そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

鉄道員(ぽっぽや)

2008年01月06日 | 人間/社会派ドラマ

1999年 日本 112分
■2008.1.1 DVD
■監督  降旗康男
■出演
   高倉健(佐藤乙松)
   大竹しのぶ(佐藤静枝)
   広末涼子(佐藤雪子)
   吉岡秀隆(杉浦秀男)
   安藤政信(吉岡敏行)
   志村けん(吉岡肇)
   奈良岡朋子(加藤ムネ)
   田中好子(杉浦明子)
   小林稔侍(杉浦仙次)

 《story》

「ありがとう-。この想い、届くだろうか」
「雪の夜、優しい奇蹟が舞い降りる」
「一人娘を亡くした日も、愛する妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた・・・」


北海道のローカル線、幌舞線の終着駅、幌舞は、雪に埋もれていた。乗り降りする人がおらず、廃止を待つだけの寂れた駅だった。ただ一人の駅員である駅長乙松は、あと少しで定年だった。同僚の仙次と新年の酒を酌み交わしていた。蒸気機関車の運転手としてスタートし、炭坑で栄えたこの幌舞駅の駅長として45年間を思い出していた。その間、最愛の娘と妻を亡くした。根っからのぽっぽ屋である乙松は、そんなときも駅のホームに立っていた。仙次と飲んだ日、ホームに人形を抱いた女の子が現れた。女の子は、駅に人形を忘れていき、夜中近く、お姉さんが人形を取りにやってきた。乙松さんと戯れたあと、また人形を置いていなくなった。翌日、17才の女の子が、人形を取りにきた。彼女は、乙松が汽車を迎えている間に、鍋の用意して彼をもてなした。都会からやってきた三姉妹だと思っていた乙松だったが、帰省先と思われた寺からの電話で、そうではないことがわかった。その女の子は、17年前になくなった雪子だったのだ。乙松に、成長していく姿を見せたのだった。その次の日、ホームの雪の中に埋もれた乙松の姿があった。

 自分を責めないで
彼女はそう言いたかったのかもしれない。死に目に会うことができなかった負い目が乙松の心にあった。鉄道を愛し、責任をもって仕事に徹した父のことを、わかっているよと優しく包んでいた。死んでからではなく、死ぬ前にそれを伝えたかったのだろう。仕事も家族愛した彼は幸せだったと思う。高倉健が演じる役って、ぶっきらぼうでそっけない態度でありながら、心の中にはいっぱいやさしさと暖かさがこめられている。そして、だれもがそれを見抜いている。上っ面だけの真面目さや、やさしさではない。心の底からにじみ出てくるから、だれもが彼を好きになる。仕方ないんだ、なんて言い訳しない。その選択に悔いはないけど、もう片方の道を進まなかった自分への責めがある。それをそのまま背負っていかないで・・と幼くして死んだ娘が現れたのだ。自分を責める者には、責めないでほしいと願う。自分を責めないで人を責める者は、ただ突き放される寂しい人生の末路が待っている。

十五才 学校IV

2008年01月06日 | 人間/社会派ドラマ


2000年 日本 120分
■2007.12.31 DVD
■監督 山田洋次
■出演
   金井勇太(川島大介-中学三年生)
   麻実れい
    (長距離トラックのドライバー-大庭すみれ)
   赤井英和(大型トラックの運転手-佐々木康)
   秋野暢子(母・彩子)  
   笹野高史(小型トラックの運転手の児玉)
   梅垣義明(同乗者・宮本)
   大沢龍太郎(息子・登)  小林稔侍(父・秀雄)
   丹波哲郎(ひとり暮らしの老人・畑鉄男)

 《story》

「十五の頃、あなたの「学校」は、どこにありましたか。 」

横浜郊外に住む、不登校中学三年の大介。学校の大介の机には金魚鉢が置かれていた。ある日、屋久島の縄文杉を目指して家を出た。ヒッチハイクの旅である。トラックに拾われ大阪に。そして女性ドライバーの家では引きこもりの息子がいた。屋久島では、真知子に連れられ縄文杉を見ることができた。島では、一晩泊めてもらった老人の介護をすることに。さまざまな人と出会い、成長して帰った大介は、父とも和解し、学校に向かう。

