そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

2008年01月26日 | ホラー

2006年 日本 104分
■2008.1.20 DVD
■監督 黒沢清
■出演
   役所広司 (吉岡登)  小西真奈美 (仁村春江)
   葉月里緒菜 (赤い服の女)  伊原剛志 (宮地徹)
   オダギリジョー (精神科医=高木)
   加瀬亮 (作業船の船員)

 《story》

「“忘れ去られた過去”の恐怖」
「連続殺人事件発生、容疑者は刑事。
                                  『俺、何やった・・・?』


埋め立て地で、赤い服を着た女性が、海水の水たまりに顔をつけたまま殺されていた。刑事の吉岡は、現場で見覚えのあるボタンを見つける。それは、自分の部屋にある服のボタンと同じだった。それから、赤い服を着た幽霊を見るようになる。そして自分が犯人ではないかと疑うようになる。そんな彼を冷ややかな目で見つめる春江。細い叫び声をあげる赤い服の女。続けて、海水を飲んで殺される事件が起きた。彼の脳裏によみがえる青年時代に見た光景。これまでの殺人事件に関係した人々は、船でこの光景を見ていた。そして、向こうからも見ていた人影があった。「あなただけは許します」赤い服の女の言葉の意味は、彼の奥の部屋に横たわる春江のミイラ化した遺体にあった。

聞いて欲しかった叫び
苦しいときの声は誰かに聞いてほしいもの。あの建物から見えた船の中の人々。助けを求めたのだろう。でも、船の中の人々は何も知らなかった。理不尽なものだ。恨みは、自分を殺した人やそれに関わった人々に向けられるべきだ。死んだ方が超人になれるのも如何なものか。聞いて欲しい声、届かぬ声、それが叫びとなって発せられる。それはよくわかる。助けを無視したり、見て見ぬふりをしたなら恨むがいい。知らなかったり、気づかれなかったなら、仕方ないことだと思う。そう自分に言い聞かせよう。かわいそうなのは春江。無表情な人だなと思っていたら、実は殺されていたんだ。きっと彼を愛していたんだと思うけど、もう笑顔にはなれない。気づいてほしかったのだろう。自分はもう死んでいるんだって、愛するあなたに殺されたのよって。ある意味、それが復讐だとも言えるかもしれない。笑顔がないことが、彼女の叫びかもしれない。

 公式サイト「叫」

Sad Movie <サッド・ムービー>

2008年01月26日 | 人間/社会派ドラマ

2005分 韓国 105分
■原題「SAD MOVIE」
■2008.1.19 wowow
■監督 クォン・ジョングァン
■出演
   チョン・ウソン(ジヌ=消防士)
   イム・スジョン(スジョン)
   チャ・テヒョン(ハソク=別れさせ屋)
   ヨム・ジョンア(ジュヨン)
   シン・ミナ(スウン=聾唖者)
   イ・ギウ(サンギュ)
   ソン・テヨン(スッキョン=母)
   ヨ・ジング(フィチャン=息子)

 《story》

「愛はどうして 終わる瞬間に 一番輝くんだろう」
「涙のあとに残ったのは、永遠の愛」


・消防士のジヌは、人命救助に果敢に挑む。心配しながらそんな彼を見守るアナウンサーのスジョン。番組放送中に火事現場から消防士の事故ニュースが飛び込んできた。
・定職につけずふらふらしているハソク。恋人から別れ話を持ち出されたものの、彼女の気持ちを取り戻そうと、仕事探しをする。ひらめいたアイデアが「別れさせ屋」順調に仕事の依頼がきた。しかし、ある日、彼に仕事を依頼したのは・・・
・耳が聞こえないスジョンの妹スウンは、遊園地の着ぐるみのアルバイトをしていた。そこに毎日やってくる絵描き青年に恋し、青年も着ぐるみの彼女に関心を抱く。青年が留学することが決まり、スウンは着ぐるみを脱ぎ、彼の前に立つ。
・忙しい母と息子のフィチャンはいつもすれ違い。ある日、その母が倒れた。フィチャンにとっては、毎日母と一緒にいられるのでうれしい。しかし、母の病気は・・・

 後がないから美しく見えるだけ
別れは美しいものではない。美しく見せようとしているけど、その裏側には、涙しか見えない。後悔と苦しみしかない。あのときもっと引き留めていれば・・あのときもっと自分の気持ちを伝えていれば・・・あのときもっと自分がしっかりしていれば・・・あのときもっと素直になっていれば・・・別れの先にあるものは後悔と苦しみ。美しい愛の思い出なんかあるわけがない。美しく見えるのは、別れたあとのその先が見えないから。だれだって別れたくて人を愛しているんじゃない。その愛が伝わるように、ずっとずっと続くことを願って、人を愛そうとしているんだ。先に別れがある愛なんて踏み出したくはない。ジヌは生還してほしかった。ハソクは彼女の心にもっと向き合って、自分を変えて、彼女の心を引き戻してほしかった。青年はもっとスウンの心をつかんでほしかった。母親には助かってほしかった。悲しみで終わる映画はあまり好きではない。

 公式サイト「Sad Movie <サッド・ムービー>」