木五倍子の花が揺れている。変わった漢字を当てているが、この木の果実を「五倍子(ふし)」の代用として染料などに用いたのでこの名が有るという。
今、萌黄色の春風に吹かれているこの花が終わる頃には、山全体が柔かな緑に包まれることだろう・・・

・季語は、木五倍子(きぶし)の花’で、春’です。
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野蒜(のびる)

2007年03月21日 | 俳句
杣の子には小枝も道具野蒜掘る

<この俳句の作句意図>
里山を散歩中に野蒜の群生を見つけ、さっそく今夜の肴を調達することにした。枯れ枝を突き刺して地面をほぐせばきれいに抜ける。同行していた娘が「父さんは何でそんなことを知っているのか」と聞くが、山里に育った子には小枝を道具にすることなど当たり前のこと、何はともあれ、これで今夜の晩酌の肴が一品増える。
写真は、酢味噌和えへと変貌した里山の野蒜と、二年物の「木苺酒」
これは焼酎ベースで私が作りました。

・季語は、野蒜’で、春’です。
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若草野

2007年03月20日 | 俳句
嘴(はし)紅き鳥の会釈や若草野

<この俳句の作句意図>
萌え始めた芝草の上で、名も知らない嘴の真っ赤な小鳥がなにやら餌を探している様子、そっと近づいたがこちらに気付き、会釈でもするように小首をかしげた。カメラを取り出すまもなく飛び去ってしまったので会釈を返すことも出来なかったが、
食事の邪魔をしたうえにちょっと失礼をしてしまったようだ・・・
写真は小鳥ではなく、カラスノエンドウの花です。

・季語は、若草野’で、春’です。
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