 DVDを捜していたんです
古い映画のDVDはなかなか発売されない。ついこの間までVHSが主流だったのだから。久しぶりに行ったレンタルビデオ店で、VHSとDVDが入れ替わっていることがわかった。しかも旧作1枚100円。もうwowowはやめてもいいかなと思った。月に見る本数はどうやっても10本前後。レンタル店で好きな映画を見る方が得。wowowの料金よりも安くすむ。
この映画の主人公は吉岡秀隆だと思っていた。ずっと思いこんでいた。でも、ちがった。「夕凪の街」に出ていた凪生だった。また、この「思いこみ」に悩まされる1年になりそうだ。いい映画だと思う。現場の不登校の実態とはかけ離れているけどね。家を飛び出せる力があるなら大丈夫。良い傾向に向かっているということだ。あんな実行力があるんだから、自力で立ち直れる。彼は、自分を見失っていただけだ。
自分を成長させてくれる場は、あの学校だけではないよ。世の中の人々との出会いそのものが学校なんだよ。そう言いたいのだと思う。でも、今はそう言えない。世の中は、もっと人をだめにする。とことんまで人をどん底に落としていく。そして捨てられる。あんないい人ばかりじゃない。今の自分が世の中を信じていないから、そう思うのかもしれない。


マリと子犬の物語

2008年01月06日 | 人間/社会派ドラマ


2007年 日本 124分
2007.12.31 TOHOシネマズ緑井 with h,t
■監督 猪股隆一
■出演
   船越英一郎(石川優一=父)  
   松本明子(長谷川冴子=叔母)
   広田亮平(石川亮太)  佐々木麻緒(石川彩)
   高嶋政伸(安田啓一=自衛隊)  
   小林麻央(関根博美=亮太の先生)
   小野武彦(児島忠志=市長)  
   宇津井健(石川優造=祖父)

 《story》

「守りたい。ただ、それだけだった。」

亮太と彩は、子犬を見つける。母を亡くした兄妹にとっては、その子犬が不憫でならなかった。父は犬嫌いだったが、祖父の妙案で、飼うことを許される。マリと名付けられた犬は大きくなり、子犬を3匹授かる。そして、2004年10月23日午後5時56分、新潟県山古志村で大きな地震が起こった。新潟県中越地震である。祖父と彩は家の下敷きになる。マリは必死に助けようとする。不明者の捜索に来ていた自衛隊を呼び、二人を助けることができた。二人はヘリコプターで救助されたが、マリと子犬たちは置き去りにされた。亮太と彩は、マリたちが心配で、歩いて山越えをしようとするが、うまくいかなかった。それから、数週間、一時帰宅が許され、山古志村に着いた兄妹は、マリの名を呼ぶ。

 ずっと涙があふて
わかっていても涙があふれる。予告を見ていたときからそうだった。彩が「マリー」と叫ぶシーンは、これだけでこみ上げてくるものがあった。次はどうなるか、予測できて、そのとき涙が出るぞとわかっていても、そうなってしまう。マリたちが一途なだけに、余計に心に響く。きっとこの村には多くの動物たちが残されたことだろう。犬だけでなく、ネコも牛も馬も・・・小さなペットたちも・・・。マリたちが不憫なわけじゃない。マリは人を助けたのに、置き去りにされたことがつらいのだ。
犬と言えば、うちの団地は犬の糞だらけ。500匹いるとして、そのうち2匹が毎日どこかに糞をしただけで、あっちこっちに糞が残る。1日で消えてなくなるわけじゃないからね。4~5mの植え込みごとに糞がある。犬が悪いのではない。人間だ。たった1~2人の悪い人間のために、犬を飼う人全てがそう思われる。人の家の前におしっこをさせる人もいる。きっと、そういうことをさせない飼い主なのだと思う。そういう飼い主だから慕われるのだろう。

 公式サイト「マリと子犬の物語」