君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

真城灯火の小説ブログです。
二次小説とオリジナル小説の置き場となっています。
同人に傾いているので入室注意★

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☆入室ありがとうございます☆ PN:真城灯火です。 『小説家になろう』で書いています。「なろう」で書いている小説も転載させていますが、ここはアニメ「地球へ…」の二次小説置き場です。本編の『君がいる幸せ』は終了しています。今は続編の『限りある永遠』を連載中です☆まずは、カテゴリーの「はじめに」と「目次」「年表」で(設定やR指定について等…)ご確認の上、お進み下さい。 ブログタイトルですが、これの「君」は自分自身、心の事で、「僕」は自分の身体の事です。 自分の心がそうであるなら、自分はそれに従う覚悟を意味しています。 だから、ジョミーや誰かが一方的に誰かに…って意味ではありません。(小説停滞中) 2021年に、他にあるブログを統合させたので、日常の駄文とゲームの話が混ざった状態になっています。

『君がいる幸せ』 三章「星の祈り」二話(Chiron/過去編)※流血含む

2011-09-17 02:37:28 | 『君がいる幸せ』(本編)三章「星の祈り」
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です
 <用語>
木星軌道上の衛星都市メティスのビルレスト 二人が住む建物
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)
惑星メサイア ミュウが向かった新しい移住惑星
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む都市

  『君がいる幸せ』

  三章「星の祈り」

  二話(Chiron)惑星キロン過去編 ※この章は流血も腐もあります。ご注意を!

 収容所から少し離れた場所にフレッチアを隠すと二人は慎重に収容所に向かった。
 収容所は異様なほどの静けさだった。
 監視兵も居ない。
 リオは銃を構え進んでゆく。
 いつもならうるさいくらいの食堂も誰もいなかった。
(もうどこかに移動してしまったのでしょうか?)
 リオが話しかけてきた。
 ジョミーは中をサーチして視る。
「……。人の気配はある。だけど、何か変だ…遊戯室か講堂に行ってみよう」
 遊戯室に着いた。そこまでも人影は無かった。
 ドアの左右に分かれて立ちリオの合図でドアを開けると、そこは、血の海だった。
「…こ…これは」
 僕は息を呑む光景に動けなくなってしまった。
 リオは倒れている人に近づき首に手をあて生死の確認をしている。
 しばらくしてこう言った。
(ジョミー、ここにドールはいません)
 目を背けてしまっている僕は振り返る事が出来なかった…。
「リオ、これは、どういう事?」とだけ聞いた。
(ここに居た人たちは一箇所に集められて四方から撃たれたようですね。逃げる間すら与えられていない)
 リオのそんな残酷だが適切な答えが返ってくる。
 嫌な予感が二人を包む。
「いったい何があったんだ…奥に進もう…。まだ生きている人がいるかも…しれない」
 僕はそれだけ言うのが精一杯だった…。
 講堂に向かう前に各部屋を見たが、荷物も何もかもがそのまま残っていた。
「閉鎖をすると知らせずに、殺す事にしたのか?」
(政府に知られる事を恐れたのでしょうね)とリオが答える。
「リオ。それは、あんまりじゃないか?何もしていないのに捕まえて、邪魔になったから殺すのか?」
 そう言う僕を見るリオの眼に悲しみが浮かんだ。
 そうだ、それは…。
 僕は現実として、わかっていなかった…。
 今ここで起きている事は、今どこかでミュウと判断された人が同じ事をされているのかもしれないかった。
「…先に進もう…」
 リオが無言でうなずいた。
 もし、まだ生きている人がいたら長老たちがどんなに反対しても絶対に連れて行くと決心して僕は歩きだした。

 講堂が近くなると人の気配があった。
 叫ぶ声だ。
 僕は走り出し講堂に飛び込んだ。
 そこでは隅に集められた人に容赦なく銃が向けられ殺されていた。
 武装した兵士や看守が銃を持ち人々を殺している。
「やめろー!」
 人々と兵士たちの間に走りこみ。すぐさまシールドを広範囲に展開させる。
「何者だ」
 答える義理はない。
「お前達こそ何だ!なぜこんな事をする?」
 その質問にも答えはない。
 僕を見た一人の兵士が「タイプブルー?」と言った。
 兵士がざわつきだした。
「Mか!?」
 さすがにミュウの収容所だけあってそういう知識はあるらしい。
 シールドを人々の回りに保持したまま、前に進むと目の前にいた兵士が至近距離で叫びながら銃を撃ってきた。
 シールドを自分の周りに作って防ぐが安定せず肩をかすめた。
「……!」
(ジョミー!)
 撃たれた僕を見て、僕の方に走って来るリオに銃が向けられた。
 銃を構えているリオに兵士たちは躊躇うことなく撃った。
「リオ!」
 僕はリオに向かって走り、二人を包むようにシールドを作るが、さっきと同じように弾を全部止めるまでいかず何発かくらってしまった。
 リオも肩と足を撃たれてうずくまっていた。
 弾の威力は力で抑えたので二人ともかすった程度だが痛みで人間たちの方のシールドが弱くなった。
「どうして…?」
 僕はかろうじて立っている状態だった。
 苦痛と吐き気が襲ってきていた。 
 兵士と看守はだいたい五十人はいる。
 生きている人はそれよりずっと少ないだろう…。
 死体の山が何個もある。肩で息をしながら辺りを見回している僕を兵士がじりじりと距離をつめてくる。
 捕獲する気だ…。

 そんな時、僕が収容所の人間を助けようとしているのを感じた。指揮官らしきの者が合図をした。
 人間たちが殺されてゆく。
 もう限界だった。
 怒りが止まらない。
「このやろう!」
 叫ぶと同時に指揮官の眼前に跳び、力の限り吹っ飛ばす。
 彼は講堂の壁まで飛ばされ動かなくなった。多分即死だ。
 僕は再び人々とリオにシールドを張り兵士達に向き直る。

「ミュウめ!」と銃が火を吹く。
「この人殺し!」青い光が力を増した。


 この先はあまり覚えていない。
 青く長い剣を作って近くに居た兵士を横なぎにしたのは覚えているが、その先があいまいだった。



  続く