望むればもみずる木々や古都逍遥
のぞむれば もみずるきぎや ことせうえう
<一言>
所用で出かけた関西で、少しばかり都合のついた時間を利用して京都を散策。じりじりと焼けつくような暑さの中でも、庭園の木々はもう僅かに色づき始めている。噴き出す汗を拭いながらも、紅葉の京都に憧れを抱く私の為に情けをかけてくれたものか、それとも、じきに来る紅葉の季節の準備におさおさ怠りない、という事なのか・・・
・季語は、もみずる’で、秋’です。
暮れなずむ藤村生家木守柿
くれなずむ とうそんせいか きもりがき
<一言>
妻籠の藤村記念館を訪ねる。写真や数々の遺稿の中に、夜明け前の一節を見る。つい時間を過ごして表に出れば、すでに夕暮れの迫る庭先に古い柿の木、懐かしい文章に出会った後だけに枝先の木守柿がかなしい・・・
・季語は、木守柿’で、冬’です。
木守柿とは、収穫の後に一つ木に残しておく柿や柚子の実のことで、翌年の実生りへの祈りとか、小鳥たちのために残しておくとか言われているが、古来より自然との共生をなしてきた日本人の心の現れであろう・・・
小旅行の帰り道、何気なく立ち寄った甲州猿橋で芭蕉の句を見つけた。
「うき我を 寂しがらせよ かんこ鳥」
一人旅の芭蕉さん、郭公鳥の鳴き声はことさら寂しく聞こえたらしい。
今回の旅はいつもの高速道路をやめて一般道をのんびり走ってみたが、思わぬところに良いものが在る事を実感した。
これからは出来るだけのんびりした旅を心がけよう。
「うき我を 寂しがらせよ かんこ鳥」
一人旅の芭蕉さん、郭公鳥の鳴き声はことさら寂しく聞こえたらしい。
今回の旅はいつもの高速道路をやめて一般道をのんびり走ってみたが、思わぬところに良いものが在る事を実感した。
これからは出来るだけのんびりした旅を心がけよう。