趣味の日記

観劇・歴史・小説・漫画などなど、思いつくままの語り日記

月新公

2007-01-16 23:49:43 | Weblog
てなことで、観てきました。
新公を観て思ったのは、植田先生の作品は、例えどんなにたわいのない内容でも、やはり舞台人としての経験を積まないと大劇場で演じるには難しいのだ、ということでした。
思った以上に新公メンバーは苦戦してた印象。
確かに説明台詞も多く、役が少ない=役付きの人の負担が大きいということで、膨大な台詞をしゃべるので精一杯、という感じにも思えます。
しゃべる以上は、身振り手振りも交えて表現しなくちゃいけないし、説明台詞でいかにその表現をするかというのは、かなり難易度も高い。本役の上級生陣がいかに巧みにお芝居しているかが、改めてわかった気がします。

主演の真咲君も、以外とツッコミがハマらないというか、余裕がないんでしょうね、まだ。
次から次へまくし立てるのに精一杯で、掛け合い漫才の‘間’の可笑しさを表現するにはまだまだ。相手がりお君で、これまた不器用な印象がある子ですから(苦笑)、いまいちテンポがハマらず(汗)。
真面目にじっと改心していく様子なんかは、しっかりと表現してましたけどね。真咲君は普段から押しは強い分、引きの加減がまだわかってない感じなのでしょうか。
そういう意味では、さすがアサコさんとゆうひさんは息も合ってますし、アサコさんもポンポンしゃべるテンポは上手いんですね。
ただ、新公の方が兄と弟には見えました、確かに(笑)。
本来の設定では、ジョルジュの父親がパリから姿を消したのが20年前、そのあとにジョルジュは生まれたから19歳くらい。そしてそのジョルジュの兄貴分でペテンを教えたアルマンドはそれより年上なので、最初に周りから不審がられる・・・辻褄が合ってる(笑)。
そう思えばゆうひさんは・・・19歳では無理があるよなぁ(爆)。
りお君は可愛くて、19歳といわれればそうかもしれないですね。・・・もっと若くても(16~17歳?)いけるでしょう(笑)。
りお君は、コメディシーンはともかく、花売りのミミに告白するところとか、ラストシーンの別れのシーンなどで、すごくいい表情を見せていて、不器用ながらも時々ハッとひきつけられる瞬間があるので、つい目が行きます。・・・誰かさんと似たタイプ?と思ったりして(爆)。
不器用でも、少しづつコツコツ上達していくタイプだと思うので(バウの「フィッツジェラルド」の時の学生さん、一度目より二度目に観た時の方がすごく良くなってて驚いた覚えがある)、良い役者さんに育って欲しいな~と思います。

客席の笑いをさらったのはマギーさん。キリヤンが生真面目~なエッフェルさんなら、マギーさんは生真面目~にさらに天然ボケを足したタイプ(大笑)。
強風の中、建設中の塔を見に外へ出て行く時、キリヤンは転がってきたバケツを風除けに歩いて去っていきましたが、マギーさんはバケツごと強風に吹き飛ばされていきました・・・(爆笑~!)。
そういう笑いの‘間’が上手いというか、ことごとく笑いのツボにヒットしていて、やり過ぎという人もいるかもしれませんけど、私は好きですね。
「長い春の果てに」の新公でも、オカマの研修医で場をさらってしまってあとで叩かれてましたが(汗)、1回しかない新公なんですから、思い切ってやることは、悪いことじゃないはず。むしろそういう若手さんがたくさんいて、お互いにやりあうことで、舞台上での限度とか観客の呼吸とかも学べるものじゃないでしょうか。
もう一人笑いを誘っていたのが、大金持ちのお坊ちゃんの光月るうちゃん。動きを工夫して、イヤミなくぴょこんぴょこんと跳ねては客席にウケてました(笑)。
ひょこひょこ現われたりお君から、思わずカバンを受け取ってむう~っと睨みつけるのは、可笑しかったです。
肝心のヒロインねねちゃんは、やっぱりねねちゃんでした(爆)。可憐で愛らしい花売り娘・・・というには、小悪魔過ぎ(苦笑)。なんとなくちゃっかりと逞しく生きてそうで(笑)、健気さがほとんどない。本役のかなみちゃんの愛らしさは、やはりすごいんだ~と逆に感心してしまったほどです。
れみちゃんの方が、可憐で健気、という風情には似合ってたかもしれません。
でも、アルマンドが去ったあと、エッフェルさんとミミが結ばれるんだったら、マギーさんとねねちゃんなら幸せになれるだろうと思えるから不思議(笑)。マギーさんの天然部分を、ねねちゃんがしっかりと抑え、それでいて突っ走りねねちゃんを、マギーさんが包容力で守ってくれそう。
いずれにせよ、真咲君とねねちゃんは、今ひとつお互いに噛み合ってない印象が残りました。

