踏青_徒然日記

徒然なるままに日暮しキーボードに向かいてよしなしごとを...

朴落葉

2007年11月30日 | 俳句
斃るるごと打ち重なりて朴落葉
 たおるるごと  うちかさなりて  ほおおちば

<この俳句の作句意図>
雑木山が落葉を降らせる季節となった。かさこそと乾いた音を立てて落ち葉を踏んで歩くのもなんとなく詩心をくすぐる、赤や黄色に混じって時折現れる白い大きな葉は朴、いかにも落ちてしまったと云わんばかりに折り重なって葉裏を見せている。俳句を忘れ、朴葉味噌など思い描いてしまうのは花より団子の証しか・・・

・季語は、朴落葉’で、冬’です。
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枇杷の花

2007年11月29日 | 俳句
伴に老い言葉少なに枇杷の花
  ともにおい  ことばすくなに  びわのはな

<この俳句の作句意図>
枇杷は初冬、寒風の中に淡褐色の繊毛に包まれた白い花を咲かせる、目立たない花だが芳香を放つ。佳きときも悪しきときも共に過ごした夫婦の晩年にこそふさわしい花のような気がする・・・

・季語は、枇杷の花’で、冬’です。
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散り紅葉

2007年11月28日 | 俳句
蒼天をよぎりて谷へ散紅葉
  そうてんを  よぎりてたにへ  ちりもみじ

<この俳句の作句意図>
遅れていた紅葉がようやく始まったと思ったのもつかの間、山麓の楓はもう枯れ葉となって谷へと舞い落ち始めた。明日は北関東でも雪が舞うとか、冬はもうそこまで近づいたか・・・

・季語は、散紅葉’で、冬’です。
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枯菊

2007年11月27日 | 俳句
枯菊に日向の匂ひ有りにけり
  かれきくに  ひなたのにおい  ありにけり

<この俳句の作句意図>
11月もあと数日となり、山の紅葉もやっと本番と云ったところ。畑のはずれの菊の花はすでに盛りを過ぎてしまい、風に乾いた音をたてている・・・

・季語は、枯菊’で、冬’です。
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冬薔薇

2007年11月26日 | 俳句
吾を止むるは棘にはあらず冬薔薇
  あをとむるは  とげにはあらず  ふゆそうび

<この俳句の作句意図>
公園の片隅に咲くバラ一輪。艶やかに咲き競う夏のバラもよいが、寒風に咲く冬のバラはまた、ひっそりと捨てがたい風情がある・・・

・季語は、冬薔薇’で、冬’です。
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銀杏落葉

2007年11月24日 | 俳句
摺り足で筋付け銀杏落葉かな
  すりあしで  すじつけ  いちょうおちばかな

<この俳句の作句意図>
立川の昭和記念公園へ出かけた。折からの連休中でもあり大変な人出、ようようの思いで駐車場に入ったが園内はまるで駅前の雑踏を歩くが如し。
平日に来なかったことを半ば悔みつつ園内を一周。銀杏の並木はすでに落葉が始まりまるで黄金の絨毯を引いたかのよう、蹴鞠の様に落葉を蹴散らしている子供に混じって足を引きずって掻き寄せてみる。しばし晩秋を堪能・・・

・季語は、銀杏落葉’で、冬’です。
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石蕗の花

2007年11月23日 | 俳句
透きとほる空の蒼さや石蕗の花
  すきとおる  そらのあおさや  つわのはな

<この俳句の作句意図>
今日は一日雲ひとつない青空、北風に舞う枯れ葉につくづくと晩秋を感じる。どこまでも続く青空の果てに純白の綿帽子をかぶった富士の嶺が聳える。
今日、11月23日は、吾が徒然日記も満三歳となる日。
石の上にも三年’とか、句作の方は「どこまで続くぬかるみぞ」といった感があるが、今日一日は、石の上ならぬ石蕗の花を愛でて過ごすとしようか・・・

・季語は、石蕗(つは)の花’で、冬’です。
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一葉忌

2007年11月22日 | 俳句
師の蔵書傍線多し一葉忌
  しのぞうしょ  ぼうせんおおし  いちようき

<この俳句の作句意図>
11/23日は、樋口一葉の忌日だとか、遺された傑作を数えてみても、とても24歳で亡くなった人の書いた冊数とは思えない。
先日、俳句の先生より、ある有名俳人の書いた「俳句入門書」を借用したが、いたるところに赤線が引かれ、訂正とその理由が書き込まれている。先生は長い間、高校で国語の教師をされてきた方で、虚子以降の俳人たちの言葉の乱れを大変嘆いておられる。簡単な気持ちで借りた本だが、これは心して読まねばなるまい・・・
写真は、一葉ならぬ千葉の紅葉です(笑)

・季語は、一葉忌’で、冬’です。
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翁忌

2007年11月21日 | 俳句
せせらぎに舞ひ散る柞翁の忌
  せせらぎに  まいちるははそ  おきなのき

<この俳句の作句意図>
今日、11/21は、陰暦十月十二日にあたり、俳人松尾芭蕉の忌日である。おくのほそ道で、辺境の歌枕に漂泊の詩心を探り、自然との感応を句作に打ち出した俳句の神様のような人。私にとっては永遠の目標の様なものである。
(ははそ、とは、楢や橡の総称です。)

・季語は、翁の忌’で、冬’です。
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蔓もどき

2007年11月20日 | 俳句
塾帰りはしゃぐ風の子蔓擬
  じゅくがえり  はしゃぐかぜのこ  つるもどき

<この俳句の作句意図>
このところめっきり寒くなったが、塾帰りの子供たちは何やら大はしゃぎで公園内を駆け回っている。「子供は風の子」なんぞと云い、もちろん塾などと云うものは知らずに暗くなるまで遊びまわっていた昔を懐かしく思い出す・・・

・季語は、蔓擬(つるもどき)’で、秋’です。
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