そよかぜから-映画

見てきた映画の記録です
ネタばれあるかも、気をつけて

天国は待ってくれる

2008年01月14日 | ラブロマンス/青春

2007年 日本 105分
■2008.1.12 wowow
■監督 土岐善將
■出演
   井ノ原快彦(宏樹)  岡本綾(薫)
   清木場俊介(武志)  石黒賢(医師)
   戸田恵梨香(武志の妹)  蟹江敬三(叔父)
   いしだあゆみ(薫の母)

 《story》

「宏樹、オレ あとどれくらい生きられる?」
「人を思いやる気持ちに溢れる涙が止まらない」
「“聖なる三角形”は“永遠の三角形”」


転校してきた宏樹、武志と薫と三人は、親が幼なじみだったということもあって、いつもいっしょで仲良しだった。将来の夢を語り、永遠の友情を誓い合った。大人になった今も、お互いのことを考えあえる大切な仲間だった。ある日、武志は宏樹の了解を得て薫にプロポーズする。そして、薫の両親が経営する喫茶店でささやかな祝賀パーティーに武志が来るのをみんな待っていた。しかし、武志は自動車事故で病院に運び込まれる。植物人間となり、眠り続けた。そして3年、まわりの声を受けて、宏樹は薫にプロポーズする。そのとき、武志が目をさました。リハビリに励み、順調に回復に向かっていたが、再び倒れる。そしてあと1ヶ月の命だと言われる。武志は、宏樹に薫を幸せにしてやってほしいと、結婚式を行わせる。そのとき、武志は眠るように息を引き取る。

 三角関係って、危ない関係だ
子どものころはいいよ。でも、大人になると、だれかが我慢せざるを得なくなる。好きでずっと付き合ってるんだから、適齢期になると結婚したくなるよ。友達のまま、なんてあり得ない。どちらかが結婚すれば、残った方はつらくなる。それでも付き合っていければいいけど。みんなバラバラに、それぞれの相手を見つけて結婚できれば最高かも。みんなお互い好きだけど、男女の関係じゃなく、本当に人として親友としてずっと付き合っていければ、永遠の友達でいられるんだけどね。
こんなこと言ったらいけないのかもしれないけど、武志が病気で死んだから、宏樹と薫は幸せになれたと言えるのじゃないかな。もし、事故がなくて、武志と薫が結婚し、宏樹はずっと心の奥に気持ちをしまいこみ、武志たちと付き合っていけるだろうか。
天国は何を待ってくれたのだろう。残された宏樹と薫が気持ちよく結婚できるように、武志を戻して伝えさせたということなのか。生きている人間が心の整理ができるように。

 公式サイト「天国は待ってくれる」

砂の器

2008年01月14日 | サスペンス/ミステリー


1974年 日本 143分
■2008.1.12 DVD
■監督 野村芳太郎
■出演
   丹波哲郎(今西栄太郎)  加藤剛(和賀英良)
   森田健作(吉村弘)  島田陽子(高木理恵子)
   山口果林(田所佐知子)  加藤嘉(本浦千代吉)
   春日和秀(本浦秀夫)

 《story》

「日本映画史上かつてない感動と、
      鮮烈な映像を叩きつける超大作!」
「美しくも哀しい人間の『宿命』」

国鉄蒲田操車場構内で、他殺体が見つかる。被害者は60才前後の初老の男。それ以外、身元がわからなかった。この男性と若い男性が、直前に近くのバーで、東北弁なまりで話ているところが目撃されていた。そして、会話の中に東北弁で「カメダ」という言葉があったという。「亀田」姓で捜査したが手がかりはなく、地名の「亀田」がある秋田県に、今西刑事と吉村刑事が飛ぶ。しかし、そこでも手がかりはなく、帰りの列車の中で公演帰りの音楽家の和賀英良と出会い、印象を強くする。捜査本部解散となったが、吉村は「紙吹雪の女」という新聞記事が気になった。それは紙ではなく返り血を浴びた布でないかと。そこで、その女を捜し、銀座のクラブを訪ねる。そこにあの音楽家の和賀英良も現れたのだった。彼は、「宿命」という大作を手がけていた。被害者の身元が判明した。捜索願を出していた息子が確認した。被害者の三木は島根の亀嵩で巡査を20年間していた。彼は、どこで調べても非の打ち所のない好人物で、彼を恨んでいる人物はあがらなかった。彼の旅行の行程で、東京に来る前に映画館に2回通っていた。その映画館に飾られていた写真に、和賀英良が写っていた。今西は、和賀英良の過去を洗い始める。石川県から病気の父と息子二人で旅して、島根県の亀嵩で三木と接触している事実をつかむ。その息子こそ、和賀英良だった。この親子は過酷な旅を続けていて、行き倒れ同然でこの村にたどり着いた。今まで差別迫害を受け、人間を信じられなくなっていたが、三木のあたたかな呼びかけに応えたのだった。一方、吉村が発見した布に付着した血痕も被害者のものと断定。迷宮入りかと思われた事件は解決に向かう。

 世話になった人につばをはかなければならない悲劇
唯一彼らにやさしく接してくれた人物を殺さなければならない悲劇。いや、殺してしまう悲劇。今まで自分たちを苦しめてきた差別してきた人間たちならわかる。でも三木は彼らを人間として扱い、彼を自分の子として育てる決心までしていたのに。もしあのまま三木の養子となって育っていたら、もっと人生が変わったかもしれない。
人間の性なのだろうか。自分を迫害するものからは遠ざかり、自分に優しくしてくれるものにはとことんむしゃぶりつく。そんな人間模様をいくつも見てきた。それだけ大きな深い苦しみの中に埋もれ、ワラをもつかむ心境なんだろうか。それなら援助の手をさしのべない方がいいことになってしまう。引き込まれてしまうだけ。彼は、どうして三木を殺してしまったのだろうか。自分の身元がわかってしまうからか。元巡査だったということもあるのかもしれない。自分のことしか考えられなかった人間は、いずれれ不幸の道をたどってしまう。幸せをあつかむはずが、ただただ幸せを盛った器は崩れて亡くなってしまうのだ。砂の器・・・水を入れてもくずれてしまう。命の水を受け取れない器ということだろうか。それとも虚しい人生、人間模様ということだろうか。