カーテンコールの挨拶、長のあいあいちゃんは優等生な見事な挨拶でしたが、真咲君の挨拶はボロボロのふにゃふにゃで大笑い。
たぶん何も考えてなかったんでしょうね。その場の思いつきでしゃべってるのですけど、それがまたトンチンカンで脈絡も何もなく、素直すぎてコラコラコラ(苦笑)な感じ。
普段バリバリギラギラと踊ってる真咲君の、意外な本性を観た気がします(笑)。

新公を観ながら、本公演で思い出したことなんかもありますけど、それはまた次回にでも。

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観劇感想

2007-01-16 16:20:18 | Weblog
星組バウ。
稲葉先生は、デビュー作だった花ドラマシティの時も思いましたけど、作り方が正塚先生風?というか、参考にしてるのが正塚先生なのか?
でも、内容としてはもっと素直。厭味なく、爽やかで好感もてます。
主演のれおん君の等身大に合った役で、面白かったです。お正月の幕開きとしては、まずまずなんじゃないでしょうか。ハッピーエンドですし。
まぁ、れおん君は‘何やってもれおん君’みたいなところもあるので、いつまでもこのままじゃ困るんでしょうけど。
和さんも、おとなしくて優しくて自信なさげなところがハマってました(苦笑)。
ただ、一生懸命さは好感度アップですけど、技術が追いついてないというか。男役の見せ方ひとつにしても、星男役陣の中ではどうしても見劣りします。視線の流し方、指先一つにしても、形になってない。これから磨いていけば、端整な二枚目男役で行ける若手さんだと思うので、頑張って欲しいですね。
今回おお~と思ったのが綺華さん。チンピラ役だけど、ものすごいカッコよくてびっくり!
どちらかというと、アイドル系で線の細いイメージありましたが、星だよぉ~(歓喜)という濃さが出てきて、ダンスもバリバリ踊ってました。存在感も出てきましたし。
みらんさんも抜けちゃいましたし、綺華さんの存在が頼もしくなってきたのは嬉しいです。

月組。
幕開きはさすが植田先生。豪華なレビューで、噴水の電飾が見事でした。客席からも、うわ~って声が聞こえましたね。
お正月らしくて、何より宝塚だ~!という満足感が得られます(笑)。さすが植田先生。
お芝居の内容は、まぁ初心者が観るにはわかりやすくて楽しいんじゃないでしょうか。昔ながらの宝塚のイメージって、やっぱりこんな感じでしょうし。
以前の花組お正月よりは、ちゃんとストーリーもまとも(爆)ですし。
ただ、かなみちゃんやゆうひさんやキリヤンさんや、月組の陣容を思えば、この作品では物足りないというか、勿体ないな~という気はしますね。
特にかなみちゃん、何のしどころもない役で気の毒。かなみちゃんならいくらでも大役ができると思うんですけど。
「あかねさす」を観た身には、ゆうひさんがアサコさんの‘弟’というのが、どうしても違和感があります(笑)。どう見たって逆だろう。
はるひさんが、大金持ちのお坊ちゃま役でお笑い担当ながら、何かもうひとつ殻を破れてなくて、存在感も薄いです。方向性は間違ってないと思うんですけど。
泉ちゃんに至っては、せっかくトリオから単独になったのに、全然どこにいるかわからない状態(汗)。頑張って~~っ!
むしろ、ホテルのボーイでうろうろしてるマギーさんや真咲君の方が、よっぽど目立ってます。
りお君だって、かなみちゃんの弟役で印象に残りますしね。
でも、一緒に観劇した姉曰く、「月組の群衆芝居だから舞台全体がちゃんと埋まってるんだよ~」とのこと。
確かに、誰が突出するとかお笑いだけに片寄るとかもなく、作品世界としてはちゃんと収まってました。

ショーは、三木先生だな~という凝った作り。
電飾のセットや、編曲などは、なかなかにお洒落で面白いです。
代わりに、シンプルにまとまる分、組の持つパワーと華やかさで盛り上げないと、単調に陥りかねないのではないかと。
月組さんはその点、若手のパワー不足を感じます。特攻隊長がいないんだよね。さららんとほっくんが抜けたのは、そういう意味でかなり痛いのかも。はるひさんもおとなしいし、おそらくダンスリーダー的存在を期待して異動してきたと思われる桐生さんも、まだ遠慮がちでそこまで出て来れない感じ。泉ちゃんも相変わらず。
ゆうひさんとキリヤンのバランスを取ろうと、二人をそれぞれシーントップに扱ってる分、脇を固める若手陣に頑張ってもらわないと・・・。
ゴージャスな星組とか、パワフルな花組で観てみたいショーだなぁと思います。

・・・とまあここまで書いたところで、今日はこれから月新公を観に行ってきます☆

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