金縷梅の花芽ゆるびぬ朝の雨
まんさくの はなめゆるびぬ あさのあめ
<一言>
暫らく暖かな日が続いたが、水曜辺りから又寒くなるとか。山の木々はまだ枯色一色と思ったが、マンサクの蕾はもう待ちきれぬかのように黄色い花弁を開き始めている。繰り返す三寒四温の中で、又春が一歩近づいているようだ。
・季語は、金縷梅(まんさく)’で、春’です。
金縷梅の花芽ゆるびぬ朝の雨
まんさくの はなめゆるびぬ あさのあめ
<一言>
暫らく暖かな日が続いたが、水曜辺りから又寒くなるとか。山の木々はまだ枯色一色と思ったが、マンサクの蕾はもう待ちきれぬかのように黄色い花弁を開き始めている。繰り返す三寒四温の中で、又春が一歩近づいているようだ。
・季語は、金縷梅(まんさく)’で、春’です。
寒月や梢は闇を持ちながら
かんげつや こずえはやみを もちながら
<一言>
今日は満月。凍てつくほどに冴えわたる月光の中で、前山の稜線は落葉樹の梢が闇を形作っている。冬の満月が恐ろしいほどに美しいのは、冷たい光と、音のない闇の生み出す静けさにあるのだろう。
・季語は、寒月’で、冬’です。
土筆などと畦もとほりて春を待つ
つくしなどと あぜもとほりて はるをまつ
<一言>
暖かささえ感じるような陽気に誘われて、畦道や土手を散策。もしや土筆でも芽を出しているのでは、などと勝手な希望を抱いて歩いては見たが、所詮はまだ一月。春にはもう少し間がありそうだと実感するのみ。
・季語は、春を待つ’で、冬’です。
野の風の厨に届き春の蕗
ののかぜの くりやにとどき はるのふき
<一言>
八王子には、東京でただ一か所の「道の駅」が在る。ぶらり立ち寄ったら、なんと蕗の薹が!ということで、今年の春いちばんの香りは、野原ではなくお店で購入となった。
写真は、かくして晩酌の肴となった「蕗味噌」です。
・季語は、春の蕗’で、春’です。
三寒の駅裏小路縄暖簾
さんかんの えきうらこうじ なわのれん
<一言>
昨夜は星がきれいだと思ったら案の定、放射冷却とやらで朝はえらい寒さ。どうやらもう二日ほど続くらしいのでこれが三寒四温かと妙に納得してしまう。ともあれ、こんな日は熱燗でも飲んで政治談議で盛り上がろうか・・・
・季語は、三寒’で、冬’です。
風の野に瑠璃ちりばめて犬ふぐり
かぜののに るりちりばめて いぬふぐり
<一言>
いまだ北風の吹きすさぶ野辺、と思い通り過ごしていた荒れ地になにやら小さなブルーの耀き。なんと、もう犬ふぐりの花が咲き始めていた。早くも春の足音が聞こえてきたような・・・
・季語は、犬ふぐり’で、春’です。
車椅子暫しとどめて梅早し
くるまいす しばしとどめて うめはやし
<一言>
暦の上では大寒だが、昨日今日の東京は、四月の気温だとか。陽だまりでは梅のつぼみもほころび始めた。とはいうものの気温が下がるのはこれからが本番のはず、三寒四温というのもまだ当らないのだろう。
・季語は、梅早し’で、冬’です。
餅搗や子ら打ち数を唱えつつ
もちつきや こらうちかずを となえつつ
<一言>
今日は楽郷の会恒例の餅搗きの日。子供たちは、列を作ってほぼ搗き上がった餅に向かって杵を振り下ろします。「人数が多いので一人五回ね!」と、約束をしたためにみんなで「い~ち、に~い、さ~ん、と、回数を数えながら賑やかに餅搗きが出来ました。自分でついた餅は又格別に美味しいらしく、笑い声の絶えない良い餅搗き大会となりました。
・季語は、餅搗’で、冬’です。
寒暁やひと日始むる湯を沸かし
かんぎょうや ひとひはじむる ゆをわかし
<一言>
この所、八王子でも朝の気温が零度を下回ったらしく、鉢植えのパンジーは葉も花びらもパリパリに凍っていたが、日差しとともにまた元気になったようだ。人間ならとうに凍え死んでいる、植物の生命力の強さか・・・
・季語は、寒暁(冬の夜明けの意)’で、冬’です。
賽の神を童女飾りぬ野水仙
さいのかみを どうじょかざりぬ のすいせん
<一言>
昼夜を問わずたくさんの自動車が通過する国道わきに、古い石仏がある。きっと昔から、荷車や旅人が通るのを優しく見守っていたのだろう。今は、付近に住むお婆さんたちが交代で掃除やら草花などを供えたりしているが、最近は花も少ないので、蜜柑と水仙が定番となっているようだ。
・季語は、水仙’で、冬’です。