エロスの笛古木に遊び凌霄花
えろすのふえ こぼくにあそび のうぜんか
<一言>
いろいろな災いもあった七月も今日で終わり。暦の上ではもう晩夏、すでに秋の花々も咲き始めたが夏の終わりを彩る花といえば凌霄の花が代表的なところかもしれない。他の木に巻きついて、その木を覆うように一面の花を咲かせるが巻き付かれた木を枯らしてしまうほどのあだ花でもある。
・季語は、凌霄花’で、夏’です。
エロスの笛古木に遊び凌霄花
えろすのふえ こぼくにあそび のうぜんか
<一言>
いろいろな災いもあった七月も今日で終わり。暦の上ではもう晩夏、すでに秋の花々も咲き始めたが夏の終わりを彩る花といえば凌霄の花が代表的なところかもしれない。他の木に巻きついて、その木を覆うように一面の花を咲かせるが巻き付かれた木を枯らしてしまうほどのあだ花でもある。
・季語は、凌霄花’で、夏’です。
笹原に雨呼ぶ風や夏の蝶
ささはらに あめよぶかぜや なつのちょう
<一言>
今日の関東地方は、気温34度を超えたという。これでは俳句のネタ探しとしても散歩は楽ではない。唯一の救いは風が有ることか、波のうねりに似た笹の揺れに合わせる様に烏揚羽が舞っていたが、春の蝶とはあきらかに趣の変わる存在感がある。
・季語は、夏の蝶’で、夏’です。
朝顔の蒼に明けたる雨の夜
あさがほの あをにあけたる あめのよる
<一言>
朝顔が青いビロードのような花を開いた。いかにも夏の朝といった風情だが、俳句の世界では秋の季題という事になっている。万葉の昔は、桔梗や木槿のことを朝顔と言っていたようでやむをえないのだろうが、子どもが夏休みの宿題で育てていた朝顔の鉢のイメージが強いこともあり、ここはやはり、朝顔は夏の花と思いたい。
・季語は、朝顔’で、秋’です。
土の香も葉もかき分くる蓮見かな
つちのかも はもかきわくる はすみかな
<一言>
各地で大雨の被害が拡大していると思ったら、今度は群馬で竜巻の被害があったという。屋根を飛ばし、自動車をひっくり返すほどの風とはどれほどのものなのかと恐怖さえ覚える。自然界の猛威の前には人の力のなんと小さなことか・・・
・季語は、蓮見’で、夏’です。
雑木山刻の死にたる日の盛り
ざふきやま ときのしにたる ひのさかり
<一言>
昨日の激しい雨から一転、真夏の青空。朝夕は風があるから良いようなものの、日中の暑さは半端ではない。熱中症の予防に、梅干しと麦茶ならぬ麦酒でなんとかこの暑さを乗り切らねば・・・
・季語は、日の盛り’で、夏’です。
次ありやと見む山影の遠花火
つぎありやと みむやまかげの とおはなび
今日は隅田川の花火大会だが、もう長い事テレビの画面での見物となっている。
ちょっと買い物と表へ出たら多摩川の何処ぞでも花火大会が有るようで、薄暗い山の向こうに花火を見かける。終わりかな?と思いつつも次を待って暗い山影を凝視していると、音もなく光の輪が広がる。何か得をしたような気持ちになりまた次を待ってしまう。
人をこんなにも懐かしい気持ちにさせる花火とはいったいなんだろう。
・季語は、遠花火’で、夏’です。
あふれくる朝の大気や若楓
あふれくる あさのたいきや わかかえで
<一言>
朝の散歩は雨のため途切れがちだが、緑の中を渡ってくる爽やかな空気を胸いっぱい吸って歩けば、心配事は消え、なんでも成し遂げられそうな気分になる。まだまだやれるよね・・・なんて。
・季語は、若楓’で、夏’です。
日蝕や待宵草の咲き満ちて
にっしょくや まつよいぐさの さきみちて
<一言>
今日は46年ぶりの皆既日蝕だとか。テレビなどでは大騒ぎをしているが八王子では今にも降りそうにどんよりと曇った空。どうやら見ることはかなわないようだが、路の辺の待つ宵草は時ならぬ夕闇を期待しているかのよに大輪の花を揺らしている。
月見草愛し故里の山と川
・季語は、待宵草’で、夏’です。
ぬか雨の薄明かりして蓮華咲く
ぬかあめの うすあかりして れんげさく
<一言>
梅雨出水といって、昔から梅雨の明けるころには概して大雨が降り、洪水などの起きることが多い。今年も、残念ながら山口県では、大きな災害が起きてしまったという。謹んでお悔やみを申し上げたい。関東では幸いぬか雨程度で、今朝は少し早起きをして蓮を見に出かけたが、早朝というのに大きなカメラを抱えた人の多さにびっくり。どうも皆考えることは同じのようだ・・・
・季語は、蓮華’で、夏’です。
炎昼や生命煌めく大欅
えんちゅうや いのちきらめく おおけやき
<一言>
梅雨明けから暑い日が続いているが、西日本などでは雨や風の大荒れの天気だという。最近ではブログの知り合いなども居り、少し心配だが無事を祈るしかない。関東では、いよいよ油蝉の羽化が始まり、今日は初めてミンミンゼミの声も聞こえた。公園の大欅には蝉の抜け殻が幾つも残り、煌めきながら飛翔したいのちを伝えている。
・季語は、炎昼’で、夏’です。