踏青_徒然日記

徒然なるままに日暮しキーボードに向かいてよしなしごとを...

芹摘む

2006年02月28日 | 俳句
芹摘むやまとわり付きし泥あまた

<この俳句の作句意図>
野芹を摘んで食卓へ、いかにも春らしい風味があるが、凍て解けの畦は、靴が重くなるほどの泥がついてしまう。
芹摘む’と言う言葉には、
高貴な女性が芹を食べるのを見た男が、芹を摘んで自分の想いが遂げられるのを期待したが、徒労に終ったという故事にならい、恋い慕っても無駄なこと、また、思い通りには行かない、という意味を持つと言う。
とかくこの世はままならず・・・

・季語は、芹摘む’で、春’です。
写真は、三杯酢でビールの肴となった芹です。
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沈丁花(じんちょうげ)

2006年02月27日 | 俳句
ひとひらの著(しる)き香りや沈丁花

<この俳句の作句意図>
沈丁花の最初のひとひらが開いた、その花びらは何処に有るやも知れずとも、
いや、たとえ満開になったとしても、その姿を称える人は少ないが、そんなことには頓着せずにすでに確かな香りを漂はせている。

・季語は、沈丁花’で、春’です。
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紅色の満作

2006年02月26日 | 俳句
満作のあはれビルへと傾(かたぶ)けり

<この俳句の作句意図>
紅色の満作が綺麗に咲いているが、最近は里山のすぐそばまで開拓が進み、マンションや映画館のあるビルなどの高層建築が建ち始めた。遠く、縄文の時代から祖先が守り育ててきた里山を我々の時代で荒廃させてはなるまい。

・季語は、満作’で、春’です。
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道真忌

2006年02月25日 | 俳句
叢雲の西へ流れて道真忌

<この俳句の作句意図>
昨日の雨が嘘のように晴れ渡る青空、関東地方もようやく梅の花が見ごろを迎えたようだが、今日は菅原道真公の忌日だとか、かの大宰府の飛び梅も匂いたっているのだろうか。

・季語は、道真忌’で、春’です。
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野蒜(のびる)

2006年02月24日 | 俳句
武蔵野の水柔らかに野蒜生ふ

<この俳句の作句意図>
武蔵野の一角を流れている名も無き細流からも、いつしか手を切るような冷たさが消えた。土手の日溜りには、野蒜が柔らかな芽を伸ばし始めている、春の到来。

・季語は、野蒜’で、春’です。
まだマッチ棒ほどの野蒜ですが、分葱(わけぎ)ほどに伸びたものを採って
酢味噌和’などにするとビールのツマミに良いです。
もう2~3週間先のことになりそうですが・・・
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ジャガイモ植え

2006年02月23日 | 俳句
身ぶるいの山を背びらに薯植うる

<この俳句の作句意図>
家庭菜園のハウツー本によれば、ジャガイモは寒冷地の作物なので霜が降りなくなればなるべく早めに植えたほうが良いらしい。まだ寒さは残るが、山の木の芽も動き始めたらしいので、今年はチョット早めの薯植えだ。

・季語は、薯植う’で、春’です。
ちなみに俳句では、サツマイモ=藷、里芋=芋、じゃがいも=薯、と表記します。
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森の水車

2006年02月22日 | 俳句
春の水ごろり水車のまわりたる

<この俳句の作句意図>
春の訪れとともに湧き水の小川も水量が増えた、冬の間止まっていた公園の水車もどうやら修理が終ったようでごろりごろりと廻りだした。

・季語は、春の水’で、春’です。
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木の芽雨

2006年02月21日 | 俳句
乾ぶ地に天のくれたる木の芽雨

<この俳句の作句意図>
朝から冷たい春の雨、冬枯れた山河をあまねく濡らして木々の芽吹きを促すと思えば、暖かくさえ感じる、天の恵みか。

・季語は、木の芽雨’(=木々が芽吹き始めるころに降る雨)で、春’です。
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福寿草

2006年02月20日 | 俳句
との曇る峰をよこめに福寿草

<この俳句の作句意図>
金色の鮮やかな福寿草、常に太陽の方角を向いて咲くという。今にも降り出しそうにとの曇る空の下で、’かの人、今日は来ないよ’と揶揄するかのような山を横目に、今日も精一杯咲いている福寿草。

・季語は、福寿草’で、新年’です。
原種と言われる、青梅草’と比べると、花の開く前にいくばくかの葉が出ているようです。
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さえ返る

2006年02月19日 | 俳句
さえ返る笛のをのこの白きゆび

<この俳句の作句意図>
急に寒さがぶり返し、春の気分に浮かれた身体も目を覚まされた思いがする。
歳時記では、こういった感覚を「さえ返る」と表現しているが、なるほど雛人形の指の白ささえもが目にもしみるようだ。

・季語は、さえ返る’で、春’です。
写真は、家人手作りの木目込み人形です。
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