甘酒茶屋

さみだるる甘酒茶屋の丸太椅子

＜この俳句の作句意図＞
降ったりやんだりの梅雨空の一日、箱根旧街道の甘酒茶屋へ、薄暗き土間に据えられた丸太を切っただけの椅子に腰をかけて茅葺きの屋根から滴る雨だれを見つめ遠い昔の旅人を偲ぶ、
写真は、仙石原の「ガラスの森」の正反対と思える光に満ちたガラスの木の葉、

夏の雨ガラスとなりし葉のひかり

病葉

病葉や紅も詮無し黄泉の旅

＜この俳句の作句意図＞
秋の紅葉には、生を全うした清しさが有るが病葉は志半ばで散り行く口惜しさを感じてしまう、せめて散るときを見守ってやろうか・・・

梅雨の晴れ間

布団打つ音そちこちと梅雨晴間

＜この俳句の作句意図＞
昨日の八王子は気温３４．５度！梅雨の谷間の油照りか、今日も一日暑くなりそうだが、また明日は雨模様とか、参った参った。
写真は一ケ月前の蓮の浮葉です。

蜻蛉生まる

雲写し蜻蛉生まるる水場かな

＜この俳句の作句意図＞
里山に隣接した公園の池に蜻蛉が飛び始めた、湧水を集めた小さな池だが、時には小鳥の水場になり、時には蜻蛉たちのふるさとになっている。この辺りは水田が少ないので蜻蛉までめずらしい昆虫になってしまった。

梅雨茸

梅雨茸の思うはひとつ雨景色

＜この俳句の作句意図＞
林の下草の中に梅雨の茸が傘を広げている、天気予報によれば今日から暫らく晴れる日が続くそうだ、西日本では水不足が深刻との事、此方でも、茸にとってはつらい事かも知れない。

向日葵

ひまわりの高きを見つめ耀けり

＜この俳句の作句意図＞
ともに業務改革を遂行した仲間がコンサルとして独立するとの報あり、常に高みを目指す姿勢に、ヘリオスの馬車を追い続ける向日葵の姿を重ね合わせる。耀けるものを見つめ続けるものは自ずからも耀くものだと信ずる、是が非でも成功されんことを願ってやまない。

初茄子（はつなすび）

新参の農夫なりけり初茄子

＜この俳句の作句意図＞
ちっちゃな市民農園を借りて野菜作りを始めた、大根や胡瓜や茄子などを植え育てて３ヶ月、始めての収穫！私の作った茄子！
ハウツー本で仕入れた薀蓄を家人に話しながら、いっぱしの農夫気取りの私です。

白百合

白百合の花真っ直ぐと匂いたち

＜この俳句の作句意図＞
梅雨の晴れ間に白百合の花が咲き、良い匂いを漂はせている。イメージは可憐な花だが茎はしっかりと直立している。私、芯は強いんです！というが如くに、

夾竹桃の花

夾竹桃水遊びする子のほっぺ

＜子の俳句の作句意図＞
夏至となり、梅雨晴れの公園では、じゃぶじゃぶ池で裸の子供たちが大はしゃぎしている。水際の夾竹桃もピンク色の花を開き始めた。

十薬（どくだみ）の花

十薬の白さ広がるしじまかな

＜この俳句の作句意図＞
滴るような新緑の中でどくだみの花が咲いている、一つ一つの花も清楚な静けさを感じさせるが、群落を作るとすべての物音を飲み込んでしまうような静けさを感じさせる。