さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

感情の変遷激しい1日でした。悲嘆にくれて涙したり、驚いて感動したり、途中で小1時間の散歩にも行きました

2022-02-27 23:58:08 | 今日一日の暮らしぶり
今日のさっちゃんと僕の1日を書いておこうと思います。
朝7時、僕はアラームの音で目覚めました。
今日は団地での段ボール回収日なので、ダンボールを紐で縛って玄関脇に置いておきます。
それから僕の朝食を作って食べました。

今日も(毎日ですから当然ですが)ヘルパーさんが来てくれます。
さっちゃんを起こして、ベッドの頭を上げます。
まずは水分を摂ってもらおうと思い、森永製菓の in ゼリー マルチビタミンを飲んでもらおうとしました。
昨日までのOS-1はほとんど全部がゼリー状になっていたのですが、これはゼリーと液体の半分半分です。
それで、他にあったOS-1を開けてみたのですが、それも半分半分。
もうひとつ別の種類のも開けてみましたが、やっぱり半分半分。
仕方なく、in ゼリー マルチビタミンを飲んでもらうことにしました。

ヘルパーさんが今日は9時に来てくださいました。
濃い色のついた尿が出ていました。
昨日から丸一日パッドも交換していませんから、尿量は実に少ないですね。
水分摂取できていませんから当然ですけどね。
終了後、少し経ってから、さっちゃんを本格的に起こして車椅子に座ってもらいます。
同時に着替えもしました。

そして、食事です。
退院以降、さっちゃんはほとんど何も食べていないに等しいです。
口に入れたとしてもスプーン1杯とか2杯くらいのもの。
今日もそうでした。
小さめのスプーンに3分の1くらいいつもの牛乳で煮たオートミールバナナ入りを載せて、口を開けてもらいます。
なかなか口を開けてくれませんし、開けてもほんの僅かですから、スプーンを差し込むことは出来ません。
それでも何とか2回3回はスプーンで口に運ぶことが出来ました。
それでも普通のスプーン1杯になるでしょうか?

ただ、さっちゃんは口の中の食べ物を飲み込んでくれません。
ゼリー飲料だけだと時たま飲み込んでくれますが、柔らかいとは言え普通の食事ではほとんど飲み込むことをしてくれません。
その食べ物は時々口から溢れてはみ出し落ちて来ます。
何時はみ出すか、いつ飲み込むか、見落とさないように僕はずっとさっちゃんの口元と喉を見続けています。
スプーン1杯の10分の1ほどでも、食道から胃へ辿り着いたでしょうかね?
朝食時の薬もハサミで細かくしてオートミールに混ぜたり、僕がさっちゃんの口の中に差し込んだりして飲んでもらいました。
でも、薬も口からはみ出してしまっているんでしょうね?

朝食は諦めて、さっちゃんをベランダ側の窓のそばに連れて来ました。
正午前なので陽は部屋には差し込んで来ませんが、暖かくて青空も見えますからね。
僕はさっちゃんと向き合って、ソファに座りました。
『モーニング』を読んだり、時々ゼリー飲料を飲ませたりします。
たまに、飲み込んでくれることもありますが、ほとんどはだいぶん時間が経ってから口の外にはみ出て来ます。


▲12:24。さっちゃんの唇の右端からゼリー飲料が1滴はみ出しています。この写真を撮った直後に僕は気付きました。ティッシュで拭き取ってあげました。

そんな中でした。
僕は悲しい心持ちが溢れてしまいました。
さっちゃんはこのまま何も食べず何も飲まず、徐々に体は痩せ衰え弱って行ってしまう。
この春はさっちゃんとの最後の短くも貴重なひと時なんだ、といった想いが込み上げて来たんです。
涙が滲み出て来て、何度もティッシュで眼を拭き鼻をかみました。



午前中にウェザーニュースでこの付近の天気予報を見ると、晴れて暖かくても、風が風速10m以上になっていました。
ですから散歩はしないことに決めていたのですが、正午過ぎて再度チェックすると、風速がひと桁になっています。
窓から外を見ても、樹々の枝が揺れていません。
散歩に出かけることにしました。

出かけてすぐに気付いたこと確認したことがあります。
昨日のブログで2cmの段差でティッピングレバーを踏むと書きましたが、1cmに訂正します。
ゆっくりと車椅子を押していると、1cmの段差でも止まってしまいます。


