きっと、いいことあるよね!

母(sake)と息子(keke)の日々の記録。
お出かけ写真と料理など。

父が居なくなる

2008-09-05 | 父の記録と母の思い出
今日は朝、妹から電話があった。
台所の窓と雨戸が開いたまま父がどこにも居ないと言う。
おそらくズボンも履かず下は下着のまま。
父の靴はあるので、ハダシかもしれないと言う。

つまり世に言う徘徊である。
いよいよ来る時が来たか。

妹は110番した方がいいのだろうかと言うので、もよりの警察署の電話番号を教えた。
(車の運転でいつ事故るか分からないから、警察署の番号を携帯に登録してあったのだ)
その後、近所をグルグル自転車で回ったが、それらしき姿はどこにもなかった。

それから2時間近くしてから、妹からメールが来た。
父は定期的に通院している病院で発見された。
しかし謎なのが、どうやってそこまで行ったかだ。
家から5~6キロはある場所だ。

白内障で信号もろくに見えず、もちろん道など分かるはずもない。
私でさえ、1時間近く掛かる距離だ。
父ならもっとはるかに掛かるはず。。。
よくそこまでたどり着いたものだ。
(ちなみに履物は妹の新しい白い靴を履いていたらしい)

sake「見るに見かねて誰かが車で(心療科に)送ってくれたのかしら?」
妹 「(亡くなった母が)誘導してくれたのかも・・・」

でも、無事でよかった。


そんな父であるが、家に帰ってから何も変わらず普段のようにのほほんとしているらしい。

夜、仕事終えて実家に行った。

「もう怒りもしないけど、何でもなかった顔してるんだよね。ンモーって感じよ。」
「はぁ・・・しょうがないよね。」

妹の話によると、最近は飲み薬も飲まずに噛むようになって、姪がそれを注意すると逆切れするそうだ。それから夕飯前に部屋で寝に行ってしまうので「おじいちゃん、もうすぐご飯だから行かないで」と姪が注意すると、それも逆切れするそうだ。薬も飲まない時があり、これも注意すると「もう飲まなくてもいいの!」と突っ返されると言う。

「まだこれが素直な年寄りならこっちも気持違うんだけどね~。」と妹と姪は並んであーあ、と言うポーズをとった。

「でも、ミー達が居るからいいの。これ、ワンツーマンだったら気がおかしくなるよ、ありがとね、ミーちゃん。」
と妹は言った。

それにしても謎なのが、あれだけ目の悪い父がよく玄関から妹のオニューの靴を台所の窓まで持って行って、履いて外まで出たのか?と言うことだ。
sake「見えたってことは、明るくなってから外に出たってことなんだろうよね。」
妹 「そうだよね。白い靴だからそれだけが光って見えたのかも。」
sake「じいちゃんはほら、カラオケ飲み屋にこっそり行く時も、行ってない風にスリッパは寝室に置きっぱなしにしてたじゃない?」

たぶん、そう言う面では想像以上に知能が働くのだ。
現役時代もそうやって人の目をうかがいながら、コソコソ行動していたのだろう。その習性がその部分だけが未だに現役で残っているのかもしれない・・・。(この時、どっかの誰かを軽く思い出した。)

やがてミーちゃんが「カーテンを安全ピンで留めておくのはどう?」と言った。
カーテンが開かなければあきらめるかもしれないし、暗ければ外に出るのも諦めるかもと言う。
「たしかに。それは試してみる価値あるかも。思いつかなかった。」と妹は言った。


この後習い事があると言うので、妹が姪達を送る間、父の監視?で実家にとどまる事になった。
ちなみにやはり徘徊は110番で良いそうだ。
でも、年中そんな事をして平気でいるほど妹も神経は太くないだろう。
よそ様は一体どうしているのだろうか。