そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

たそがれ清兵衛

2008年01月07日 | 人間/社会派ドラマ

2002年 日本 129分
■2008.1.2 DVD
■監督 山田洋次
■出演 
   真田広之(井口清兵衛)  宮沢りえ(飯沼朋江)
   小林稔侍(久坂長兵衛)  大杉漣(甲田豊太郎)
   吹越満(飯沼倫之丞)

 《story》

「ただ、愛する人のために」

幕末の庄内、海坂藩、井口清兵衛は御蔵役50石の平侍である。妻を病気で亡くし、娘二人を育てていた。妻の治療代、葬儀代など出費がかさみ、さらにぼけた祖母を養い、生活は苦しかった。定刻になると、同僚の誘いも断り家路を急いだ。そのためか、「たそがれ」と呼ばれるようになった。清兵衛が帰宅すると、親友の妹が来ていた。家の中が一変に華やいだ。朋江を自宅に送ったとき、離縁した元の夫が酔って押し掛けていた。なりゆきから、代理の果たし合いをすることになり、見事うち破った。その話を聞いた家老から、藩主の跡継ぎに反対した余吾右衛門討てと藩命が下る。清兵衛は朋江に準備を頼み、自分の胸の内を開ける。しかし、朋江はすでに縁談が決まっていたのだった。余吾右衛門討を討ったのち、家に帰ると朋江が清兵衛の帰りを待っていた。

 小さくて大きな幸せ
大金持ちになりたいとか、出世したいとか、そんなことを考えない欲のない人間は、心の中が幸せだと思う。お金がほしいと思ったら、いくらあっても満足できないし、出世すればするほど、自分の心が醜くなったり、人付き合いが難しくて、生きている大地が見えなくなってしまう。可愛い娘たちと、畑を耕し、慎ましく生きられたら、それが幸せなんだ。それだけあればいい。いつの世も同じこと。でも、私はお金がほしいと思うし、さまざまな力がほしいと思ってしまう。本当は、そばにいる人と楽しく会話できて、笑い合えたら何よりの幸せだ。一番ほしいものだ。たぶん、すべてを投げ打ってもほしいもの。そう簡単には手に入らないもの。私からは、どんなに清兵衛が幸せ者に見えることか。その幸せを守るために命を懸けないといけない世の中がおかしい。もし、清兵衛が命を落としたら、娘たちはどうなっていっただろうか。命のやりとりが平気で行われる時代には、ささやかな幸せもいとも簡単に壊されてしまう。これらの話に出てくる主人公は、いつも剣の達人だから、ラストはハッピーエンド。

 公式サイ「たそがれ清兵衛」