▲13:41。多摩川土手にでると、強い風が吹いていました。それほど冷たい風でもありませんから、土手より低い道を通ることにしました。写真は下の道に降りる中間地点です。


▲13:42。同じ場所を反対側から撮りました。土手と対岸の丘が見えていますね。


▲13:48。公園の向こうが土手です。左3本は桜の樹です。風はないことはないですが、土手ほど強くはありません。


▲13:53。この道は暑い夏の昼に歩くことはあっても、普段は歩かない道です。林の左に土手があります。さっちゃんと僕は写真の奥から来ました。

さっちゃんの散歩の基本周回コースは40分かかります。
今日のこのコースは30分くらいですかね、もちろん入院前のさっちゃんのぺースで。
それを小1時間かけて散歩しました。
いつも玄関前を綺麗な花で飾っているお家があるんですが、ちょうどパンジーが咲いていました。
僕がパンジーを指差して「綺麗だね」と言うと、さっちゃんは視線をしっかりとそのパンジーに向けて、同意するような表情を見せてくれました。
僕の一人合点かもしれませんが・・・・

散歩から帰って来ると、車椅子でダイニングまで入ります。
そこで前後の車輪を消毒用のウェットティッシュで何度も何度もよく拭きます。
玄関からダイニングまでの床もよく拭きます。
そしてゼリー飲料も少し口に含んでもらって、さっちゃんには少し布団で横になってもらおうと思いました。
車椅子をバックでベッドの脇まで運び、ストッパーを掛けます。
僕はベッドの高さを低くしたり布団を整えたりしていました。

すると、さっちゃんが車椅子から自分で立ち上がろうとしています。
僕は驚いて、その様子を応援する気持ちで見守っていました。
さっちゃんはお尻を車椅子の座席の前方に移動させ、左手でベッドサイドのレール(柵)を掴みます。
右手は車椅子の肘掛を掴んでいますが、不安定で高さも少し低いんです。
僕はさっちゃんの右手に自分の左手を貸しました。
ただ手を貸しただけで、力は貸していません。
さっちゃんはお辞儀するような格好で重心を前方に移動させ、見事に立ち上がったんです。

凄い! 凄い! 凄い!
さっちゃんはこんなことが出来るんだ!
でも、こんなことが出来る以上に、立ち上がることをさっちゃんが自発的にやったことが、もっと凄い!
僕は嬉しくて嬉しくてたまりませんでした。
いまブログにこのことを書きながら自然にが出て来てしまいます。
僕はさっちゃんをベッド脇に座らせて、今度は僕がさっちゃんの両手を取ってさっちゃんの前に立ちました。
「さっちゃん、さあ立ってごらん」
すると、さっちゃんはさっきよりスムーズに立ち上がりました。
ベッドの高さを少し高くしてあげたせいもあるのでしょう。
そして、さらにもう1回さっちゃんは立ちました。

僕は3回も立ち上がって疲れただろうから、もう布団で横になってもらうつもりでした。
でも、ベッドサイドのさっちゃんはまだ立ち上がりたそうです。
両手を取ってやると、4回、5回、6回と立つことを繰り返しました。
立って、しばらく両手を掴んだままでいると、さっちゃんは両足を交互にすり足のように動かしながら、数歩歩きました。
数歩と言っても10cmほどしか進みませんが。

僕はベッドサイドに腰掛けているさっちゃんに拍手喝采します。
凄い! 凄い! 凄い!
すると、久し振りの2往復の会話も成立しました。
「頑張ろうね!」
「うん」
「歩こうね!」
「うん」

僕の耳が勝手に「うん」と聞き取っただけかもしれません。
でも、さっちゃんの気持ちまで僕には伝わって感じられていました。
ブログを書きながら、再度が滲んでしまいます。

6時過ぎ、さっちゃんに起きてもらって、夕食にしました。
相変わらず食べません。
僕の心が苦しくなります。
ちゃんと最低限食べ、飲んでくれさえすれば、さっちゃんは絶対に歩けるようになる!
今日僕はもっとそんな確信が深まりました。
明日、A病院の相談員さんに電話して、飲食について相談したいと思っています。
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