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踏青_徒然日記

徒然なるままに日暮しキーボードに向かいてよしなしごとを...

上溝桜(うはみづざくら)

2006年04月30日 | 俳句
桜舞う古りしベンチや無言館

<この俳句の作句意図>
昨日、信州上田の無言館で季節外れの成人式があったと言う、集まった現代の若者が将来の夢や思いを文章にしたためたそうだ、毎年式場で暴れた等というニュースを見るたび止めてしまえ’などと思う成人式だが、こう云った式なら有意義だと思う・・・

「無言館」とは、学徒動員の画学生たちが、家族や恋人に思いを託して書き残した絵画を展示した美術館です。真剣な眼差しの自画像が語りかけてくる言葉には、涙が止まらなかったことを思い出します。TVでは、桜がちょうど見ごろのようでしたが八王子近郊ではすっかり葉桜となりました。やむなく上溝桜(うはみづざくら)に代役を願いました。

・季語は、桜’で、春’です。
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満天星躑躅

2006年04月29日 | 俳句
満天星や枯山水といふみどり

<この俳句の作句意図>
古寺の満天星躑躅(どうだんつつじ)が咲いた、作者など不明の小さな庭だが石を滝に見立て、植え込みで深山霊谷を現す所謂枯山水、比喩の極みか、名も知らぬ作庭師の美意識の高さと匠の技に感服・・・

・季語は、満天星(どうだん)’で、春’です。
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郁子(むべ)の花

2006年04月28日 | 俳句
しがらみに置く身の白き郁子の花

<この俳句の作句意図>
隣家の垣根に郁子の花が咲いた。飾り気の少ない目だたない花だ、
同属の通草は山野の代表的な味としてもてはやされるが、郁子の方はあまり知られてもいない、目にするのは生垣としてだけなので、むべなるかな’と言ったところか・・・

・季語は、郁子の花’で、春’です。
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蝶生まれる

2006年04月27日 | 俳句
水分(みくまり)におはす荒神(あらがみ)蝶生る

<この俳句の作句意図>
水分(みくまり)とは、山から流れ出る水が分かれるところのこと、その昔には同士の水争いで死者さえも出たという、今は木漏れ日を浴びた小さな祠の前で、生まれたての蝶が静かに翅を休めている・・・

・季語は、蝶生る’で、春’です。
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遅桜(おそざくら)

2006年04月26日 | 俳句
過ぎゆきしときの疎まし遅ざくら

<この俳句の作句意図>
他の木々が皆葉桜となり若葉を広げる中で、遅れて開花した桜が一朶、もう少し時がゆっくりと過ぎたなら、美しさを称えてくれる人も沢山居たかもしれないが・・・
この桜は、自分のペースで自分の花を咲かせているだけなのだろう。

・季語は、遅桜’で、春’です。
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竹の秋

2006年04月25日 | 俳句
竹の秋順に死するを幸として

<この俳句の作句意図>
万緑が蘇るころ、筍に養分を送った古い竹は、黄変して葉を散らすために歳時記では「竹の秋」という。子孫を残してから去ってゆく自然の摂理か、
昔、ある哲人が「幸福とは一体なんでしょうか」と、問われた時に、
「親が死に、子が死に、孫が死ぬ」と言ったとか、
問うた人は、人が死んで幸せなどと、何を云っているのかと思ったが、あるとき、戦で子供を亡くした人の嘆く姿を見て初めて理解できたと言う・・・

・季語は、竹の秋’で、春’です。
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青き麦

2006年04月24日 | 俳句
青麦の髄の甘さやおさげ髪

<この俳句の作句意図>
麦の穂が青々と波打つ季節となった。幼い時分、穂を折り取って噛むとほんのりと甘かった、あのころの幼馴染はどうしているだろうか・・・

・季語は、青麦’で、春’です。
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多奈の絮(わた)

2006年04月23日 | 俳句
次の世の夢にふくらみ多奈の絮(わた)

<この俳句の作句意図>
多奈’(田菜’とも書く)は、蒲公英(たんぽぽ)の和名です。

花の終えた蒲公英が高々と絮を掲げている。行き着く先がどんな環境になるのかは風任せではあるが、きっと優しい風の吹く野原を夢見ているのだろう。
とにもかくにも、精一杯咲いて種を旅立たせられれば、はなたかだか’も異論の無いところではある・・・

・季語は、多奈の絮’で、春’です。
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桑の花

2006年04月22日 | 俳句
桑解きて土の匂いのひろごりぬ

<この俳句の作句意図>
冬の間、霜の害を防ぐためと、耕しの邪魔に成らないように藁などで括っておいた桑を新芽が伸び出したので解いた、黒々とした春の土に新緑が映えて土の匂いが広がるようだ。
八王子は昔、養蚕が盛んで「桑都」などと云われたが、今では桑畑もほとんど姿を消してしまった・・・

・季語は、桑解く’で、春’です。
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苔竜胆

2006年04月21日 | 俳句
日照雨(そばへ)去る鎌倉古道苔竜胆

<この俳句の作句意図>
防風のような風が吹き荒れたあと、久しぶりの日が差し始めた。思い出したように降る日照雨が去り静けさを取り戻した鎌倉古道、苔むした石畳が続く足元には、小さな苔竜胆がひっそりと咲いている・・・

・季語は、苔竜胆’で、春’です。
 花の大きさは、周りの桜の花びらと比べてみてください。

鎌倉古道はこんな道

その昔、近隣の「関東武者」達が、いざ鎌倉”のそのときに馬で駆け抜けた道です。

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