きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

もっと一緒に

2009-04-19 | 父の記録と母の思い出
父の面会に行った。

駅から直通で専用バスが通ってる。
やけに若い人が乗り込むなぁと思っていたら、看護婦さんらしい。

ゆらりゆられて30分ほど。

久しぶりだなぁ、この道。。。
去年、こんな所まで運転してたんだっけ。
午後はめっきり道が混んでいたから、朝イチの時だけど。

また運転したいなぁ。

kekeは免許を取らない!と言う。
気持は分かる。
運転は怖いし、車を持たなきゃってステータスも必要性も我が家にはない。

私もずっとずうっとそう思ってたけど、初めて車でなければ出れない所に出た日の感動が今でも忘れられないのだよ。
あれはなかなか良いものだ。。。


父は最初私を見ても「?」と言うようだった。
名前は出てこなかった。
(妹が着替えを持って行って看護婦さんに訊かれても名前が出ないそうなので、不思議なことではない。)

「sakeだよ」と言うと「分かってるよ。」と言う。
(目が見えなくて分からなかったのかな)

父は「眠い」ばかりを繰り返す。
あとは「退屈だ」と。

周りを見渡すと、一点を見つめてただ座っているおばあさんとか、机で寝てる人、うろうろ歩き回ってるおじいさん、あーとかうーとかうめき声を上げている人、などなど。。。
自分では食事が取れず、看護婦さんに食べさせてもらっているおばあさん。食べさせようとしても、頑なに口をつぐんで拒否するおばあさん。
(女の人の方が頑固なので大変そうである。家族もこれでは看られまい。)

いやいやいや・・・・お仕事とは言え、大変なことだ。

父は話題がない。
TVもついているが、見えないのかもしれない。
昔のように次から次へ話しかけてくることもない。

「keke、大学行ってるんだよ。」
「ほぉ。どこに行っているんだ?」

その時だけは、メチャクチャうれしそうだった。

婦長さんはとてもよい方で、目の悪い父のために色のついたお皿を今注文している所だと言う。
何か気がついたことがあったら、気軽に相談してください、と言っていた。

帰りのバスで、運転手のおじさんと話をした。
前に介護の仕事を10年していたそうだ。今はバスの運転手。
自分の母もショートステイをここで利用していると言う。

「何歳になられたんですか?」
「98だよ。でも幸い認知症はまだ出てないんだけどね。」
「お元気なんですね。」
「遠くから来る人も多いんだよ。」
「施設が足りないんでしょうか。」
「そうじゃなくて、本当はいけないのだけど縛っちゃう所もあるんだよ。ここはそれは絶対ないから。院長の方針でね。」

またおいでよ、来るのが一番の薬だから、と言われてバスを降りた。


「今、どこに居る(住んでる)んだ?今度遊びに行くよ。」
父の言葉が心に残る。



もっと一緒に歌いに行けばよかった。


2 コメント

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はじめまして (ゆめ)
2009-04-19 20:01:38
自分の両親が老いて行くのは切ないですね
読んでいて涙が出てきました
きっと皆同じ思いだと思います
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>ゆめさん (sake)
2009-04-19 21:11:05
振り返ってもしょうがないと思うけれど、考えてしまいますね。
今まで後悔したことは何もなかったはずなのに。。

そう書くまいと思っても、涙が出てしまいます。実は私も。。
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