踏青_徒然日記

徒然なるままに日暮しキーボードに向かいてよしなしごとを...

浮寝鳥

2006年11月10日 | 俳句
旅の果の日差しに酔うて浮寝鳥

<この俳句の作句意図>
公園の池に真鴨が姿を現した、シベリア辺りからの長旅を終えたところなのだろうゆっくりと水面に漂っているように見える。
水鳥は、水面に浮いたまま寝ると云うことから、浮寝鳥などと呼ばれるが危険な長旅を終えた今が一番ゆっくりしたいときなのだろう。
この温かな日差しが出来るだけ長く続いてやってほしいものだ・・・

・季語は、浮寝鳥(うきねどり)’で、冬’です。
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小春日

2006年11月09日 | 俳句
小春日や薄き煙の素焼窯

<この俳句の作句意図>
小春日とは、陰暦10月の別名で冬とはいえ春のような暖かさを感じると言うことらしい。庭の山茶花も薔薇を思わせるような柔かな花を開いた。
今月は陶芸クラブの窯焚きの当番の月だが、今回は素焼きのためあまり微妙な温度調整はいらないので、のんびり窯の火を見つめていればよい。
麗かな小春日和を楽しもう・・・

・季語は、小春日’で、冬’です。
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石蕗(つわぶき)の花

2006年11月08日 | 俳句
木漏れ日の立ち上がりきて石蕗の花

<この俳句の作句意図>
石蕗は菊科だそうで、蕗とは似ているがまったく別種のものらしい。野生のものは海岸線などに多いのだそうだが、普段目にするのは、庭や公園のあまり日当たりのよくないところと決まっているようだ。
頭上の木の葉が落ち始めて差し込んだ日差しから浮かび上がるように、金色に耀く花を咲かせる。まるで明るい日差しが跳ね返っているようにさえ思える・・・

・季語は、石蕗の花(つわのはな)’で、冬’です。
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立冬

2006年11月07日 | 俳句
味噌汁の掌に温かき今朝の冬

<この俳句の作句意図>
暦の上で今日はもう立冬、おりから日本列島上空には今年一番の寒気が入り込んできたとかで、
関東も今晩はかなり冷えるとのことだ。

〝こんな日は、あったかい味噌汁が旨いんだよね~” とは、千昌夫の唄だが、
寒くなるとつい温かなお椀を掌で囲ってしまうのもたしかだ、

写真は、飲み終えた味噌汁に替わって登場いただいた我が家の「ばっちゃん人形」です(笑)

・季語は、今朝の冬(=立冬の朝’の意)’で、冬’です。
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末枯(うらがれ)

2006年11月06日 | 俳句
絮散らしつくせし草や末枯るる

<この俳句の作句意図>
暦の上ではもう秋も終わると言うのに楓の紅葉はまだ先のようだ。これも地球の温暖化が影響しているのだろうか。ともあれ野原の草は、実を結び、絮(わた)を飛ばし終えて、役目を終えたと云わんばかりに身を秋風にゆだねている。
人が、先端の枯れ始めた草や木を見て、末枯れ’などと侘しがるのは、死ぬそのときまで、役目を終えた’などとは思えず、欲望を棄てきれない心の現われなのかも知れない・・・

・季語は、末枯るる’で、秋’です。
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薬師草

2006年11月05日 | 俳句
谷戸の辺に薬師草ゆれ秋惜しむ

<この俳句の作句意図>
薬師草は多摩丘陵のどこでも見られるキク科の多年草で、茎や葉を切ると苦い白乳液が出る、昔は腫れ物などの治療薬として使われたらしい。
名前の由来としては、薬の効力があるからとか、根性葉の形が薬師如来の光背に似ているからとか、薬師堂の近くに咲いていたからとか、諸説があると言う。
いずれにしても、秋の終わりを告げる可憐な野の花の一つである。

・季語は、秋惜しむ’で、秋’です。
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十三夜

2006年11月04日 | 俳句
うす闇に浮かぶ端山や後の月

<この俳句の作句意図>
昨夜は十三夜。陰暦九月十三日の月のことで、名月に対して、後の月(のちのつき)ともいう。関東では十五夜より晴れる日が多いのだというが、この頃になると、もうどこと無く寒く、辺りの風景ももの寂しくなり、名月を賞する心持とはおのずから違ってしまう。
写真は雲間に見え隠れする昨夜の月、ちょっと楕円なのは、私の震える心が・・・

・季語は、後の月(のちのつき)’で、秋’です。
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蔦紅葉

2006年11月03日 | 俳句
十重二十重やぐらを巻きて蔦紅葉

<この俳句の作句意図>
八王子近郊には戦国時代の山城の跡が散在する。その昔、十重二十重(とえはたえ)に囲んだ敵兵の鬨の声を聞いたであろう櫓の跡を、今は、見事に紅葉した蔦が静かに覆っているのみ・・・

・季語は、蔦紅葉’で、秋’です。
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十日の菊

2006年11月02日 | 俳句
ようやくに咲きて十日の菊となり

<この俳句の作句意図>
垣根沿いの小菊がようやく見事な花を咲かせた。歳時記では、陰暦九月九日を「菊の節句」と言うために、それ以降の菊を「十日の菊(時期はずれで役に立たないことの喩え)」と呼ぶ。
一所懸命に咲いた花には可哀そうな気もするが、これも侘しさや淋しささえも愛でる日本人の心から来たものであろう・・・

・季語は、十日の菊’で、秋’です。
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牛膝(ゐのこづち)

2006年11月01日 | 俳句
人を離れ人を恋ゐて牛膝

<この俳句の作句意図>
秋も深まり始めた野の道に一株の牛膝、子供のころはズボンの裾にこの実をたくさんくっつけたまま走り回って遊んだものだ。
踏まれ、折られても人や動物に付いて運んでもらうのがこの草のよすが、
会社人間を棄てたと云いながら、OB会の酒の旨さを一晩経っても忘れていない自分を重ねてしまう・・・

・季語は、牛膝(ゐのこづち)’で、秋’です。
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